AUDI R8 カーボンパネル

下塗りクリアー完全硬化先日塗っておいた下塗りとしてのクリアーが完全硬化していますので素地調整を行います。多分普通の人が見ても「これ塗り直す意味があるんですか?」といった感じだと思いますが、まだまだ手を入れる余地はあるのです。

 

ライン出し

下塗りのクリアーを塗るまえにもライン出しはしていますが、今度はさらに番手を細かくしての微調整となります。水研ぎでの#800→#1000で、最後は#1200で目を均します。

画像だと当て板は木片を使っていますが、この後にはもう少し短いサイズの「砥石」を使っています。当然ですが木より石の方が堅いので微妙なラインまでを研ぎ出す事が出来るのです。ただし変な力の入れ方をしたりバランスの悪い研ぎ方だと逆に端の角が当たってしまいスジ状の深い傷が掘れてしまうのでこの段階でこういった堅い当て板を使う人は余り居ないですかね。

ちなみに白い泡は洗剤では無くクリアーの研ぎ汁です。かなり気合を入れて研いでいるので実は折角塗った下塗りクリアーは所々で下地が露出していたりするんですよね(苦笑)。まあ当然対応策はありますので御安心下さい。逆にそれを誤るとエッジマッピング(=地図状に見えるチヂレの一種)を起こしますので注意が必要ですが。

 

スカシ

ある程度研ぎ付けたら寝かした角度から透かすように見てラインの確認をします。ここで先日のように水を掛けると艶は出ますが微妙なラインは見えなくなってしまうので、雑巾で拭いて多少濡れた艶がある状態の時にラインを確認しては再度研ぎ付け、を何度も繰り返します。

自動車ボディの場合はこういった作業が非常に悪い体制になるので腰への負担が大きいのです。ついつい作業にのめり込んでしまうと無理な体制をしているのも忘れてしまい、徐々に体が壊れていくんですよね・・・。

と言う事ですが、自動車のボディパネルに触れる作業は本当に久しぶりで、難しい反面結構楽しんでいたりします。ただやはり時間は凄く掛かるんですよね・・・。

自転車フレームRALEIGH 修理塗装承りました

RALEIGH

こちらをお預かりしたのは去年なのですが、ちょっとご依頼の経緯がいつもと違うので紹介が遅れてしまいました。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

今回のご依頼はシートチューブ部に出来た傷で、どうやら輪行時にこの部分を強く固定されていて深く傷付いてしまった模様です。ですので今回の請求元はその公共交通機関の企業様に当たる訳ですね。

実はこれはプロフィットを始めた当初、たしか13年くらい前にも同じような事がありました。屋久島かどこかの島に船で行く時に、輪行した船の船員さんさんにワイヤーで強く固定されてしまいフレームの至るところが傷だらけになってしまっていました。車種はアレックスモールトンのMTBタイプ?で、その時は保険作業だったので費用は潤沢でしたから(笑)、車体ごと預かって都内どこかの自転車屋さん(交通公園の近くと言うのだけは覚えてますが・・・)に持ち込んで分解して貰い、全塗装した後に再度組み付けて貰うといった結構面倒な事をやっていたのです。

その時のオーナー様曰く、「塗装は出来るけど元の色に戻せるってお店が見つからなくて・・・」という事でご依頼頂いたと思いますが、当時はインターネットも殆ど普及していない時代でしたから、「自転車塗装」といったキーワードで見つかるお店は非常に少なかったのだと思います(うちはネットに接続するのが結構早い方だったと思います)。まだISDNが全盛期の時代でしたよね(懐)。

RALEIGH1

で、今回の損傷部はこんな感じです。表だけでは無く裏側も・・・。

オーナー様のご希望としては「出来るだけロゴとその端のラインを残して欲しい」との事ですが、さすがにそれは難しく、また既に素地から錆が出ているので中途半端な修理をしても錆の再発は100%起きますから、だとすると塗り直す意味が無いのでは・・・と言うことで、改めて違う修理内容をご提示の上でご了承頂き今回ご依頼頂く事と至りました。

内容としては、

①この傷周りのロゴについてはしっかり下地から修理する(傷の周りは旧塗膜剥離~サンドブラスト処理)

②色(黒)を塗るのはシートチューブ部のみ(ベースコートのボカシですね。自転車の塗装ではあまりやりませんが自動車お車体なら当たり前のことです)。

③シートチューブ部以外のロゴは残したまま、全体に足付け処理~クリアーを丸々塗装

と言う作業内容になります。

ここ以外にも小粒な傷はありますがその辺りは下地処理の段階でベースコートをタッチアップしておきます。クリアーまで塗られれば艶は同化するので比較的目立たなくなりますかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。もう少々お待ちくださいませ!

bremboキャリパー塗装

プライマー塗布

ブレーキ屋さんの作業としては脱脂処理まで行っているのでこちらに渡された状態ではまさに「塗るだけ」といった作業となります。これをまともに脱脂作業するのにも結構時間が掛かりますからね。ちなみにキャリパーが二個増えていますが気にしないでください(笑)。別件で追加になったものです。

と言うことでいよいよ本塗りですが、まずはいつも通りのプライマーを塗ります。金属素地に直接色を塗っても剥がれてしまいますし腐食はどんどん進みますしね。なのに何故かプライマー無しで塗装されているケースが未だに多いのは何故でしょう・・・(まあ色々ご事情があるのだと思いますが)。

ちなみに塗装時はこの状態のまま塗っている訳ではなく、一個ずつ外して違う場所で塗っています。こんな過密した状態では塗れませんし、そもそもキャリパーは形がこんな歪ですから全方向からちゃんと塗ってあげないと綺麗に塗れないのです。しかもこの大きさのキャリパーともなると激しく重いですし(苦笑)。

 

ブレンボ丸形ロゴシール

 

キャリパーのロゴ入れに関しては、塗装であれば有料になりますがシールなら無料で対応しています(bremboに限りますが)。ただ今回はいつものブレンボロゴではなく丸味を帯びたちょっと特殊な(クラッシック?)デザインの物で、うちにはデータがありませんでしたから(あったとしても昨年末のPCクラッシュで全部消えましたが・・・苦)これを作るとなると別途費用が掛かってしまうのです。

と言うことで、今回はオーナー様自らご用意頂いたようでブレーキ屋さんからこれを受け取ってクリアーの前に貼り付けるとします。ちなみにクリアー下にステッカーを貼る作業は基本的には受け付けていません。今までに何度かトラブルが生じたので今現在もやっているのはこのキャリパー塗装だけが特例だったりします(保障もしていませんし・・・)。 時々自転車のフレームで「クリアーを塗る前にこのシールを貼って欲しい」と言うご相談があるのですがそういった理由があってお受付出来ませんので何卒ご理解の程宜しくお願い致します。

ブレーキキャリパー本塗り完了!

そして無事本塗り完了です。お待たせしました!

画像だとちょっとゴールドが濃い感じですが実物はもう少しアッサリしていますのでご安心ください。赤い方のキャリパーはロゴ入れは無しで承ってますので本当に単に塗るだけです。

完成画像も撮る機会があったら紹介しますね。

ブレンボキャリパーの色 作成

bremboキャリパーの色作成

 

今年初のキャリパー塗装はオーダーカラーなので選んで頂いた色見本に沿って色を作成します。ゴールドではありますがそんなにゴールドゴールドしていなちょっとくすんだ感じのゴールドに、と言ったご要望となっています(何を言っているんだか解かりませんかね。苦笑)。

こういった感じで、色を説明する時の会話はちょっと普通とは変わっていたりします。特に塗装屋同士の会話だと例えばこのゴールドを見ながらの場合、「ちょっと赤いよね。もう少し青くなればいいんじゃない?ミドリで殺せないかな」なんて感じに、傍から聞くとちょっと物騒な会話にも聞こえますよね(笑)。色を言葉で表現するのはちょっとややこしいのです。

bremboキャリパー

キャリパーの塗装は今までの施工例からすると4個で6万円~8万円くらいになっていますが、実際にはその殆どは「下地処理」の費用に当てられます。塗る事自体はそんなに手間ではなく「塗るまで」の作業が凄く大変なんですよね。分解→洗浄→旧塗膜の剥離→洗浄→マスキングといった作業ですが、特にこの「剥離作業」は非常に大変です。

なので多くの塗装屋さんはこういったキャリパー塗装を余り好まないのですが(私も敬遠していました)、当店の場合はここまでの作業は全部ブレーキ屋さんにお願いしてしまっているので比較的作業は楽なのです。故に利益はそんなに無いのですが(苦笑)、餅は餅屋と言うことで専門的な作業はそれを得意にしている人間(または会社)に任せてしまった方が手っ取り早いですし間違いも無かったりしますので。ちなみにブレンボのキャリパーは新品を塗る場合でも既存の塗膜は剥がしてしまっていたりします。使っているうちにボロボロになってしまうらしいのです。多分今回のキャリパーも二個は新品だと思いましたが・・・(依頼主はブレーキ屋さんなので最初の状態は良く知りません)。

ちなみにこの4個のキャリパーは一台の車に装着される物で、通常リヤ用は4ポッドキャリパーになるらしいのですが、今回の組み合わせは全て6ポッドキャリパーが装着されるようです。詳しい方ならお気づきだと思いますが、このキャリパーは買おうと思って買えるような部品では無いようですね。私はこれに関して詳しくは無いので解かりませんが、わざわざ海を渡ってここまで来るのにも結構な時間を要したようです。私には単なるアルミの塊にしか見えませんが、この4個だけで新車が一台買えるくらいの額みたいですから(恐)、物の価値とは解からない物なんですよね・・・。