クロモリフレーム&フォーク 下地塗装

そしてクロモリフレームも綺麗にサンドブラストされて帰って来ました。素手で触るとその部分が跡でブリスターとして出てきたりもするので取り扱いは十分に注意して行います。

フォークは先日当店で溶剤による剥離を行っていまして、やはり部分的に錆が出ている箇所もあるのでサンドブラストを行います。こういった水抜き穴付近は特に錆び出ているケースが多いです。フレーム内部の防錆にはこういった穴の部分から防錆油をスプレーしておくと良いかと思います。自動車修理の場合では「ノックスドール」などが有名ですが、恐らく手元に無いと思いますので(私も今はありません・・・)代わりにCRCなどの潤滑油でも構わないと思います。

そしてサンドブラスト完了です。私が使っているのは直圧タイプのサンドブラストでは無いので塗膜ごと剥がすのは大変ですから、塗膜は溶剤浸け置きで剥離し、素地調整(錆取り)などをサンドブラストで行うといったやり方ですかね。工程は増えますが作業時間はこの方が短くて済みます。

スプレー塗装だとこういった奥まった箇所へは普通に塗るだけではちゃんと奥までは入りません。なのでその場合は筆で予め奥を塗っておいたり、超至近距離(5ミリくらい)でスプレーして無理やり塗料を奥まで届かせたりします。プライマーが塗られていない=早急に錆が生じますので。

今回は後者の方法で、ただこの方法だと周りに塗料が溢れ出たり塗り過ぎたりしてしまうので、使うプライマーは専用のシンナーでかなり薄目に希釈しておきます。 で、塗料が乾かないうちに勢いよくエアーブローをしてさらに塗料を置くまでさせ、食み出たプライマーはシンナーとウェスで拭き取ってしまいます。

それが全て終わったらいつも通り全体にプライマーを塗布します。今回はアルミフレームの方と同様に浸透型エポキシプライマーを使用します。

そしてアルミフレームと同様、サフェーサーを塗って無事下塗りまでが完了です。

自転車の塗装が得意って言う訳では全然無いのですが自転車塗装のお問い合わせは年々増えてます。と言うか自転車に興味を持つ方が増えて、そして色とかデザインに興味を持つ方が増えているんでしょうね(まさに私がそれに当て嵌まるんですが・・・)。

特に「色」に関しては趣味性の高い物には必ず関わってくる事ですから今後も益々需要は高くなってくると思っています。今のPRO_Fitは基本的には「受身」の態勢ですが、これをもうちょっと積極的にして行こう、というのが今後の課題でもあると思います。ただそれは私には出来そうもありませんので(不向きだと解かってます。一人でネチネチやっているのが性に合ってますので)、それが得意な人間にやって貰おう、と言うのが次の段階だったりします。まあまだ何も決まっていないのでどうなるか解かりませんけどね(苦笑)。

こちらの次の作業は色の作成ですね。進行しましたらまた紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

自転車アルミフレーム 下地塗装

サンドブラスト屋さんにお願いしていた自転車フレーム×2個が脱酸素剤と共に包まれて戻って来ました。大変お待たせしました!

フレームの一番真下になる箇所はこうやって錆(腐食)が出ているケースが多いです。侵食されて虫に食べられたような状態になっています。 こういった侵食の奥の処理はサンダーでは難しいですがサンドブラストであれば非常に有効です。と言うかサンダーだけでやろうとするからsistemsixの時のようにあっと言う間に再発すると思うのですが・・・。ちなみに画像の一部は修正しています(車体番号にモザイク掛けてます)。

本日知り合いの方がTACさんに来て、自転車のマスキングを見て「随分丁度いい物があるんですね~」と言ってましたのでちょっと紹介させて頂きますね。 ボトムブラケットの穴などをマスキングする場合、テープで貼る場合もありますが「詰め物」を入れて行う方法もあります。

画像はフレーム先端のフォークが通る穴で、ここにはペットボトルのキャップを挿し込んでいます。ちょっときつかったので少し切り込みを入れて奥まで入るようにしています。 材料費はタダですし何より作業が早いですからね。抜くときはピック(千枚通しみたいな物)を刺して引っ張って抜きます。

サンドブラストされた被塗物を脱脂する場合は、吊るした状態で上から脱脂溶剤をスプレーして洗い流すようにして行います。表面がザラザラになっているのでウェスで拭き取ろうとしても引っかかるだけなんですよね。ウェスが丸まってしまうのです。

で、脱脂洗浄が済んだらまずは浸透型エポキシプライマーを塗布します。今回は「重防錆仕様」で承っていますのでいつものプライマーよりも強力なタイプの物を使います。いつも使っているプライマーと今回のプライマー、何が違うかって樹脂も顔料も全く違う種類の物なんです。材料が違えば手間も当然違うので費用も当然違うのですが・・・(大体プラス¥8,000です)。

防錆については先ほどのプライマーで担う訳ですが、各部侵食された跡はそのプライマーで埋めきれる物ではありませんのでその場合は「サフェーサー」を塗布します。ちなみにこのサフェーサーにも防錆効果はありますが、これの主な役割は「塗膜厚の充填」ですからこれだけだとちょっと弱いですかね。まあそれ以前に使うエアーに水が混ざっていたりしたらどれも意味が無くなってしまいますが(材料だけではなく設備も必要ということです。ちなみに空気から湿気を取り除くのはエアードライヤーなる機器です)。

来週中には本塗り出来る予定です。もう少々お待ち下さいませ!