カングーのミラーカバーなど サフェ入れ

kangoo1 カングーのミラーカバーは順番的にまだ先になるのですが(大物のベンツのカバーがありますので・・・)、他にサフェーサーを入れる作業があるのでこういった物は一緒に作業してしまいます。小物塗装だけで仕事が成立たせるには効率良く動かないと、ですね。

傷の具合としては、そこだけ綺麗に塗膜が削れているような状態で、もしかして普通の方が見たらパテで埋め込みたくなるのかも知れませんがそんな事をする塗装屋は居ませんかね。樹脂(プラスチック)パーツでパテを使うケースと言うのは実はそんなに無いんですよ。

kangoo2 樹脂パーツに限らず、傷は埋めるものでは無く「削り落とすもの」が一般的な修理方法です。よく自動車のボディにイタズラで線状の傷を付けられたりしていますが、あれも同じくパテなんて使う事はありません。私的な見解ですが、そんな直し方している所はちょっとマズイですよ・・・。

という事で、傷の部分は#180で削り落としながらラインを整え、#240→#320→#400と均します。サフェーサーを塗るだけなら#240で終わりで構わないのですが、サフェを部分的に塗る場合には「足付け」の為と上塗りに影響が無い番手までにしておく必要があるのです。

kangoo3で、待ち構えていた他の部品と一緒にサフェーサーを塗る準備をします。

左の二個はSUBARU BRZの内装部品で、真ん中の黒いのはNIKONのカメラフードです。そして一番右がミラーカバーですね。

レンズフードは素材はアルミなのでプライマーは他の樹脂パーツとは違います。改めて説明しますと、プライマーは素材によって変えますが、サフェーサーは「塗膜厚の充填」がその役目ですから大事なのは「プライマー」の方なのです。よく自家塗装の説明などで、サフェーサーの使用用途に「密着性の為に」と紹介されていたりしますが厳密にはそれは間違いです。例えば塗装済みのミラーカバーで、傷が無く下地の旧塗膜に問題が無ければ足付け処理だけで塗装は可能です。サフェーサーは塗らなくても剥がれてきたりはしません。大事なのは「プライマー」の方で、これは素材によって色々と種類があるので用途によって使い分ければOKです。

kangoo4 BRZの内装部品は梨地の平滑化とラインの修正ですので結構タップリ塗ります。どの道後で殆ど削り落としてしまいますしね。

kangoo5NIKONのレンズフードとカングーのミラーカバーは旧塗膜の膜圧分+αで良いのでそんなにタップリぬる必要はありません。そもそもサフェーサーはコート毎の膜厚は上塗り塗料に比べて固形分が多いので4コート程度で十分な膜厚になります。ただしこちらも半分程度は研ぎ落としてしまいますかね。

サフェーサーは「シール性」や「充填性」が重要視されますが、作業者にとっては「研ぐ」もセットで考えなくてはならないので「切削性」も製品選びの要になってきます。以前は良いサフェーサーが無いのでエポキシ系を使っていた時期もありましたが、今使っているSTANDOXのシステムフィラーはそれらが全て満たされているのでかなり満足しています。下地塗料は上塗りと揃えなければならない訳では無いので、エッジマッピングなどで困っている塗装屋さんにはお勧めですかね。ただしお値段は国産に比べるとやはり高いかも知れませんが・・・。

オデッセイのテールランプスモーク塗装 完成

odyssey こちらもお待たせしました!「極薄めと薄めの間」でご依頼頂いていたオデッセイのテールランプ一式も本日完成となります。こちらも最初にお問い合わせ頂いたのは去年のクリスマスくらいでしたね。構想から三ヶ月ですか・・・長らくお待たせしました!

odyssey1 濃度は先ほど紹介したマークXに比べると一段階弱薄いスモークになっています。

当初はこの「極薄めと薄めの間」と言う設定は無かったのですが、「出来るだけ薄く、ただしスモーク感は欲しい」といったご要望が余りにも多いので後から出来た設定です。ちょっと矛盾している気もしますけどね(笑)。ただこれが一番日本人な感性であるとも思います。

odyssey2「黒い」とは感じないまでも、「何かスモーク掛かってる?」といった濃さですかね。内部反射板が良く見えるタイプのレンズはこれくらいの濃さだとダマやムラが目立ちますから、塗装としては難しい部類に入ると思いますが、逆にそれのお陰でうちのような小物塗装屋でも仕事としては成り立っているのだと思います。誰でも簡単に出来たらわざわざうちにご依頼は来ないですからね(苦笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

マークXテールランプスモーク塗装 完成

markx こちらもお待たせしました。マークXのテールランプ一式、「薄目」の濃度でスモーク塗装完成です。最初にお問い合わせ頂いてからもう三ヶ月になるのですね。大変長らくお待たせしました!

最初の状態も紹介します。

markx2基本となるスモーク濃度は「薄め」になるのですが、手前にある小さいテールランプの丸いクリアー部分は「極薄めと薄めの間」での濃度になっています。これのお陰で全体的に見てもスモークが濃過ぎるような感じは無いですよね。わざわざクリアー抜き&ダブルスモークにした甲斐があったと思います。

markx1 特に今回のマークXのテールランプの場合、ウィンカー部分が「ピンク」としての色味が強くちょっと残念な気がします。ファミリーカーなら余り気にしない所でも、マークXの場合はCMを見ても解るようにピンクとは縁遠いイメージを打ち出している筈なのですし・・・。

という事で、私の勝手な見解ですが今回の内容をまとめますと、

・ピンクに強調された部分はスモークで抑えたいので「薄め」程度の濃さは欲しい

・ただバックランプは今後の事を考えてスモークにはしたくない

・しかしクリアーの部分がスモーク無しのままだと明暗が強くて違和感が残りそう

という事を払拭する為に赤い部分は「薄め」、クリアー部分は「極薄めと薄めの間」のスモーク濃度に塗り分けてのご依頼になったのだと思います。ちょっと営業的過ぎる説明ですかね(苦笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

レイバンサングラスフレーム 本塗り

rayban こちらもお待たせしました。レイバンのサングラスフレームも無事本塗り完了していますので御安心下さい。

ご依頼としては現状の黒を「白」への変更で、ただ艶具合は白ではちょっと珍しい「艶消し」でのご依頼となります。

rayban1ベースコートを塗ったら艶消しクリアーを塗って無事本塗り完了です。画像だと塗り終わったばかりなので艶がありますが、ここから徐々に艶が消えていきます。

ただ白の場合、余り艶消しにし過ぎると汚れが目立つ可能性がある為、完全な艶消しよりも少し半艶寄りの「3分艶」程度に設定しています。先日塗ったSPENGLEのホイールと同じ艶具合ですね。

テンプルについていた「Rayban」のエンブレムは外す事もマスキングする事も難しかったので、今回はフレームと一緒に塗り潰しています。ただ完全硬化後にここをクリアーを筆で塗って艶を出し、アクセントを効かせる予定です。

完成までもう少々お待ち下さいませ!

マークXテールランプ ポリッシング

markx7 塗装時に付着するゴミもありますが、それよりもクリアー抜きなどでマスキングした際にテープ端についていた微小な毛ホコリや糊などが原因の場合が多いですかね。ちょっとしたゴミでも表面張力によってそこだけ塗膜が盛り上がってしまうので(と言っても普通の方が見ても気付かないレベルかも知れませんが)そういった際には磨き処理が必要です。

最初に#1500で平滑にし、それを#2000・#3000で均します。

markx8先日当サイト内の掲示板で質問がありましたが、「磨き」に関しては意外と難しい所があります。これは技術云々では無く「材料」と道具による所ですかね。一種類だけのコンパウンドや手掛けだけでは対応しきれない所があるのです。

前記した#3000のペーパー傷を消すのにも、細か過ぎるコンパウンドではいつまで経ってもペーパー目は取れず、かといって粗めのコンパウンドではいつまで経ってもバフ目(磨きによって付く傷)はなくなりません。ペーパーと同じくコンパウンドも徐々に番手を細かくしていって仕上げていく必要があるのです。また手磨きだとどうしても磨きムラが出来てしまうのでポリッシャーはやはり必要です。磨き専門でやっている方に「手磨きで傷一つ無く仕上げて欲しい」と言ってもそれは無理だと言われる筈ですので。磨きを専門でやっている方は普通の人間よりもさらに傷を気にしてみるので「どこに傷があるの?」と言うレベルでも許せない筈ですので。

ちなみに最近業界紙を見ていると「これ一本でOK!」みたいなキャッチコピーのコンパウンドを見ますが、それは傷を取っているのではなく何かの皮膜で単に傷を見えなくしているだけじゃ・・・と、私的には怖くて使えません(まあこれは昔からありますよね)。私的には磨き作業で無理に(意図的に)傷を見えなくされてしまうと後で油膜が取れて傷が出て来てしまう方が問題だと思いますので、当たり前の事ですが塗装屋が磨きに使うコンパウンドはノンシリコン・ノンワックスが基本です。

同じくオデッセィのテールランプも磨き作業を終え、どちらも明日(と言うか日付的には今日)には完成予定です。もう少々お待ち下さいませ!