ブレンボキャリパーの塗装

brembo2 こちらはいつもご贔屓頂いている業者様からのご依頼で、普段はこういった業者間でのご依頼は紹介することは無いのですが、今回のアンリミッテッドワークスさんは全然問題無いとの事ですので今回は一応画像撮っておきました。既に納品済みですので一連の流れを紹介しますね。

brembo3 多分元の色は「赤」だったと思うのですが・・・どこにもそんな痕跡はありません。

ちなみに画像ではクリアー層が浮いて剥がれてきていています。これは所謂「層間剥離」で、ブレンボのキャリパーでは良く見られる光景です。

ちなみに当店でキャリパーに塗っている塗装は耐熱塗料でも焼き付け塗料でも無く普通の2液ウレタン塗料です。よくそれを言って「大丈夫なんですか?!」と心配されますが、恐らく焼き付け塗装だった物が上の画像のようになる訳ですからそこに意味があるとは思えません。

ここで紹介はしていませんが、私と同じような事業形態としてTACさんに間借りして営業しているブレーキ専門の方が居まして、その方からは月に何セットもブレーキキャリパーの塗装はご依頼頂いています。多い時には一ヶ月に20個くらい塗る時もありますが、未だ剥がれたとか何かしらのトラブルも聞いた事はありません。普通の塗料で塗って問題が起きるのは多分違う所に問題があると思っています。例えば旧塗膜に問題があってそれを剥がさずに残したままだったとか、アルマイト処理された表面にそのまま塗装してしまったとか・・・でしょうか。まあ新品で塗膜削り落とすっていうのもちょっと勿体無い気もしますけどね。逆にいつもご依頼頂いているブレーキ屋さんは新品でも全部下のような状態にしてしまいます。

brembo4 こんな感じで劣化した塗膜はサンドブラストで全て剥離されました。

ブレーキ屋さん曰く、「サーキットでタイムアタックするような走り方をするならどんな塗装でも無理だよ。だからAPとかブレンボレーシングのキャリパーは塗装じゃ無くてアルマイトでしょ?」、との事です。さらに業界のマズイ裏話が続くのですが、あまり公にする事でも無いのでとりあえずはこの辺で・・・。

brembo5 実はこちらは以前同じ色でヘッドカバーを塗られたオーナー様の物で、この色が大層気に入られたようなので今回キャリパーもお揃いにされたようです。bremboのロゴはシールでは無く白の塗装で入れてます。

brembo6下地としてはサフェーサーは入れずプライマーのみですのでアルミ素地の梨地(ザラザラした肌)の影響は残っていて、例えばクリアーの二度塗りでさらに艶々に出来ますが、キャリパーならこれで十分かと思います。

ここで紹介している以外にも業者さんからのご依頼品は結構多く、現在もS20のヘッドカバー(ハコスカのです)を艶々の黒にするとか、ポルシェの同じくブレンボのキャリパーを赤く塗り直すとか、整形美容機器の外装パーツだとか結構色々な方面からご依頼を頂いていまして、ここの更新が遅れていたら大抵はそっちの仕事に追われているような状況ですかね・・・。

ラクティステールランプ 下地処理

ractis

こちらもお待たせしております。トヨタラクティスのテールランプですね。画像は足付け処理中の状態です。

ご依頼内容としては、こちらもスイフトのテールランプ同様にクリアー抜きはず、全体をスモークでのべた塗りとなります。ただし濃度は「標準濃度」ですので、スイフトに比べるとかなりしっかりとしたスモークになると思います。

それではこちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。

あと話は変わりますが、大物案件だったLOOKのカーボンフレーム&フォークの作業が先日遂に完了しましたので、次の大物案件になるメルセデスのエアークリーナーボックス蓋の凸文字塗装がそろそろ始まります。塗装面積字体は全然少ないのですが、如何せん塗るまでの準備がどれだけ大変かがやってみないと解らないところもあるのでこれが終わるまで他の大物案件は手が付けられません。何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。

ただ陽気が暖かくなって来たので細かい作業は比較的やり易くなったかも知れません。こちらも作業進行しましたら改めて紹介いたします。来週にはいよいよ作業開始です。お待たせしました!

スイフトスポーツテールランプ 下地処理

swift 以前の投稿でこのスイフトのテールランプを探していたら見つからず、もしかしてと言うかすっかり紹介していなかったのかも知れません。大変失礼しました・・・(言って頂ければ・・・ご心配をお掛けして申し訳御座いません)。作業は順番通り行っておりますのでご安心下さい。

画像はマスキングをして足付け処理をしているところですね。手前に落ちているブタ毛のブラシは裏側の掃除用です。テールランプの裏側は形がイビツで、ただ結構砂ホコリが付いているのでエアーブロー&この毛長のブラシで掃除しておきます。レンズの隙間はもっとしっかり掃除するのでコシの強いナイロンブラシを使います。

swift1 で、今回はテールランプの一方にちょっと深い傷が付いています。このまま塗ると傷は残ってしまいますので予め処理しておきます。これもパテを塗るでは無く削り落としてしまいます。

swift2「レンズ削っちゃって大丈夫なの?!」と思われるかも知れませんが特段問題ありません。レンズ程の厚みがあれば強度があるので結構深い傷でも削り落とせます。ただし貫通したヒビとか割れは無理ですかね。または多少の割れは表面を多少削り込んで透明なエポキシ接着剤を充填して補修する事も可能です。ただしそこは多少透明度が落ちますので(濁ります)極薄いスモークやレッドキャンディーだと多少ムラっぽく見えるかも知れません。標準濃度以上のスモークなら解らないまでになりますかね(ただし灯火したときにヒビ模様は出るかも知れませんが)。

画像では#400の空研ぎで、このままだとペーパー目は粗いですから→#600→#800と均しておきます。このままコンパウンドで磨けば傷は元通りに戻ります。ただしヘッドライトの場合は表面に特殊なコーティングがあるので止めた方が無難です。バッチリ跡が残ります。またヘッドライトに限らずコーティングが施されているレンズもあるので怪しいと思ったら止めておいた方が良いですかね。

そしてご依頼内容も改めてご確認(ご案内)致しますと、スモーク濃度は「極薄め」で、特にクリアー抜きなどはしない「べた塗り」となります。細かいニュアンスとしては、「スモークと言うよりは鮮やか過ぎる赤を落ち着かせて深みを出す感じで」といった感じですかね。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!