スターバックスタンブラー 素地調整

starbucks7 こちらもお待たせしております。スターバックスの磁気製タンブラーです。もう一個のいつものステンレス製のタンブラーは定番ですが磁気製のこれは初めてです。「って言うかそれって塗れるの?」と思われそうですが(これ二回目ですね)、素地調整次第では他の被塗物同様に塗装は問題ありません。既に何年も前にこれのテストは済ませているのですが、そもそも釉薬が掛かった物に再度塗装を行うという事自体が稀なので実際に仕事で行う機会が今まで無かったのです。

starbucks6磁器の場合は透明の釉薬が塗ってあるのが普通で、この白は素材自体の色だと思います。緑色のプリントは勿論色付きの物ですけどね。

実は私は小学生の頃に陶芸を習っていた時期があって、ただそれは私が習いたかったと言う訳では無く、父の友人が陶芸家でどうもパトロン的な形として半強制的に私をその方の下に就かせたようなのです。まあお陰で良い経験にはなりましたが(いやそれにしても早すぎた気が・・・)。

ちなみにタンブラー内部と底は塗らないのでマスキングして傷が付かないようにします。磁器も陶器も素地調整としては「サンドブラスト」で表面の釉薬を落としてしまえば良いのです。こんな事は誰に習う必要も無くちょっと考えれば当たり前の事なんですが、どうも先入観があるとこういった事を理解するのが難しくなるようです。私的には何よりもこういった事に気をつけて行きたいですかね。

starbucks8表面のガラス質(釉薬)は固くて大変そうに思えますが、サンドブラストは固い物に対しては威力を発揮するので実は結構簡単に終わります(ここまでの準備の方が大変です)。それよりもやり過ぎて穴を開けないように注意する方が大切で(勿論経験済みです・・・)、反対にゴムのような弾力がある物に対してサンドブラストは無力に近いのです。

この性質を利用して作られている身近な物が「墓石の文字」でして、あの掘り文字を一つ一つ彫刻で刻んでいるなんて恐らく一昔前の話かまたはそれを売りにしている彫刻屋さんくらいでして、現代の殆どの墓石の文字にはこのサンドブラストが使われていたりします。

という事でタンブラーの周りの釉薬は綺麗に取れましたが磁器の素地はガタガタに荒れてしまっているので、この後サフェーサーで平滑な下地を作る事となります。結構な荒れ具合なのでキッチリ充填しておく必要がありそうですね。

また作業進行しましたら紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

レガシィテールランプ 本塗り

legacy43こちらもお待たせしました!レガシィの社外テールランプも無事本塗り完了しております。中々痺れる作業ではありましたが良い感じに仕上がっていると思います。

左下にあるテールランプが今回塗装をご依頼頂いている方で、画像右上にあるのは見本としてお預かりした純正テールランプです。今回はこの社外テールランプに開いた大口径のクリアー部分を純正のようなデザインに変更で承っています。「そんな事出来るのか?」と思われていそうですが何とかしたいと思います。

legacy42  本来であれば純正から3D型を取りたいところですが、今回の1セットのみでそこまでの作業となると現実的では無い費用になってしまうので、各部をメジャーで測ってそれを人力で転写していきます。今時かなりアナログな手法ですがたまにはこういうのも良いですかね(ただし胃が・・・)。

legacy44 今回のようなケースで一番難しいのが左右のパーツで対称にしなければならない事です。一個だけならさほど難しい事では無いのですが、さらにそれをもう一度、しかもシンメトリーに貼るとなるとこれは中々大変です。またこのマスキング作業は塗る当日が基本ですから(貼って時間が経つと糊の跡が出ます)、一日掛けてゆっくり貼ると言う訳にもいきませんので、事前に一度純正のレンズを軽くトレースしてみてイメージを掴んでおく必要があったのです。恐らく最近の胃痛はこれが原因だったんでしょうね(お陰で今は大丈夫です)。

legacy45 そしてクリアーに残す部分をマスキングテープで覆ったらいよいよ本塗り開始です。

legacy46 テールランプ下部の元々赤いレンズの部分はある程度の段階までマスキングしておき、ある程度濃さが合ってきたらマスキングを剥がして全体的にレッドキャンディーを塗装します。純正の赤い部分と今回塗ったレッドキャンディーで完全に同じ色にはなりませんが、出来るだけ違和感の無いよう馴染むようにします。

legacy28 そして全てのマスキングを剥がし、クリアー抜きをした箇所にはもう一度プラスチック用プライマーを塗布し最後に全体的にクリアーでコートします。

legacy29元々赤だった部分と今回塗った部分ではどうしても色の違いが出てしまいましたが、丁度そこの内部には反射板のラインがあるので殆ど気にならないと思います。ちなみにレンズの赤は若干スモークが掛かったような少し黒い赤だったようですね。

それでは完成次第また改めて紹介させて頂きますね。来週半ば以降で完成予定です。もう少々お待ち下さいませ!