プレオハンドルスイッチ 本塗り

preo6プレオのハンドルスイッチです。こちらも無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

上の画像は作業前に撮影した物をベースに「+」と「-」のロゴデータを作成したものです。ベースの画像がちょっと斜めになっていますがこちらは問題ありませんので御安心下さい。

「+」については良く見ると縦横の長さが微妙に違うんですよね。また端も丸くなっています。

preo22 サイズを測ってみると4.3ミリくらいでしたが元のサイズが小さいので誤差は大きくなりますから実際にプリントして確認します。

preo23 で、それを元にマスキングシートを作成します。当初はこのサイズだとカッティングは無理かと思ってデカールを想定していましたが、特に複雑な形ではないのでマスキングシートによる塗装で問題無かったんですよね。

preo24 そして表面を研ぎつけたらよく脱脂清掃して本塗り準備完了です。ちなみに既存の「+」と「-」はプリントではなく樹脂自体で色分けされているようで、これは使っていて擦り切れたりしないように配慮されているのです。黒電話のダイヤルと同じ造りのようですね。

preo25 そして色の調整です。ベースの色はルノーの「ジョンシリウス」(カラーコード:J37)ですが、今回はこれを元に少しアレンジを加えますので、まずベースカラー(グランドカラー)にオレンジを足してみます。ただしこれは余り意味がありませんでした・・・(苦笑)。元々濁った色に少量のオレンジを入れても彩度は上がらないんですよね。この方法で無理に足していくと色自体が崩れるので確認が出来た時点で止めました。

preo26 と言う事で弄るのはパールカラーの方です(低隠蔽をカバーするような3層パールになっています)。

オレンジ系のパウダーパールを少量入れ、さらに元々入っていたグリーンパールを増やします。光が当たった時にそれぞれの色相のパール感が強くなるような感じですかね。

preo27 かなり色が違いますがこれがベースカラー(グラウンドカラー)です。所謂「指定された下色」といった所ですかね。「最も効果的にパールカラーの隠蔽を助けつつ色相をずらさない為に配合された色」、といったところでしょうか。

preo28 そしてパールカラーを塗布したら十分に乾燥時間を設け、テープフリーな状態になったら先ほど紹介したマスキングシートを所定の位置に貼ります。これがまた大変でした・・・(3次元曲線の上に水平に貼るのは難しいのです)。最初の方の画像でマスキングシートが「3セット」用意されていたのはこういう事で、ある程度の失敗は想定しているので予め予備を作っておくのです。FBIシューティングとはここが違いますかね(FBIは予備の弾装を用意しないらしいです←浦沢直樹氏著書の「パイナップルアーミー」より。って判りませんか。笑)。

preo29 そして「+」と「-」を黒で塗装完了です。「SHIFT」の凹み文字も綺麗に残りました。

preo30後はクリアーを塗って無事本塗り完了です。

この程度のサイズならプラモデル用の卓上サイズの塗装ブースでも十分塗れそうですが、今回も使っている「クリスタルクリアー」はそれだとちょっと難しいところがあります。風速が弱い場所での塗装だと塗膜中に溶剤篭りを起こしてしまい塗膜表面に小さなピンホールの「ワキ」(発泡)を生じてしまうのです。ハジキに似た極小さな穴が開くんですよね。以前の勤め先では塗装ブースが貧相だったのでこれに随分と悩みました。

ちなみに現状でそれが出ていなくてもいきなり赤外線ヒーターを当てるとやはり同じ様な症状が発生します。なので塗膜表面は硬化させないように最初は低温から始め、塗膜中の溶剤分を十分に揮発させてあげから指定の温度(60℃~80℃)に上げます。「クリスタルクリアー」はこの辺がちょっとデリケートなところでして、どこでも気軽に使えるクリアーと言う訳では無いのです。対して通常使用の「イージークリアー」はこういったトラブルは少なく、逆に以前STANDOXに存在した超高級なクリアー「ラピッドクリアー」はもっとデリケートなクリアーでした。その代わり有り得ない程の使用感と高級感でしたけどね。

続けてナンバー灯も本塗り完了していますのでそちらも後ほど紹介しますね。そちらはちょっと遅くなるかもです。

 

プレオメーターカバー フード部塗装

preo17先日部品全体をマットホワイトパールに塗っておいたプレオのメーターパネルです。フード部分は元々プラスチック素地の黒だったのですが、そこをマスキングで残そうとすると見切りのラインが汚くなる可能性が非常に高かったので一旦全部をホワイトパールで塗ってしまい新たに艶消し黒を塗る事にしました。

preo18ちなみに表からのマスキングが完璧に見えても実はあれだけでは駄目でして、塗料ミストは風の流れや静電気によって平気で裏から回り込んでくるのでテープが貼っていない箇所にはミストが飛んでしまうのです。なので裏側も全体的に養生しておきます。

preo19そして艶消し黒で本塗り完了です。

こちらはクリアーを塗らない激安コースの仕様なので塗り終わったら直ぐに動かせますから続けて他のパーツを本塗りします。今回のプレオ関係のパーツでは塗装内容がそれぞれ違うので同時に塗装は出来ませんが連休前には完成出来る予定ですのでもう少々お待ち下さいませ!

 

BMWヘッドカバー結晶塗装 完成

bmw34こちらもお待たせしました!BMWのヘッドカバーは結晶塗装の赤で本日完成となります。

bmw37塗装後の凸部面研の作業も画像撮っていたので紹介させて頂きますね。

凸部は特にマスキングはしないで一緒に塗ってしまい、塗装後に表面をサンダーで削っていきます。最初は#120程度の番手で荒削りし、徐々に番手を細かくしていって最終的には当て板と手研ぎで光らせていきます。

bmw36面研が終わったらアルミ素地にクリアーを筆で塗って完了です。

bmw33チヂレ目は近くで見るとこんな感じです。

bmw35こちらのオーナー様からはちょっと前に同型の部品を「青の結晶塗装」で御依頼頂いておりまして、現在はそちらの部品が装着されていますからこちらは当面は飾り用?になるのでしょうか。確かにこれ単体で壁に掛けておいても面白いですよね。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

チネリ ステム 本塗り

cinelli3 こちらもお待たせしました!チネリのアルミ製ステムも無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。先日紹介した通り下地処理から本塗りまでは一気に仕上げています。

下地処理としては小傷がある箇所や肌が粗いところを#400で空研ぎし、その後#600→#800で旧塗膜の研磨~足付け処理を行います。剥離作業は行いません。

cinelli4 そして本塗り準備となります。大きい方の部品は既存のネジ穴に眺めのネジを差込みそれをいつものボール某に固定、小さい方の部品は先に裏側(内側のハンドル接触面)にベースコートのみ塗布し、そこを固定面とします。

cinelli5 ベースコートの塗る順番はマスキングの関係上変則的に行う事になり、ただ結果的にセオリー通り隠蔽製の弱い方から強い方といった順番となりました。上の画像は小さい方の部品をまずベースカラーのホワイトで塗装し、ロゴマークのマスキングをしたらブラックで塗装します。

今回は特にロゴの位置、角度に注意しましたらからマスキングシートは全て水貼りで行っています。なのでとても時間が掛かっているのです(十分に乾燥させる為)。

とにかく元位置が判る画像は沢山用意しておいたので、それをiCloudのフォルダーに詰め込みiPadで全ての画像を確認しながら位置を決めていきます。快適そうに見えますが作業台の下は実は小型のサンドブラストボックスがあって、脚立を椅子にして階段途中の踊り場での作業となっています。

ヘッドフォンが写っているのは実際作業中音楽を聴きながらやっていたりしまして、この時点で電話とか鳴っても出れる筈がありませんのでだったら聞こえない方が集中出来ると言う事で音量は大きめになっていたりします。聞こえているのに無視するのは相当失礼な事だと思いますが、本当に聞こえないなら仕方ないと言う事ですかね。

cinelli6 そしてロゴの部分に黒を塗装します。実際ここで塗っている訳では無いのですがここで塗る場合もあります。

cinelli7 そして大きい方の部品です。こちらがもう大変です。

こちらは先にロゴの色である「白」を塗っています。そこにロゴ同様のマスキングシートを貼って周りの黒を塗るといった順番ですね。小さい方の部品とは逆のパターンとなります。

が、画像のようにロゴは「側面」にしかプリントされていないので、余計な部分はカットしなければなりません。このまま塗るといったパワープレイもアリかも知れませんが見切りラインがボケた感じになるので普通はやりませんかね・・・。これも角度・位置が非常に重要なので一度に貼ろうとせず水を塗ってから位置を調整しています。

cinelli8 反対側とは当然位置関係が全く違います。一からデザインを決めるのも難しいですが「元の通に」という作業も結構難しいのです。

cinelli9食み出た部分をカットしたらマスキング完了です。ようやくここまで来ました・・・って感じですかね。この後再度ボール棒に固定したらベースコートの黒を塗装します。

cinelli10 黒が十分に乾燥したらマスキングシートを剥がします。ベースコートは乾いていても傷は付き易い状態ですから、マスキングシートと被塗面の間に慎重にカッターの刃先を差込み少し上に浮かせたらピンセットで回収していきます。刃先を誤ると当然塗膜に傷が付いてしまうので結構微妙な作業ですが、こういった台の上での作業であればどこかに腕を固定して安定させる事が出来るのでそんなに難しくありません。それよりもクリアー塗りたてのボンネットのど真ん中に虫がついたりした場合、腕を固定する場所も無くスピナール(専用のピアノ線のような棒)で塗膜を傷付ける事なく、さらに汗に垂らさないようにしてその虫を回収するなんて事は尋常じゃありませんので・・・。

cinelli11 そしてよくエアーブローをしてホコリを綺麗に飛ばしたらクリアーを塗って本塗り完了です。小さい方の部品は白をベースにロゴが黒となります。

cinelli12大きい方の部品も無事本塗り完了です。大きい方の部品は対照的に黒をベースにロゴが白になっています。今回はフレームの色にこのステムを合わせるといった内容ですね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。完成~発送は週末または来週明けになる予定です。ちなみに週末日曜日から夏季休業日の予定ですが発送間に合いそうな案件がありますのでその辺りは休まず対応する予定です。無理して間に合わせようとするのは危険ですのでペースは崩さず間に合いそうな物に関しては発送出来るようにしますので御安心下さいませ。そもそも自営業で一週間も休める筈が無いですからね(苦)。