カーボンフレーム&フォーク データ取り

project 二ヶ月程前にお預かりした時にちらっと紹介したのですが、メーカー名は出ない方がとのオーナー様の御配慮によりそちらは一旦取り下げる事にしました。目ざとい方なら「あれはどうなったのか」と気になっていたかも知れませんね。あれからちゃんと続いていたのです。

project1 依頼品は新車の状態で、オーナー様のご意向としては「元通りに」(?)といった内容になっています。細かい箇所を見ていくとオーナー様的にはちょっと気になる箇所がいくつかあるようでして、デザインや色はそのままに(ただ一部変更や追加はありますが)「品質を高くして欲しい」といった内容になっています。

ただこういった内容は塗装する側としては一番厄介な内容でして(塗装屋さんなら判ると思います・・・)、修理内容としては一旦全ての塗膜を剥離する事になるので既存の色やロゴ、デザインが判らなくなってしまうのです。同じ物が横に並んでいればまだマシなのですがそうもいきませんからね。余程新たなデザインへの塗り替えの方が作業は楽なのです(費用も全然安く済みます。故に今回は凄い金額になっています・・・)。

project2という事で既存の色やデザインを数字や文字列などのデータに変換します。まずはアナログ的に既存の形をマスキングテープで転写し、それをスキャナーで読み込んでベクトルデータで作成します。ただし今回は既存のガタガタしたラインを修正する必要があるのと、一部のデザインは変更となるのでこのデータを基に色々と変更させていきます。またマスキングシートを作成するには「データ修正→カット→貼り付け→修正」を何度も繰り返す必要があります。これが結構大変なのです。

project3剥ぎ取る際には広めのテープを貼ってから歪まないように注意して転写しましたが、それでも3次元ラインに貼ってあった物を一旦剥がすと歪みが生じている筈ですから大抵は何度も修正が必要になってきます。ただ片側だけ作れば反対側はデータを反転させるだけで済むのでその点は楽ですね。しかも完全に左右対照の物が出来ますから気分的にもスッキリします(ただしフレーム自体が左右対照では無いと思いますが・・・)。

各部のロゴもかなりの数があるのですが、これはステッカーを用意して頂けましたのでそれをそのままスキャナーで読み込み、やはりこれもIlustratorなるソフトを使って一つ一つトレースしてデータ化していきます。本日は夜半までこの作業になるかと思いますが、工場二階の机周りも無事整備が整ったので集中して作業は出来ると思います(好きな音楽も流せますし)。