フィアットパンダヘッドカバー 結晶塗装本塗り

fiat3 こちらもお待たせしました!珍しい(と言うか今回が初の)フィアットパンダのヘッドカバーです。こちらも無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

fiat4 こちらは旧塗膜は元々無かったのですが、裏側についていたシーリング剤(液体ガスケット)が中々取れなかったので他の部品と一緒に溶剤槽に漬け込んでおきました。ただ耐油性の強い液体ガスケットは溶剤に浸けただけでは取れてはくれないので、その後スクレーパーやワイヤーブラシで擦って除去してあげます。

fiat5 まずはプライマーを塗ってよく乾かしたら続けて本塗りです。

fiat6今回の色は比較的鮮やかな方の結晶塗装の赤で、主にフェラーリやアルファロメオ系のヘッドカバーに採用している色です。「私の車にはちょっと鮮やか過ぎる」といった場合には日産系のちょっと黒ずんだ赤もありますのでお好みでどうぞ。今回は鮮やかなイタリアンレッドの方になります。

こちらは特に面研作業は無いのですが、恐らく完成後の撮影は一緒に行いますので、早ければ今週末、恐らくは来週早々になるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

TOYOTA 5Mヘッドカバー 本塗り

5m3 いきなりの紹介になってしまいましたが無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

現在お預かりしているヘッドカバー系の塗装は6件で、まずは上記3点を進行させております。手前のフィアット以外のパーツは旧塗膜があったので長い事溶剤槽に漬け置きしておいて旧塗膜を剥離しました。ちなみにフィアットのヘッドカバーも液体ガスケットの残りがしつこかったので同じく溶剤槽に沈めておきました。耐油性の高いシーラーは中々除去し難いのですが溶剤に浸けておくと比較的取り易いのです。

5m4溶剤での剥離が終わったらら続けてリン酸で表面の処理をし、よく洗浄したら一旦熱を掛けて水気を飛ばしていよいよ本塗りとなります。と言ってもいきなりトップコートは無いですね。時々金属に直接クリアーを塗って欲しい旨のお問い合わせを頂きますが、プライマーの塗装無しにトップコート(上塗り塗装)を行っても密着はしないのです。

5m5 そしてプライマー塗布です。プライマーの効果としては「防錆」と言う面が強いですが、金属素地と上塗り塗料(色&クリアー)との橋渡し的な役割も担っています。プライマーに含まれている顔料にそういった特性の物が入っていて、これが上塗り塗料には無いのでそれだけだと剥がれてしまうのです。金属に直接クリアーを塗って剥がれる原因として「クリアーには気孔が沢山あるから」といった物理的な事もありますが、それ以前にクリアーにはその特性が無いので化学的にも無理なのですよ・・・。そういえば最近火で炙るタイプのプライマーを耳にしませんがその後どうなったのでしょう(業界の話です)。

5m6そして無事本塗り完了です。お待たせしました!

画像では既に焼き上がった状態で、結晶塗装を塗った直後は通常の塗膜と同じ状態ですが、それに140℃程度の熱を掛けると徐々にチヂレ目が生じて来ます。塗膜中の下の層と上の層での伸縮率の違いを利用したような感じですかね。ヘッドカバー以外ではカメラの部品なんかにも使われていたりします。その温度まで加熱出来る物であれば他にも応用出来るとは思いますが、例えば自転車フレームにこれを塗ったとしても似合うかどうかと言うと・・・私的にはちょっと微妙な気がします。空気抵抗も増えそうですしね(多分そこまでシビアでは無いでしょう。笑)。

後は数日寝かしたら凸部表面を面研して鏡面状に光らせます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

BMW オイルキャップ 下準備

m3こちらも大変お待たせしました!存在自体を忘れていた訳ではありませんので御安心下さいませ(と言うかずっとプレッシャーが掛かってましたので・・・笑)。

御依頼内容としては「///M」の部分をそれぞれ「水色」「紺」「赤」「シルバー」のMカラーで承っています。上のプリント紙が見本ですね。

m作業方法を色々と考えていたのですが、結果「///」の部分はそれぞれマスキングテープで、そしてこの「M」だけをデータ化してマスキングシートを作成する事にします。塗っている途中にマスキングをし直したりする作業はありますが現実的にはこれが一番スマートですかね。

m1 新たにロゴを入れるのであればそんなに苦労はしないのですが、「元の形通りに」となるとこれは全然違ってきます。しかも対象が小さければ小さい程その作業も細かくなりますので・・・。

作成したデータは毎回カットして現物に合わせ、それを見て再度データを修正、そしてまたカット~といった作業を繰り返します。昨日深夜まで掛かったのはこの作業の為ですが、こういった作業は夜の方が向いていたりするのでして・・・。

m2と言う事でこんな感じで出来ました。これ以上となると機械自体のブレが生じるので修正してもむしろ崩れていってしまうようでして・・・。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。ちょっと他に進めたい物があるのでどうぞもう少々お待ち下さいませ!

オーディオフロントパネル 本塗り

audio3先日塗っておいたサフェーサー が完全硬化したので表面を研ぎ付けます。2液のウレタンサフェーサーはそれなりに硬く膜厚もあるので「研ぐぞ」と思うくらいの意気込みが必要です。油断してペーパーだけで研ごうとすると肌目さえ残ってしまうのでちゃんと当て板を使って研ぎ付けます。画像は一階作業場の流し台の上で、塩ビの床シートの端切れを敷いてその上で研いでいます。魚を捌くのと同じ様に汚れても直ぐに流せるので結構便利です。ちなみに魚は捌けませんが・・・。

audio4 そして本塗り準備完了です。平面に見えますが上下が少し内側に曲がったような形になっているのでそこに上手く嵌るようにダンボールをカットして下に敷いています。ちなみにサフェーサーを塗った時と同じ物を使っています。

audio5 事前に作っておいたグレーのベースコートを塗ったらよく乾かし、続けて艶消しクリアーを塗ります。艶消しクリアーは「クリアーに艶消し剤を入れるタイプ」の物では無く、最初から艶消し剤が練りこまれた「艶消し専用クリアー」を使っています。昔は前者のタイプが主流でしたが、近年は後者のようなものがメーカーから出ていて、材料費としては結構なコスト高になりますがこれの方が安定して艶が消えてくれるので間違いがありません。予め軟化剤が入っていたりもするので柔らかい物でも大丈夫です。艶消し・半艶では散々悩みましたが(塗装屋さんなら判るかと・・・)、今はこういった便利な材料があるのでストレスは相当無くなりました。

audio6そして強制乾燥後の状態です。見事にムラ無く綺麗に艶が消えましたよね。良い材料のお陰です(笑)。

ちなみに艶消し&半艶は塗装後に磨きが出来ませんから(艶が出てしまいますので・・・)、実は通常の艶有り塗装よりも余程シビアな塗装になります。艶有り仕上げであればゴミが付いても磨きで判らないように出来ますが、艶消しや半艶仕上げではそうはいかないからです。ラッカー系の1液塗装であればそんな心配も無いですが、塗膜自体の耐擦り傷性が弱いので、触れている箇所がテカテカと光ってしまったら嫌過ぎると思いますし・・・。

という事で、今回の本塗りを終えて塗装ブースの出来具合もかなり良い事が判りましたので、これでようやくテールレンズ系の透過性の塗装もOKとなります。艶消しの場合は磨きが出来なくても塗り直せばまだフォローは出来ますが、テールランプ等のスモーク塗装やキャンディー塗装ではそれさえも通用しませんので本当に気を付かうのです。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!