9ZERO7フレーム&フォーク 本塗り

zero2 こちらもお待たせしました!9ZERO7のフレームとフォークも無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。こちらも剥離作業は無しで既存の塗膜に足付け処理を行っての塗装となります。

zero3 足付け処理は全体に#600~#1500の研磨剤で満遍なく傷を付けてそれによりこの上に塗る塗料の密着性を確保する手段ですが(投錨効果)、鋭角な部分や一段高くなったブラインドナットなどは足付け処理の際に塗膜を削り過ぎて素地の金属を露出させてしまいます。

ただこういった事は塗装をやっていれば日常茶飯時で、これ自体が失敗と言う訳では無く如何にこの後のフォローをするかが大事になって来ます。他人事でやっているとこの程度なら無視してそのまま色を塗ったりするのですが、自分の会社でとなるとそんな事はしなくなりますかね。実際ディーラー在勤時の私はそんな感じでしたし周りも同様でした。そもそも会社の考え方が「余計な事に時間を使うな」といった風潮がありましたしね。同僚が困っているからといって手伝うなんて事は許されませんでしたし。外資系企業はこういったところでドライだった気がします。

zero4 と言う事で素地が露出している箇所にプライマーを塗ります。その他の箇所も見逃しがあるとマズイので全体的に塗ってしまっていますかね。プライマーなので厚塗りは厳禁ですが塗って悪い物では無いので特に問題はありません。

zero5 フォークも色々と凸凹しているので角が削れている箇所があります。同様にプライマーを塗布しておきます。

zero6 そして本塗り完了です。お待たせしました!

ちなみにオーナー様から質問がありまして、今回は「艶消し」で御指定頂いていますが「これはどういった物か?」という事です。塗料を艶消しにする何かを添加するのか、といった事ですかね。

そういった艶消し剤もあるのですが、主に外資系の塗料は「艶消し専用クリアー」がシステムに設定されています。いつも使う艶有りのクリアーと同様にこれに直接硬化剤を入れてクリアーとして使います。国産系の塗料だとシンナーのような艶消し剤がありますが外資系だとその方が稀な気がします。これを入れ過ぎるとクリアーが粉っぽくなるというか耐久性が無くなるんですよね。私的見解ですが恐らく塗装屋さんならそのイメージが判ると思います。入れ過ぎたり古くなった物で取り返しの付かないダメージを受けた事が誰しもあると思いますので・・・(あれは大変ですよね)。

zero7「艶消し専用クリアー」のデメリットとしてはどの商品も結構高額な事でして、メリットとしては「安定した艶が出せる」という事ですかね。艶消しや半艶の仕様は以外と艶の調整が難しい面があるので最初からパッケージになっている物の方が塗る側にとっては安定していていいのです。材料費が高いので社長は嫌がったりするかも知れませんけどね。失敗するよりは良い筈なのでほっときましょう(笑。いや、昔は親方(直属の上司)の言う事だけを聞いていれば良かったのですが今は時代が違いますか・・・)。

という事で、画像では艶がありますがこの後時間が経つにつれて艶は消えていきますので御安心下さいませ(既に乾燥硬化して艶は消えていますので)。

それでは完成しましたら改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム&フォーク 部分色変更塗装 完成

look28 (1) 大変お待たせしました!LOOKのカーボンフレーム&フォークの塗装、ついに完成となります。

ここだけ見た方は全部塗ったのと勘違いされそうなので一応紹介しておきますが、タイトルにあるように全体のデザインを塗装した訳では無く「元々赤かった箇所を水色に」塗装し直しクリアーを全面に塗ってあります。かといって費用が安い訳ではありませんので(むしろ激しく大変です)御注意下さいませ。

look15文章だと判りにくいと思いますので最初の状態の画像を紹介しておきますね。元々はこのカラーリングでした。塗装とデカールの組み合わせに見受けられますがそれぞれの色の境目の段差が激しかったので「ロゴを塗り直す」という方法が取れず(ズレるとひどく格好悪いので)、結果「元のロゴの形通りにマスキングをする」と言う方法を取りました。まあこれもかなり大変だったのですが・・・(詳しくはこちらで概要全体を流して確認して頂ければと思います)。

look29 黒く見える箇所はカーボン素地を活かしたクリアー仕上げになっています。若干スモークが入っているのではないでしょうか(カーボン繊維の継ぎ目を目立たなくさせる為にこれは一般的によく見受けられる手法です)。

look30 各ロゴや塗り分け箇所も自然に出来たと思います。グェップ(プレッシャーにより胃液が逆流した感じで)。

look31 赤から水色への色変更に加え、オーナー様のショップロゴやURLなども塗装で入れました。こちらの方が複雑そうにみえますが至って普通の作業ですので普通のお値段で入れられます。今回は以前御依頼頂いた時のデータですし、そもそもデータは入稿して頂いた物ですからデータ作成費は掛かっていません。

look34チェーンステーの裏側にもさりげなく入っています。最近のシクノクロスのレースでは上位に入ったらしく、「来週は1列目からのスタートになるので、来週、もしかしたら上のカテゴリーのカテゴリー1に昇格出来るかも知れないんです」との事で、そこでこういったロゴが活きて来る訳ですね。ちなみにうちのロゴもどこかに入れて構わない旨のお言葉を頂いたのですが、我々塗装屋は裏方家業なのでそんな陽のあたる場所には似合いませんから(笑)遠慮させて頂きました。お言葉だけで十分有り難いです(と言うかこれ以上お問い合わせが来ても対応が出来ませんでして・・・)。

look32 そしてフォークも同様に赤から水色に変わりました。こちらはLOOKのロゴ部分のみ大変でその他は比較的楽に出来ました。

look33見ての通り「LOOK」のロゴ部分は凄い段差になっています。白いロゴが一段高くなった感じですね。今回の塗装ではここをマスキングしているので一段低くなっている筈なのですが焼け石に水と言うほどです。

これを平に研いでから塗れれば良いのですが、クリアーを突き破って下からシールが露出してしまうとこれがまた厄介なのです。その上に塗装をしたら糊が溶剤に侵されて端っこが浮いてしまう、なんて事態になるともう収拾が付きませんので(剥がすしかありません)。

という事で、実は当初想定していたよりも凄く大変だったのですが、仕事的にはこうういった事も嫌いでは無いようなので比較的楽しめたと思います。毎日これでは体が持たないでしょうけどね。次はイエローバージョンが待ち構えているとの事ですのでまだまだ安心は出来ないですし・・・(恐)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げますね。発送は明日以降になるかと思います。この度も当店を御利用頂き有難う御座いました!