TOYOTA FT86エンジンカバー 凸部研磨

ft8614 こちらは素材がプラスチックなので凸部を研磨しても光りませんから、クリアーの代わりにシルバーを筆で塗ります。ペーパー目が出たらマズイので研磨はやはり番手を細かくしていきアルミ素材の時と同様に目を細かくしておきます。

ft8615これが結構大変で、クリアーなら少し食み出てもそれが判る事は殆ど無いですが、シルバーの場合は非常に目立ちますからかなり神経を使います。クリアーの時は平筆でしたがこちらは極細の丸筆を使います。そしてやはり塗ったところが乾燥してしまうと塗り重ねた時に肌を荒らしてしまうので、「ウェットに盛りつつ食み出ないように最後まで通しで行う」と言うやり方が基本となります。使用するシルバーはハケ目が一番目立ち難い粒子の細かいメタリック(STXの場合はMIX595、DUPONTだとAM10ですかね)を使います。輝きが欲しいからといってMIX812とかMIX598などを使うと大変な事になりますので(勿論経験済みです・・・)。

明日には撮影して完成出来る予定ですが、オーナー様の車両はまだ納車されていない(!)との事で、一緒に御依頼頂いているテールランプ共々ゆっくりで構わないとの事ですから、年末年始中はこちらで保管しておいて年明けに発送する予定です。

では完成画像出来ましたら改めて紹介させて頂きますね。なので明日は晴れてくれると助かります(笑)。

BMW ALPINAヘッドカバー 凸部研磨

bmw83 先日ガンメタの結晶塗装に塗り終えていたヘッドカバーの凸部を面研します。

まずは他の箇所を傷付けないようにガムテープでマスキングします。場所によっては一枚では危ないので二重・三重に貼っておきます。

bmw84凸部を研磨して光らせたら最後にクリアーを筆で塗っておきます。実はこのヘッドカバー、今までにも一度以上はこの作業をやられているらしく、凸部の厚みが薄い箇所もありましたから結構気を遣いました。まあ古い部品でしょうから当然といえば当然ですかね。

研磨は#120から始めて徐々に細かい番手に移行し、最後は#800で仕上げます。十分にアルミ素地が光ったらクリアーを筆で塗ります。

使用するクリアーはいつも使っている2液ウレタンで、一般的に乾き(硬化)は遅いと思われがちですが表面の乾燥は結構早く、ゆっくり塗っているとハケ目がひどく残ってしまい汚い仕上がりになってしまうので、一度塗った所は戻らず「一筆書き」の要領で進んでいきます。筆は平筆が使い易いですかね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。年内発送予定ですので御安心下さいませ。

トヨタエスティマテールランプ 本塗り

estima2 こちらもお待たせしました。エスティマのテールランプは5個で1セットとちょっと個数は多かったのですが、今回はレッドキャンディーがメインとなったので一緒に塗る事にしました。その分本塗り前までには入念に下準備をしておくことにします(しました)。

青いマスキングテープはオーナー様が「見切り」のラインが判るようにと印を付けておいてくれた物です。お手数を頂き有難う御座います。ただ今回のテールランプはその境界線を基準として上と下でレンズが別れているのです。いや正確には上下では無くレンズ内に違う形のレンズを填め込んである造りになっていて、下側がクリアー、上部分は若干のスモークレンズになっているのです。そのお陰でマスキングは非常に楽になりました。

estima4 という事で本塗り前夜にはラインテープを引いておきます。本当は全部終わらせておきたい所ですがマスキングテープを長時間貼っておくと糊の跡がトラブルの原因になるのでマスキングは本塗り当日が基本となるのです。ただしニチバンのラインテープは糊の溶剤分が少ないせいかこの心配は無いんですよね。それ故に粘着力は非常に弱いのですが・・・(無理に貼ると大抵後で浮いてしまいます)。

estima5 そして朝一で養生紙を貼り付け、いよいよ本塗り開始です。露出した箇所のレンズは少しスモークになっているのが判りますよね。うちで言う「極薄目」程度の濃さがあります。

estima6 レッドキャンディーの塗布が終わったらマスキングを剥がします。赤の下には元々少しスモークがありましたからこの時点で結構深みは出ていますよね。この後さらに全体に薄くスモークを掛けます。

estima7 リヤガーニッシュのレンズは別の台で塗っています。ちなみにこれだけ単体で塗装すると他の部品と色が合わなくなってしまう恐れがあるので塗装する順番は必ず一緒に行うようにします。この辺が透過性塗装の難しい所ですね。

estima8 薄くスモークを塗ったらクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

estima9  クリアーだったレンズ部分も若干のスモークが掛かる事によってコントラストの差異が減りますからより渋い仕上がりになっています。良い感じですよね。

estima10リヤガーニッシュランプも全く別物になりました。今回のテールランプは内部のLED加工も施されているようですのでかなりのカスタマイズになりそうですね(且つ目立ち過ぎないような純正風、といった感じでしょうか)。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Kawasaki ZX-6Rテールランプ 本塗り

ninja6 こちらもお待たせしました。カワサキNINJAの純正テールランプですね。サイズは小さいですが四輪自動車同様に良く出来ています。土台部分をマスキングしたら足付け処理を行います。

ちなみにバイクのレンズだと未だにレンズカバーだけが外れるタイプがありますが(現在お預かりしているウィンカーレンズ6個がまさにそうですね)、だからといって裏から塗るような事はありません。スプレー塗装で均一の膜厚に仕上げる為には、エアーの流れがスムーズである事と、塗装面に垂直で塗れる事が条件なので、お椀状の形をした内側を均一に塗るなんて、最低でも直径30cmくらいのサイズは必要では無いでしょうか・・・。

なので時々「レンズだけ外れそうも無いのですが・・・」といった御相談はありますが外す必要は全くありませんので(と言うか普通外したらマズイですよ。笑)今回のようにそのままの状態で全く問題ありません。

ninja7 そして本塗り準備完了です。

先程紹介したようにムラ無く塗るには「塗装面に対してスプレー方向は垂直」が基本ですから、これで難しいのはランプ上部のダイヤモンドヘッドになる箇所です。これもセオリー通り面に対してスプレーガンが垂直になるように塗るのが基本ですかね。意識しないで塗ってしまうと大変な事になりますので(谷の箇所に最後まで赤が入りません・・・)。

ninja8 そしてレッドキャンディーが完了です。これだけだと純正そのもの?でちょっと物足り無いのでさらに一つ手を加えてのスモーク、といった感じでしょうか。

ninja9全体的に薄くスモークを塗ったらクリアーを塗って本塗り完了です。

ちなみに今回使用しているクリアーは全てクリスタルクリアーです。昨日塗り終わってから直ぐに熱を入れられなかったのは「ワキ」の発生が懸念されたからで、これが通常使う「イージークリアー」(どちらもSTANDOX社の製品です)であればその心配も無いのでその後の雑務を行っている内に強制乾燥も終わっていた何て事が可能なので、その辺も含めての割増料金なんですよね。材料費だけならそんなに割増頂く必要は無いですので(イージークリアーが凄く安い物、と言う訳ではないんですよ。値段だけ見ればもっと下はありますので)。

ちなみにこの「イージークリアー」は同じ名前で何度かマイナーチェンジが行われています。といっても名前が同じだけで実は中身は全く違う(と言う私的見解)フルモデルチェンジだとは思いますが、新しく出たばかりの材料は時々原因不明のトラブルが起きたりするので直ぐには使いません。なので私が使っているこのイージークリアーも初期の物で、当然もう販売はされていませんが最後に買い占めておいたので(笑)まだ残っているのです。スタンドックスユーザーなら判ると思いますがその後のイージーは酷かったですよね。そもそも初期のイージーは品質自体はかなり良い物なのにそのネーミングのせいで随分と虐げられてしまったような気がします。なので無くなると聞いた時に1ダース(5L缶×12個)を買い溜めしたんですよ(笑)。かなり前ですが、当時デュポンを使っていた時もクリアーと硬化剤がハイパーキュアになった時は相当煮え湯を飲まされた経験があります。当時の高品位クリアー690Sが696Sになり、硬化剤が250から256になりましたが、日本の湿度には促進反応が極端過ぎましたので色々トラブルが発生しました。メーカーに相談しても大抵は「いやー、タカハタサンの所だけですよ、そんな事が起きているのは」なんて回答しか返って来ませんからもう当てにはしないのですよ。自分の身は自分で守るしか無いのです。

それではこちらも完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ちくださいませ!

カローラセダンテールランプ 本塗り

corolla7こちらは先日「極薄目と薄めの中間」のスモーク濃度で御依頼頂いておりますカローラセダンの純正テールランプです。こちらも無事先日本塗り完了しておりますので御安心ください。

上の画像は例の如くちょっと前にベランダで足付け作業をしていた光景です。下に敷いているスポンジマットは、以前間借りをさせて貰っていたTACさんの工場で作業をしていたテスタロッサのオーナーさんから頂いた物です。建築系?のお仕事で余った物を譲ってくれたようですが恐らく結構高い物だと思います。実際に使ってみると弾性やら保温性が凄く良くて、テールランプのような角が割れ易い部品を作業する時には凄く重宝しますし、冬場の寒い時期にベランダで作業をしていてもこの上に乗ってしまえばヌクヌクなんですよ。

corolla4 そして本塗り準備完了です。今回はレッドキャンディー系がメインですからこちらは一番風上に置くような配置になります。

corolla5そして本塗り完了です。 これくらいの濃度であれば少ないコート数で済みそうな感じですが実は通常通り5コート塗っています(それとは別にクリアーが2コート)。薄いスモークの場合はどうしても「ムラ」や「ダマ」が目立ちやすく、またそれが一度出来てしまうと最後まで残ってしまうので、濃度が薄ければ薄い程、塗料中のスモーク(黒)の含有量を少なくしてコート数を増やすようにして対応します。一度出来たムラを誤魔化そうとすればスモークを濃くするしか無いのでそれはもうドツボなのですよ。corolla6クリアーレンズ部分が青く見えますが実際ここは青いのです。ただ撮った画像のホワイトバランスがかなり青に寄っていますからちょっとそのせいで強調されてしまっていますかね。ブースの蛍光灯の選択を間違えたのかも知れません(苦)。最近蛍光管型のLEDランプも良質な物が随分と安くなったので(実際に買いました)、さらに値が下がればブース内の蛍光灯を全部交換するのも可能かも知れませんね。LEDなら虫が寄ってこないので塗装には向いている筈ですし。

それではこちらも今後問題が無ければ年内発送出来る予定です。完成次第改めて紹介しますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ。