アテンザ内装パーツ サフェ研ぎ

atenza90 先日サフェーサーが塗られていた各パーツは完全硬化後に研ぎ作業を行っております。こういった粉まみれになる作業は一旦始めると他の事が出来なくなるのでこれらも纏めて一気に行うようにしています。ただ室内からの換気(排気)が上手くいっているので思った以上に粉塵は舞わず、防塵マスクも殆ど装着しないでの作業でもさほど苦にはなりません(というのが間違いなんですけどね)。

2液のウレタンサフェーサーは硬化するとそれなりに堅いのでエアーツール(ダブルアクションサンダー)が使える平面的な箇所は出来る限りこれで研ぐようにします。番手は#320です。

atenza92ただこういった小さいパーツでは殆どが手作業で、こういった奥まった箇所も勿論綺麗に研ぎつけなければなりません。最初は#320で研ぐのでそれの目を消すために#400→#600→#800とこれら全て同じ箇所を研ぎつけます。指紋は意外と無くならないのですが爪はみるみるうちに減っていってしまいます。黒い点々は研ぐ前に塗っておく「ガイドコート」で、これが残っている箇所はまだ研いでいない部分となります。茶色いのはスポットパテで、これはラッカー系なので厚塗りは出来ませんが巣穴や窪みが残りそうな箇所には予め塗っておきます。研いで無くなってしまえばそれはそれで良いですし、ヤバイと思ってから塗るとさらに研がないといけませんから下地を露出させてしまう可能性が高くなるのです。

atenza91 空研ぎ#320の後は#600→#800を水研ぎで行います。空研ぎの#600も勿論ありますが、こちらだと目詰まりし易いので主に#600からは水研ぎがメインとなります。ただボンネットのように平面的で大きい面積の場合は#400&#600もダブルアクションサンダーで行った方が早くできるので、この辺はケースバイケースで対応していきます。

塗装の場合、毎日同じような仕事でもやり方がその日その日で全然変わったりするのが普通で、見習いの時点ではこれが大きな障害となります。「昨日はああ言っていたのに今日は全然違うじゃん」なんて思うのは毎日の事で、ただどうしてそうなのかを聞いたところで「今日はこの気分だからだ」で終了するので余り意味がありません。始めて半年くらいは自分が何をやっているのかよく判らないまま過ごし、その期間怒られない日は無かったと記憶しています。ただ幸いにして当時の私はまだ若かった事と(胃は丈夫でした)、5年勤めたら辞めて独立するのは最初から決めていたので何とか耐えられたのだと思います。まあそのお陰でネチネチとした下地作業も苦では無くなったのだと思いますし(笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

自転車ホイール&ハンドル塗装 完成

wheel15 大変お待たせしました!自転車用の太いホイール×2&アルミハンドルは本日完成となります。明日の夕方以降で発送可能です。

wheel16 元々は艶消し黒だったホイールで、リムの部分だけを「半艶オレンジ」で塗りました。簡単そうですが意外と(と言うかかなり)作業は面倒で、その分費用も高くなってしまっていますから「お手軽に」、と言う訳にはいきませんがそれだけにアピール度は高いと思います。

head9今回のオレンジはちょっと前に御依頼頂いたスチール製のヘッドライトカバーのオレンジに合わせた色で、こちらもとても気に入って頂けたようなので今回のホイールの御依頼に繋がったのだと思います。そもそもホイールも当初は一本だけの予定だったんですよね・・・。

wheel17 こちらはリヤホイールだと思います。フロントホイールと若干違いますが塗装内容はどちらも同じなので「複数割引」で20%オフになっています。

wheel18 ハンドルは元々半艶の黒に塗られていた物で、こちらもホイールとライトカバーに合わせて半艶のオレンジになりました。その上にあるのは先日ポリエステル樹脂で作成したダースベイダーですね。余ったクリアーで作った物とは違ってかなり堅さがあってしっかりしています。こちらは売り物ではありませんが塗装はお受付しておりますので(こちらは勿論有料ですが・・・)、今回のように同色で合わせれば何かのアクセントとして使えるかも知れません。ヒートンを打ち込んでキーホルダーにすると言う手もありますし(堅いので多分怪我をしますが。笑)。

wheel19タイヤを装着してもリムの内側部分が若干見えてしまうとの事で今回はそちらにも回りこんで色を入れています。まあ大体の塗装屋さんはその辺を想定してここまで塗るのが普通ですのでわざわざ説明する事も無いですけどね。今回は一応こちらもご指定されてますので。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!

G-SHOCK時計カバー塗装承ってます

gshock こちらは先日到着しておりますカシオG-SHOCKの腕時計の外装一式です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

御依頼内容としては「エヴァ初号機の紫色に」との事で、私的には「遂にこの日がやって来たのか・・・」と、ただただ感無量で御座います(笑)。いや、まあいつかは来るのでは無いかと思っていたんですよ。

gshock1ただ懸念する点は幾つかあり、ベルトの部分はかなり柔らかいので普通に塗ると塗装が割れてしまうと思います。中央の丸い部品に関してはある程度の堅さがあるかと思いきや、クリアーの方はベルト同様にかなりの柔らかさです。丸い黒い方は比較的堅いのでこちらは問題ありませんが、何故かベルト止めは黒いほうが柔らかく、クリアーの方がしっかりしていたりします。ちょっと???な感じがします。

gshock2ただ素材自体はPU(ポリウレタン)なので塗装との相性は悪くはありません。以前行ったエアーホーンのホースは素材が不明で塗料が全く密着しないなんて事態に陥りましたが、今回その点は大丈夫なのでは、と思っています。ただクリアーはさすがに割れてしまうのでベルトの部分はベースコートのみ(硬化剤は入れます)、メインのレンズ周りの丸い部品はクリアー仕上げで艶々にと承っています。

エヴァ初号機の色については御存知無い方もいらっしゃると思いますのでちょっと紹介させて頂きますね。

eva5 自分の為に何かを塗ると言うことは殆ど無いのですが、衝動的に思いついて何かを始めたりする事は時々あります。社外記を見ている方なら知っていると思いますが、黒電話をエヴァカラーに塗ろう、と言う例のアレですね。

eva6今回のG-SHOCKはこの「紫」で塗る予定で、レンズ周りは艶々の紫、ベルトはクリアーを塗らない(塗れない)ので艶消し~半艶の紫になる感じで、私的には艶一辺倒よりもその方が良い感じになると思います。

ちなみにこういったネタが紹介されている「社外記」の存在ですが、私設なブログではありますが実は仕事の一環として大きな役割を担っています。今回の御依頼に繋がった事もそうですが(無くても繋がったかも知れませんが・・・)、とにかくサイト全体へのアクセス数は以前よりも飛躍的に多くなっています。日記の方は御依頼いただいている案件についてだけなので、その時に依頼をされていない方からするとちょっと他人事なところもあると思いますが、社外記の方であればカメラや自転車やDIY工作など普段の塗装の仕事とはちょっと違った趣向の物事を紹介しているので「ふーん」くらいには楽しんで頂けるのでは、思った次第です。まあ表向きは仕事とは関係の無い位置づけなので私的には息抜きも兼ねているんですけどね。ただ仕事と全く関係ないとなると私の場合全く続きませんので・・・(そういう性格でして・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク塗装承ってます

scott こちらは先日到着しておりましたSCOTTのアルミフレーム&カーボンフォークです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

scott1 全体的に傷があり、フレームは総剥離ですがフォークはカーボンなのである程度削ったらサフェーサーで下地を作ります。私のTREKもそうですが、自転車パーツでのカーボンの塗装は最後に塗ってあるクリアーの下で足付け処理をされていないケースが多いようでちょっとした事でクリアーが剥がれてしまいます。STANDOXのマニュアルでも「塗装後24時間以内なら足付け処理なしで塗装OK」みたいな事が書いてありましたが私的には信用していません。「面」での密着性はあるとしても局所的なダメージや何かのきっかけでそういったところで差が出るんですよね。まあ製品にしても補修にしても、費用が決まってしまっていればどこかでコストを削らなければならないのは判るのですが・・・。

scott2 フレームの方は傷以外に凹みが5~6箇所程あるのでパテでの修正も必要になるかと思います。まずは剥離作業からなので来週から溶剤槽に漬け置きするようにしますね。フォークはカーボンなので手作業で研磨します。

scott3そして色ですが、今回は見本としてグリーン色をした名刺を同梱して頂きまして、色見本帳からそれに近い色を選びます。今回はRALカラー色見本帳の上から3番目「RAL6001」で挑む予定です。

ちなみにこういったソリッドカラーであればパパッと原色を混ぜて近い色は簡単に作れますが、後から「この部品もあの色と同じ色で」や、「フォークを傷つけてしまったので今回はこちらだけ」といった新たな御依頼の時に「配合データ」があれば確実に同じ色が作れるのです。目見当では無く0.1グラム刻みのでの重量配合ですから、メーカーが販売する原色に狂いさえ無ければ全く同じ色が作れると言えるのです(少量だと誤差が出ますが1リッター以上なら大丈夫かと)。現在別件で御依頼いただいている自転車用のホイールのオレンジもそうで、最初にヘッドライトカバーを塗ったオレンジが気に入って頂けたようなので続けて前後ホイールとハンドルも同じ色で承りました。あの時目調色で色を作成していたらどうしても色ブレは避けられなかったと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!