BMWボンネットエンブレム 色作成

bmw157いよいよ佳境に入って来た年代物のBMWのボンネットエンブレムです。ようやく先が見えて来ましたのでブルーとホワイトの色を作成します。

bmw158STANDOXのベースコート原色は全て自宅に置いてあるのですが(工場に置くスペースがもうありません・・・)、それを小分けボトルに詰めた物が工場に置いてあるのでこれくらいのちょっとした使用なら自宅に帰らなくても作業が出来ます。中身が無くなったらこれを自転車のボトルブラケットに入れて持って買える補充するのです(TREKの購入費用の半額が経費扱いと言うのはこういう事です。笑)。

bmw159新たに作る色は最初に採取しておいた破片の色よりも少し彩度と明度を高めにしておきます。漫画ギャラリーフェイクに出て来た東京都庭園美術館のレプリカを作る時の事を参考にしています(って判りませんか・・・)。経年で色褪せた分を補填するような感じですかね。

しかしこういった色の作成、どうもBMW関係で多くやっているような気が・・・と思いまして、ちょっとサーバーにある画像を「BMW」のキーワードで検索してみました。やはりと言うかデジャヴでは無かったようです(笑)。ちょっと紹介させて頂きますね。

bmw71 これはBMWのサージタンクを結晶塗装に塗った時の凸型エンブレムに色を入れた時の画像ですね。完成画像はこちらにありました。

bmw44 こちらはBMWのオイルキャップをMカラーに御依頼頂いた時の画像です。考えてはいてもいざ実現しようとするところがちょっと普通じゃ無い気がしないでもないですか・・・(笑)。完成画像はこちらへどうぞ。

bmw63 記憶が段々怪しくなってきましたが、こちらはBMWのヘッドカバーを御依頼頂いた時でしたね。以前のプロフィット日記で、ページの表示が重いですが宜しければこちらから御参照ください。No.2430に完成画像があります。

bmw15そしてこれですか!(笑)。厳密にはBMWの色では無くビルシュタインのショックとアイバッハのスプリングの色を作成しています。装着される車両がBMWなんですよね。この時には白のデカールで「Eibach」のロゴを作成してクリアーの下に貼っています。

塗っている物は確かに自動車用の部品が多く、使っている塗装も自動車補修用の塗料なので自動車の板金塗装屋さんならどこでも出来る仕事内容ですが(多分)、こうやって見るとちょっと普通では無いのが判ると思います。御依頼をされる方も、それを受け付けている当店も、です(笑)。恐らく一般的な塗装屋さんなら余りやりたく無い仕事内容だと思いますが、私的には車体を塗るよりもこういった事の方が合っていたのだと思います。ちょっと人よりも労働時間が長いかも知れませんが、これで食べていけるならもう言う事は無いと思っています。自転車で通える距離ですので終電も関係無いですしね(それが原因でしたか・・・笑)。

それでは次回進行しましたらまた紹介させて頂きます。ああそう言えばデカール作らないと・・・(眠)。

SHUREマイク塗装承ってます

shure1実はお預かりしたのは一ヶ月くらい前なのですが、どなたかへのプレゼント用との事なので掲載は控えておりました。ただ折角なので・・・と思ってメールで連絡差し上げましたら掲載OKとの事ですので改めて紹介していきたいと思います。今回は新たな機器も導入して今までに無い作業方法も取り入れています(と言うかかなりフライング気味ではあったので作業着手まで時間が掛かったのですが・・・)。

mic18 今回のデザイン画については御依頼者様にIllustratorでデータを作成して頂きそちらを入稿して頂きました。単なるイラストやjpeg画像だと結局それをベクター形式のデータ(専用のソフトで作成するai形式のデータ)に作り直さなければなりませんので「データ作成費」が必要となってしまいますが、今回は形状やサイズをそれぞれそのまま使えるように造って頂きましたのでこの費用を省く事が出来ています。ちょっと専門的な事なのですが身近にPCを使ってイラスト作成をされている方やデザインを勉強された方などが居れば御願いすれば何とかなるかも知れません。菓子折りくらいなら相当安く済む筈ですので・・・。

mic17今回ネックだったのは「極小の文字」でして、これはさすがにマスキングシートでの作成は物理的に不可能ですので「デカール」で対応する事にします。実はちょっと前に新たなドライプリンターを2台購入していまして、その内の一台が無事オーバーホールを終えてようやく本格的に仕事に導入出来るようになったのです。このドライプリンターについては以前から自分の趣味用に1台持っていたのですが、とにかく普通のプリンターとは違ってデリケートな機械なのでちゃんとした仕事用に一台用意したかったんですよね。

で、ここのところ仕事が終わってから深夜までこれのテストを行っていまして、それが終わって帰宅して寝れるのはるのはもう明け方4時・・・と言う事を毎日繰り返していました。寝不足ではありますがこの作業が滅法楽しくてそんなに苦では無かったんですよね。

このプリンターの凄さについてはモデラーの方なら既によくご存知かと思いますが、詳しくはまた後日改めて紹介しようと思います。ちなみに画像に写っている「60th」の赤ですが、それぞれ微妙に色が違うのが判ると思います。このプリンターはCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)をそれぞれ別に刷って重ねる事で色を作る事が出来る優れものなのです。メリットは「完全にドットが見えない」と言う印刷品質で、さらに下に白を敷いたり同じ色を何度も重ねたり、最後にクリアーコーティングを行ったりといった複雑な作業を誰もがご家庭で(多分)出来るのです。ちょっとありえませんよ・・・(恐)。

実は昨日白も刷る予定だったのですが自宅からそれ用のインクリボンを持ってくるのを忘れておりまして、急遽ヨドバシドットコム(最近のお気に入りです)で注文したら何と本日届きました。これから夜の部でこちらのテスト印刷を行いますので近々それも含めてまた進行状況を紹介したいと思います。もう少々お待ち下さいませ。そして改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

タワーバー 本塗り

tower5 こちらも大変お待たせしました!タワーバーも本塗り完了しておりますのでご安心下さい。

こちらを取り付けている車種はちょっと不明なのですが、製品としては貴重な物との事です。一度どこかのショップさんで塗られたらしいのですが、色々あって当店に届く事となりました。

上の画像はサフェーサーが完全硬化した状態で、研ぎ作業をする前に全体に黒いスプレーを塗った状態です。サフェーサーの研ぎ忘れやラインの確認などに行う「ガイドコート」ですね。ちなみにサフェ研ぎ作業自体は先日のアテンザ内装パーツの時と一緒に行っています。

tower6 こちらもやはり平面箇所は少ないので殆どが手作業での研ぎとなります。今回はサフェーサーの下にエポキシ系のプライマーを塗ってあっての重防錆仕様で、ただ膜厚も結構付いていますからサフェーサーのラウンド(肌)もかなり残っていますからしっかり研ぎつける必要があります。これを残すと「ボテっ」とした仕上がりになってしまうんですよね。見た目の雰囲気が悪い塗装は大抵こういった事が原因です。

tower7そしてサフェ研ぎ完了です。綺麗に研げているように見えますが実際は角や溶接ビード部など突起した箇所は素地の金属が露出してしまっているので今度はそこをスポット的にプライマーを塗ります。結果、プライマー(プライマーサフェーサーを含め)は3種類塗っている訳ですが、慣れれば特に手間には感じません。と言うかちゃんとこの費用は頂戴していますし・・・。

tower10 こんな感じで素地の金属が露出した箇所(と露出していると思われる箇所)にプライマーを塗っておきます。また各工程で脱脂作業もしないと意味がありませんので見えない部分でもちょこちょこ手間は掛かっています。ディーラー在籍時はパテを塗る前に脱脂している板金屋さんなんて見た記憶が無いですが最近はどうなんでしょう。私がこの業界に入った当初はまだマニュアル化とか塗料メーカーの講習などが余り浸透していなかったのでその辺りは個人の判断に委ねられていたような気がします(ただし当然皆楽をしたい訳でして・・・私も同罪ですが)。

tower9 そして本塗り完了です。色はトヨタ純正のシルバー(カラーコード:1E7)で御指定承っています。

部品のサイズとしてはまあまあで、形も少しイビツですが自転車のフレームを塗るのと大差はありません。それ故に塗装費自体は恐らく一般的な費用になっています(自転車フレームの料金と殆ど一緒です)。ただし今回は下地からやり直しているので費用はその倍以上になってしまっています。まあ塗るよりも下地作業の方が余程大変で、しかも今回はサンドブラスト専門のショップさんに御願いしているのでどうしようも無いのですが・・・。

tower8今回のトータル費用はオーナー様が考えていた額よりも高くなってしまったようで(大抵はそうだと思います・・・すいません)、ただその後のメールで

「予想より高額だった為に正直迷いましたが、長く使いたい品の為、下地処理込みにて塗装していただきたく思います。」

との事で結局フルコースとなってしまいました(ただ今回は単色ベタ塗りなので【お任せコース】では対応出来ています)。

私的にも「これを塗るのにはちょっとお金が掛かり過ぎるよなぁ・・・」と思う事はしばしばなのですが、一応その理由が判るようにとこういった画像や文章などで出来るだけ中身が伝わるようにはしています。理由も無く大目の費用を頂戴する事はありませんが、逆に理由が無く費用を値下げする事も無いのです。極稀に「どこどこのお店より随分と高いんですけど・・・」といったお言葉も聞かないでは無いですが、他店で行う作業内容は私も判りませんので比較しようが無いのです・・・。何卒ご理解を頂ければ幸いです(勿論今回のオーナー様がそういった事を仰っている訳ではありませんので念の為)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

BMWボンネットエンブレム 修復中

bmw154先日作成しておいた 「BMW」を覆い隠すマスキングシートを所定の位置に貼り付け、黒い部分にベースコートを塗る準備をします。ちなみに「BMW」の文字部分はアルミプレート自体が凸型に形成されているので、出来ればその立体感を残したいのでマスキングシートは少しだけ大き目になっています(よく見ないと判らないレベルですが・・・)。綺麗に仕上げる為だけなら逆に一回り小さめにするのが正解なのですが、今回はオリジナルの修復を第一に考えているので、些細な事ですが諸々そっち寄りで物事を決めて作業を行っています。

bmw155 ベースコートの黒を塗り終わったらマスキングを剥がします。下地は既にクリアーが塗られて足付け処理が施されているので、特にプライマー等は必要なくこのままクリアーを塗布します。これが「2工程目」になりますね。

bmw156そして本塗り(といってもまだまだ途中です)完了です。何が変わったかというと、中央の青と白とクリアー層をカッターでカットした時に出来た「ガタガタ」を払拭したのと、黒い素地部分にあった細かい点々(表面では無くクリアー層の内部でした)が無くなって綺麗な「黒ベース」の土台が出来上がった事ですかね。中央の一段下がっている段差も今回のクリアーで充填し、完全硬化後に研いでさらに平滑に近づけていきます。

次はいよいよ「青」と「白」で、ただそれでも段差が埋まらなければさらにクリアーを塗って平滑になるまで仕上げる予定です。何とか先が見えてきましたね。毎回の事なのですが、こういったちょっと変わった御依頼?は、実は始めるまではそんなに自信がある訳ではありません。恐怖が50%くらいであとは興味が40%、残りの10%でようやく「出来るかも・・・」と言う自信があったりします。商売で考えるにはとんでも無い比率ですが(苦)、実はこういった事こそがスキルアップが出来る事なので、会社としてはやってはいけない事かも知れませんが個人的に考えると「今やっておくべき事」だと思うところが大きいです。

いずれ海外から多くの労働力(移民ですかね)が流れ込んで来て、その中には賃金が安く能力の高い人材も要るでしょうからそれに負けない為に今の内に色々やっておけば人生の終焉は「エンブレム修理屋」して食べていけると思いますので・・・(無理ですか。笑)。

それでは次回進行までもう少々お待ち下さいませ・・・!