SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク 下準備

scott10溶剤槽に漬けておいたSCOTTのアルミフレームの旧塗膜がある程度剥がれてくれたので、後は細部をサンドブラストで処理します。画像はブラストボックスの中にはいったフレームをガラス窓越しに外から見ている光景です。

scott9旧塗膜を剥がすのには「剥離剤」といった材料がメジャーですが、色々な理由があって私的にはそれが好きでは無いので現在はシンナーを貯めた槽に塗装を剥がしたい部品を浸けて塗装を剥がすようにしています。熱を掛けたり圧力を掛けたりもしないので剥離能力はとても低いのですが、余計な廃棄物が出ないのと、一旦浸けてしまえば後は待っていれば良いのでこのシステムが気に入っています。

といっても今回のように比較的塗膜がしっかりしていると浸けているだけでは剥がれてくれなく、塗膜が柔らかくなったところをスクレーパーやワイヤーブラシ、ペーパー掛けなどを行ってかなり物理的な作業で剥がしていますからこの辺はDIYと大差は無いと思います。結構大変です。

ただ上記画像に写るワイヤーガイドの内側などアクセスの悪い箇所はどうしても塗膜が残ってしまいますので、最後はサンドブラストを使って除去する事にします。

scott5「だったら最初からブラストでやればいいんじゃ」なんて思うかも知れませんが、当店にあるのは吸い上げ式なのでこれではそこまでの能力はありません。そういった場合は直圧式が必要で、それが必要な場合は全部ブラスト専門のショップさんに御願いしてしまっています。直圧式は威力も強力ですが機材に掛かるストレスも大きいので、メンテナンスまで考えると私一人でそこまでやるのは逆にコスト高になってしまいますし、信頼できるショップさんが居れば任せるに限ると思います。餅は餅屋でしょう。

scott6 凹みがあった箇所はパテで補修してあります。よく脱脂洗浄をしたらプライマーを塗布し、続けて2液ウレタンサフェーサーを塗布します。ちょっと判り難いですが奥のフォークの先端、ホイールを固定する爪の部分も旧塗膜が剥離されているのが判ると思います。フォークはフルカーボンでは無く腕の部分のみカーボンのタイプですね。

scott7 そしてサフェーサー塗布完了です。塗装屋的にはここが大きな区切りとなるのでようやく一安心出来るといった感じです。

scott8フォークはアルミの部分のみプライマーを塗り、その後サフェーサーを全体に塗っています。ちなみにプライマーは金属用の物であってプラスチック用のそれとは全然違います。またファイバー関係は「強化プラスチック」なんて呼ばれたりしますが、塗装屋からするとそれはプラスチックでは無くポリエステルまたはエポキシの樹脂といった括りなのでプラスチック用プライマーを塗ったりなんて事はしません。足付け処理さえしてあればプライマーは必要無いのです。

巷にある材料としては主にこの「金属用のプライマー」と「サフェーサー」が合わさった「プライマーサフェーサー」が主流で、実はそれぞれ役目は全く違います。プライマーはそれぞれの素材に塗料を(化学的に)密着させる為の物で、サフェーサーは塗膜の厚みを付ける為の「充填」の効果があります。わざわざ二回に分けて塗るのは面倒なので多分一緒にされてしまったのだと思います(勝手な見解ですが。笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。本塗りは少し先になるかと思います。もう少々お待ち下さいませ!

(大田区も台風の影響で大分風が強くなって来ましたが今日はカブなので一安心です←多分間違い)。