ランチアヘッドカバー&インマニ結晶塗装 本塗り

lancia8 大変お待たせしました!ランチアのヘッドカバー&インテークマニホールドも無事本塗り完了しております。ヘッドカバーはお預かりしてから半年くらい経ったでしょうか・・・(と言っても放置していた訳では無くインマニを待っていたのです)。

lancia9 ヘッドカバーの腐食はかなりひどかったですが、インマニの方は旧塗膜を剥がしたら比較的綺麗ですのでリン酸処理のみで本塗りに挑みます。

lancia10インマニはちょっと変則的な固定方法ですが、裏側を塗る為にはこうしておかないとちゃんと塗れないのです。吊るしてという方法もあると思いますが大抵はこの姿勢で塗っています。

lancia11 そして結晶塗装用の塗料(専用のがあります)を塗布します。今回の色は以前塗装したベンツのヘッドカバーの色を参考にしていますので、青に白と赤を入れて色を作っています。

ちょっと見た目が汚いですが、鋳造製品とは大体こんな感じで、平滑に見える素地も実は結構ガタガタしていたりします。もしこれが結晶塗装では無く「艶々仕上げ」だった場合、この仕上がりじゃ残念過ぎますよね。なのでその場合はプライマーの塗装以外に、「研磨→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程が必要で、この形を全面研ぐ訳ですから相当な手間と費用になるのです。塗装屋さんなら判ると思いますが相当気が滅入りますよね・・・(一日研ぎだけで終わってしまいますよ)。

lancia12 ただ結晶塗装の素晴らしいところは、そういった素地の悪さも殆ど判らなくしてくれるところです。実際は凸凹の面でもかなりフラットに見え、巣穴やバリも殆ど目立ちません(実際にはそれらもかなりあります)。

lancia13そしてインマニも本塗り完了です。ちなみに画像を良く見て頂くと判りますが、手前の穴が開いている箇所のフチに何か脹れているのが判ると思います。結晶塗装のように100℃以上の熱を掛けるとこういった脹れが生じる事があって(恐らくは残っていた水分が気化して膨張した為かと)、途中で気付けば針で穴を開けてエアー抜きをしてあげれば良いのですが、気付かないままだとこのように肥大化してしまいます。

が、塗装にこういった事は結構付き物でして、逆に毎日何事も無く平穏無事に作業が進むという事の方が稀ですから(多分ですが)、ある程度の年数をやっていれば対処方法は色々判ってきます。問題なのはこういった事を放置する事で、大事なのはその後のフォローと折れない心(苦)かと思います。

ちなみに場所が特定されてしまっていますので当然完成後には凝視されるかとは思いますが(苦)、実は既に修正も済んでいまして、恐らくは元々こうだったとは判らないと思います。当然塗り直している訳ですが、こういったケースでは部分的な補修で対応出来るのです(一応はこれで食べて来ていますので・・・)。ただし塗った直ぐでなければ駄目なのと、一応手間はそれなりには掛かりますから「ここだけ塗って欲しい」といったお問い合わせはされ無いようお願い申し上げます(全てのケースで部分的に綺麗に直せる訳では無いのです)。

それでは完成しましたら改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ロードスターヘッドカバー結晶塗装 本塗り

road54 大変お待たせしました!ロードスターのヘッドカバー、無事本塗り完了しておりますのでご安心下さい。

ちなみにまだ紹介していないのですが先日もう一個ロードスターのヘッドカバー届いています(紹介が遅れてすいません・・・)。そちらも同じく色は黒なのですが、文字部分が今回のような凸では無く「凹」のタイプでして、今回はそこを白(若干アイボリー)で御依頼承っています。

こちらは凸状なので塗装後に研磨してアルミ素地を出して光らせ、最後に筆でクリアーを塗って保護しておきます。同じ様に見えても色々あるんですよね。

ちなみに上の画像だと妙にムラっぽいですが、これはリン酸処理を行った時に出来るムラですので気にしないで大丈夫です。このリン酸皮膜のお陰で塗装の密着性が向上しますのでむしろ悪い物ではありませんので。

road55 そしてプライマーを塗布します。

road56そして本塗り完了意です。相当塗り過ぎているように見えますが実際かなり塗り込んでいます。かなりリスキーな塗り方ですが、私的にはハッキリとしたチヂレ目が出た方が格好良いと思いますのでこれくらいは塗り込むようにしています。かといって塗り過ぎると昔のフェラーリのヘッドカバーみたいになってしまうんですけどね(酷いです・・・)。

 

road57そして150℃くらいの熱を掛けると徐々にチヂレ目が出て来て最終的にこんな感じに仕上がります。アレがコレになるなんてちょっと信じられませんが、ただ単に塗ればこうなると言う事でも無く、あれだけの膜厚を塗りつつ全体的に均一にしなければなりません。例えばボルトの穴の箇所は飛び出ていますが、ああいった箇所はきちんと回避して塗らないと大変な事になったりします(グニャグニャっと・・・)。

それでは凸部を削って完成しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

SCOTTアルミフレーム&カーボンフォーク 下準備

scott11先日塗ってあったサフェーサーが完全硬化したので研磨しています。自家塗装などでは1液型のラッカーサフェーサーが主流だと思いますが、プロが扱う材料としては現在は2液性のウレタンーサフェーサーが主流です。イメージ的にラッカー系の方が「早い」と思われがちですが、仕上がり(と品質)を考えると実は2液型の方が圧倒的に早く、一度にかなりの膜厚を付けても15分後には研磨可能、なんて事も結構普通に出来ます(ただしリスクは伴うのでそんな急いで焼く人も居ないとは思いますが)。

ただ早い硬化を求めると使用する硬化剤やシンナーもそれに合わせて選ぶことになるので、結果「肌が荒れ易い」という事になって今度は「研ぎ」が大変になりますから、私的にはサフェーサーでも肌が平滑に仕上がって欲しいので硬化剤は遅めに、シンナーも少量入れたりして肌が伸びるようにしています(システムにもよりますが私が使うサフェは通常シンナーは入れなくて良いのです)。荒れてしまった塗肌を時間を掛けて研ぐのは無意味ですので、だったら硬化が遅くてもそれを待っている間に別の作業をしていれば良いので、サフェーサーのような下地塗装だとしても綺麗に塗り仕上げる必要があるのです。本塗りの練習にもなりますしね。

brembo29こちらはSCOTTのフレームとは全然関係が無く業者さんからのご依頼品です。ブレンボのキャリパーに入れるロゴのサイズを確認しているところです。

ちなみに世の中の景気が良くなって来たのか最近は業者さんからのご依頼&お問い合わせが増えました。こちらはいつもご贔屓頂いているチューンショップさんからのご依頼品ですが、ここのところほぼ毎日一件は新規の業者さんからのお問い合わせを頂いています。有り難い事なのですが、ただもう頭の中はパンク気味でして・・・。

ただこういった業者さんからのご依頼で以前と大きく違うのは「業販割引」を求めて来なくなった事で、そもそもこういった割引は毎月定期的に安定して仕事を頂けるから出来る事であって、いきなり新規でのご依頼で、しかもその後のお付き合いがどうなるか判らない時点で割引と言われても・・・ですよね。業販割引に関しては当サイトでも紹介しています通り一切受け付けてはいないのですが(贔屓するのもされるのも嫌なのです)、最初の頃は何故かそれで逆ギレされる事もありまして・・・。

私的な考え方としては、BtoB(企業間取引)でも個人でもやる事は同じですから、そこで理由も無く金額を変える事は意味が無いですし、たとえその時喉から手が出る程仕事が欲しくても後で自分の首を絞める事になるので迂闊に手を出すような事はしないようにしています。まあそうはなりたく無いのでこうやって夜な夜なキーボードを叩いている訳なのですが(苦笑)。

御預かりしている新規ご依頼品もかなり溜まって来てしまっておりますので、それらも近日中には紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!