マーシャルポジションランプ 下準備

marchal6 先日洗浄~足付け処理を終えていたマーシャルのポジションランプ?です。いよいよ本塗り間近ですのでこちらもマスキング作業を始めます。メッキ製の枠が取れればそんなに難しく無い作業なのですがこれが相当ガッシリ付いているので今回はマスキングでの対応となっています。

marchal7 マスキングは単にメッキ枠の表面を貼るだけでは無く、その側面も張らなければなりません。こういった場合では厚みがあってコシの強いラインテープは不向きで、いつも通りの和紙タイプのマスキングテープを細くカットしてそれをピンセットで貼っていきます。ちょっと見難いと思いますがメッキ枠の側面、多分0.5ミリくらいの厚みにもテープが貼られているのが判ると思います。レンズは既にヒビが入っていますがレッドになればこれも目立たなくなるかと思います。

marchal8それぞれのレンズはどれも色の組み合わせが違っていて、

「クリアー+クリアー」

「クリアー+レッド」

「レッド+レッド」

の三種類で、これを全て「同じ様なレッド」に統一するのが今回の御依頼内容です。さらに塗装する事によって劣化したプラスチックレンズがガラスのような美しい質感になれば、と言う感じですね(こればかりは技術的な事では無く材料的な物なので言い切れないのでして・・・)。

レンズと枠の隙間についてはかなり狭い箇所もあるので、2回目のクリアーを塗ったら直ぐに全部剥がせるようにしています。上手くいくようにと何度かイメージトレーニングしていますが、やはりと言うかいつもとは違う作業は結構気は重いです(まあいつもの事でどれもそうですが)。

後はレッドの色味・濃さが揃うように、塗りながらでも裏側(固定した棒の下側)からLEDライトを当てて燈火(透過?)確認出来るようにもしておきました。どの程度役に立つかは判りませんが、本塗りが始まってからバタバタしたり疑問に持つ事は避けたいので一応やるだけの事はやっておきます。

ちなみに枠からレンズが取り外せればレンズ自体を透明な樹脂で複製し新たにそれを赤く塗る(またはアンバーも可)、何て事も計画して、ただ今回は枠が有り得ない程硬過ぎたのでそちらは断念し、代わりに溜まったストレスの捌け口(笑)としてジョジョの石仮面を複製していたりするのです。もし今回仕事としての作業になっていたら真空脱泡器を買っていたかも知れません。危ないところでした(笑)。

それではこちらももう少々お待ち下さいませ!

SUBARU XVテールランプ 下準備

xv20こちらのテールランプは元々クリアーレンズの物をレッド仕様に承っておりまして、ただウィンカーとバックランプ部分も赤く塗ってしまうとマズイですのでそこはクリアーのままに残すようにします(ただし最後にここは薄くスモークは塗ります)。上の画像は御依頼時に撮影した物で、一緒に写っているシートはオーナー様が用意してくれた指示書です。判り易くて助かります。

xv22クリアー抜きの部分は大抵はこうやってラインテープ(プラスチック製のテープ)を使ってマスキングをするのですが、これを足付け処理後に行うとなると被塗面に極力触れないように作業しなければならないので神経を使いますから結構大変で且つ時間も掛かるのです。

なので今回は予めそれを行っておき、それをデータ化してマスキングシートを作っておこう、という事にしました。二度手間ではありますがこれなら本塗り当日に時間を節約出来ますし、余計なところで神経を使わなくて済むので本塗りに専念出来る、と言う感じです。

または「今後同じ様な案件が続くと見込まれる」という事であればいずれ元は取れる筈なのですが、うーん、どうでしょう(笑)。

xv21方法はいつも通りで、テールランプに貼ったラインテープの上にコピー用紙をしっかり固定し、その上をクレヨンや鉛筆の芯などで擦って輪郭を転写します。所謂「石摺り」ですね。

それをスキャナーでパソコンに取り込んだらIllustratorなるベクターデータが取り扱えるソフトでトレースしてデータ化します。ちなみ一つデータが出来ればそれをリフレクト(反転)させれば良いので反対側も自動的に出来上がります。これに関しては助かりますね。

xv23そして実際にテールランプに貼って既存のラインにマスキングシートが合っているか確認します。今回は平面的なので ズレも無く一回で出来ました。これが曲面となると3次元→2次元→3次元での誤差が生じて何回か修正を繰り返さなければなりません。今回は比較的平面に近いのでそこまで大変な作業にはならないと判っていましたからそんなに躊躇わずこの作業が出来ました(どちらが楽出来るのか悩みましたが、当日焦るくらいならと昨日はこれに費やす事にしたのです)。

ちなみに現在お預かりしている案件でインプレッサGRBのテールランプがありますが、こちらは既にデータが出来ていますので後はマスキングシートをカット出力するだけ作成可能です。特にあちらはテールランプ(クリアー抜き)が4個ですからさらに時間が掛かるところですが、これのお陰で本塗り当日の作業時間を大幅に短縮出来るのです。一度に10個以上のテールランプを塗ると言うのはそういう下準備のお陰で成立っている訳ですね。近代機器様様です(と言う程の物では無いのですが・・・)。

という事でこちらも近々本塗りを行う予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!