ちょっと理由があって紹介はしていなかったのですが（プレゼント用のサプライズ品だったようです）、無事収まるところに収まったようなので紹介させて頂きますね。こちらはスバルエクシーガの樹脂製インテークマニホールドです。インマニまでプラスチックになってしまいましたか・・・。

ご依頼頂いているのは「結晶塗装の赤」で、まずは足付け処理の為にサンドブラストを掛けます。ペーパーでネチネチやっても良いのですが形が形なのでブラストの方が早いし確実ですからね。ちなみに普通の塗装でこれをやると大変な事になります（超毛羽立って収集が付かなく・・・）。

 意外と面倒だったのがマスキングで、内部やパイプが刺さる箇所には砂が当たって欲しくなかったので結構きっちりマスキングしています。塗装費用が高いのは単に塗るだけでは無くこういった付帯作業があるからですね。実際塗るよりもそれ以外に費やしている時間の方が遥かに多いのです。

 綺麗に脱し洗浄したら再度マスキングをし直して本塗り準備完了です。ちなみに素材はプラスチックですが耐熱性があるので結晶塗装が可能となっています。何でも可能と言う訳ではありませんのでご注意ください（大抵の物は出来ません）。

 最初に裏側を塗ったらひっくり返して表側を塗りつつ、さらにこの状態で格子の下から裏側を狙い打ちしたり結構複雑な塗り方をしています。小物塗装屋で厳しいところとしては塗った物をそれ単体で渡す事になりますから３６０度全方位綺麗に仕上げる必要がある（と思っている）ところです。ただ今回こちらのオーナー様は自動車業界の方ですので、多分この辺の一見無意味な感じにも納得してくれるような気がしないでも無いのでして（笑）。

結晶塗装の塗り方としては見ての通りかなり塗りこんでいますが、結晶目は膜厚と比例するのでくっきりとしたチヂレ目を出したい場合はこれくらい塗り込まないと駄目なのです。ちなみにもう少し塗り過ぎると全部洗い流す事になります（流れます・・・）。

 そして１４０℃くらいの熱を掛けると徐々に結晶目が出てきてこんな感じに仕上がります。既に硬化も終わって各部マスキングを剥がした状態です。裏側もきっちり仕上がっているのが判ると思います（着くと見えないと思いますが・・・）。

実はこの部品は今回が初めてで、実際に施工してみないとどうなるか判らない旨は事前に説明していたのですが、無事車体への装着も済んでいるようで変形は無かったようです。見た目は大丈夫でももしかしたら・・・なんて事もありますからね。

完成した時の状態も撮影した筈ですのでそちらは後日改めて紹介したいと思います。無かったらすいませんが・・・。