TREKカーボンフレーム&フォーク塗装承ってます

trek 先日無事到着しておりますトレックのカーボンフレーム&フォークです。この度のご依頼、誠に有り難う御座います!

御依頼内容としては、現状の塗膜を全て剥がし下にあるカーボン素地を活かした艶消しクリアー仕上げで承っています。軽く説明しましたが実はこれは凄く大変でして・・・。単に剥がして新たに色を塗るのであれば多少元の塗膜が残っていても大丈夫ですが(重量を気にせず密着さえしていれば残しても全然大丈夫です)、「クリアー仕上げ」となると一切の塗膜を完全に除去しなければなりません。

が、実際にはフォークの先端などホイールが付く箇所はアルミが使われていたり、カーボンの合わせ目などむしろそのままでは汚い箇所もあるのでそういったところは黒(スモーク)を塗って目立たなくします。これは新品時の塗装でも普通にやっている事ですので(手元にあったらよく見てください)特に心配は無用です。

trek2こういった箇所はサンドブラストで剥がした後にプライマーを塗ってベースコートの黒をスポット的に塗ります。

trek1 ヘッドチューブから出ているアウター?です。インチの六角レンチで無事緩みました。

trek4 フロントディレイラーのステーはリベットで付いているのでこちらも一旦外してしまいます。ボトルゲージのブラインドナットも多分外します。

trek6シートチューブ近くにあるワイヤーの出口?にあるブラインドナットは3mmで、こちらは在庫が無かったので先ほどmonotaRoで注文しておきました。今回初めて利用しましたが超便利ですね!amazonで3mmのブラインドナットは見つけられませんでしたよ。なのでここも外す予定です。

trek5 問題はチェーンステー部の同じくワイヤーの出口にあるブラインドナットで、通常のタイプとは違う頭になっています。恐らくは少しも飛び出ないようにと穴にはテーパー状にしてナットの頭は皿ネジみたいな形になっているっぽいです。ここは危険なので外さず、またもしここにワイヤーガイドのアウターが付くのであれば窪んだ箇所の塗膜は完全には除去せず黒に塗ろうかと思っております。完成時の状態がどうなのか判らないので後ほどオーナー様に確認させて頂きたいと思います。

ちなみに今回のような内容のお問い合わせは結構あるのですがそれなりに費用が掛かりますので実際の御依頼に至るケースは極稀です。というか自転車フレームだと初めてで、似たようなケースでは以前アウディR8のカーボンパネルで同じ様な事を行いました。ただあちらは被塗面が極めて平面的だったので、面積はこちらの方が小さいですが難易度(というか苦労度)は多分こちらの方が数倍あると思います。うーん、戦慄が・・・(笑)。

アウディR8のカーボンパネルの施工例についてはこちらをどうぞ。今回のフレームと同じくこちらもドライカーボン製です(よね?)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。長い道のりになると思いますので手が空いた時に少しずつやっていこうと思います。まずはブラインドナットが届いてからですね(確認してからじゃないと外したくないですので)。

改めましてこの度のご依頼、誠に有り難う御座います!

BMWパニアケース 本塗り

bmw216 こちらもお待たせしました!BMWのパニアケースは無事本塗り完了しておりますので御安心下さい。

画像はサフェーサーを空研ぎしているところで、こういった平面的な形の物はエアーツール(ダブルアクションサンダー)を多用して作業効率を上げています。最初は#320→#400で、その後クッションパッドを使って#600で仕上げます。

bmw217ただ範囲が大きいとどうしても深いペーパー目を取り零している可能性もあるので、こういった場合はその後水研ぎ#600→#800で仕上げます。ここは手研ぎですが削るというよりは均すという作業なのでそんなに時間は掛かりません。ちなみにこの時期に外で水研ぎ作業は結構寒いですが、お湯を使うと手が荒れるので基本は水か、限りなく水に近いぬるま湯といった感じです。

bmw218 よく水気をきって裏側の養生を修正したら台に乗せて本塗り準備を行います。台と言っても一斗缶を三個積んだだけですが、フチの裏側まで塗る時はこれがまた丁度良いのでして・・・。

bmw219 この型のパニアケースはフチの裏側まで回り込んで塗る必用があって、ただ飛び出た金具の部分が結構邪魔なのでそこはタイトにマスキングし、スプレー時はノズルパターンを細くしてそれを避けながら狙い打っていきます。

bmw220塗色はBMW (MINI)の純正色「ライトホワイト」(カラーコード:B15)で、純正の仕様通りベースコート+クリアーコートの2コート仕上げです(って外車を塗っていればこれが普通ですけどね。外車は1コートソリッドの方が珍しいです)。

bmw221気温が低ければ当然塗料の乾燥も硬化も遅くなるのですが、希釈用のシンナーや硬化剤(とクリアー自体)はその時の気温によって使い分けるので、一年の内にいつの時期が一番塗装に適しているというものは基本的にありません(というか仕事でやっている以上それを無いようにするのが普通ですよね)。ああでも個人的な好き嫌いや得て不得手は当然ありますけどね。私的にはやはりクリアーの馴染みが良い冬が好きです(ただ一旦垂れると止まりませんが・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。来週には出来上がる予定です。もう少々お待ち下さいませ!

LOTUSエンジンパーツ結晶塗装 作業前準備

lotus23 こちらもお待たせしております。ロータスエスプリのエンジンパーツ一式です。数日間アルカリ洗浄槽に浸けてオイル汚れなどを除去していました。艶があるのはまだ表面に水が付いている状態で、これが明日には乾くと思いますからそうしたら次は溶剤槽に浸け置きして旧塗膜を剥離します。

lotus24ただ現在の塗膜が無くなってしまうと色が判りませんので、溶剤槽に入れる前に色を作っておきます。一応剥がれた塗装片サンプルとして取ってはおいたのですが、なんだか部品ごとに色が違っていたりとちょっと不安になったので先に確認しておきました。作った色としてはオレンジに若干赤を入れています。

本塗りまではまだ時間が掛かりますが、作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!