DUCATIカーボンカウル 本塗り

ducati_1 ドゥカティのカーボン製アッパーカウルとリヤスポイラーは二度のクリアー下塗りを経て、3度目のクリアーで無事本塗り完了していますので御安心下さい。お待たせしました!

画像は二度目に塗った下塗りクリアーを研いでいるところです。今回は最初に#400で空研ぎした後、#600→#800→#1200で水研ぎをしています。

ducati27 この時点で既に二回クリアー塗装が行われた状態で、今回が3回目のクリアー塗装となります。最初の二回は通常のクリアーとしてSTANDOXイージークリアーを使っていて、これは既に廃盤でもう手に入らない物なのですが私的に気に入っていたので無くなる前に12缶(60リッター)を買い占めていたのです。新製品とは聞こえは良いのですが怪しい面が沢山あるので直ぐに使いたく無いのでして・・・。多分その辺のOSと一緒かと(笑)。

そして今回は最後のクリアーなのでクリスタルクリアーを塗布します。

ducati28 そして本塗り完了です。塗る前と向きがちょっと変わっていますがこれはタレそうになった時の常套手段で、塗装屋さんならよく判ると思いますが危ないと思った時でもこんな感じで角度を変えればタレを軽減出来たりします。ちょっと衝撃的な感じがしますが(笑)、元々こう出来るようにセッティングしていますので結構普通の光景ですので御安心下さい。

そう言えば昔アルバイトに行っていた町工場で、そこに居た塗装屋さんが何か叫んでいると思ったら自動車のバンパーでこれと同じ様な事をしようとしていて、「丁度良かったタカハタ君!そっち持って!!」みたいな感じで手伝った記憶があります。流石にバンパーは・・・って思いましたがまあ気持ちは判らなくも無い訳でして(笑)。

ducati29 日本の塗料と海外の塗料での大きな違いは塗装ブースで塗る事が前提だったかどうかです(と以前読んだ文献に書いてありまして私的にも多分そうだと思います)。近年では日本でも塗装ブースで塗るのが当然ですが昔の日本ではその辺で露天吹きが基本だったそうでして、となるといつまでもベタベタしていたらゴミだらけになりますし、その辺に飛んだ塗料ミストで周りが大変な事になってします。

対して海外の塗装では塗装ブースの中で塗る事が基本だった為、乾燥は遅くても塗り易い塗料にし、極力ゴミを付けず「塗ったそのまま」で仕上げられるようレベリング性能を上げ(=いつまでもベタベタです)、磨き無しでも高美観に仕上がるよう開発されていった、との事です。

ちなみに乾燥(硬化)が早ければ確かに仕事は速く出来ますがその分肌は荒れますし、そもそも磨く事が前提なのでクリアーの堅さ(というか分子結合の強さによる粘り、ですかね)も随分と柔らか目に出来ていたりします。私の場合元々外資系の塗料しか使った事が無かったのですが(PPG→DUPONT→STANDOXです)、アルバイト先で使ったパナロックには衝撃を受けましたので・・・(磨くと直ぐに下地が出てしまいます・・・)。

ただ最近は塗装ブース(塗装専用のスペース)で塗るのが当たり前ですから多分そんなに大差は無いと思います。そもそも同じ塗料メーカーでもピンからキリまでありますし、スタンドックスでも「ユニバーサル」なる廉価版?のクリアーがあるみたいですから何とも言えませんけどね。

ducati30 元々あった巣穴は完全に取りきれたという訳では無いのですが、細かいところを見るとキリがありませんので(最高7回塗った事がありますがそれでも完璧とは到底言えませんでしたので)、バランスを考えればこれで十分だと思います。

ducati31こちらはリップスポイラーで、センターにあった凸状のブランドロゴは何とか残そうと尽力しましたがやはりと言うか埋まり気味となってしまいまして・・・(謝)。どうか御容赦下さいませ。

ちなみにオーナー様からは新たなお問い合わせも頂いておりまして、「完全に塗装の魅力に嵌ってしまいました(笑)」。との事です(笑)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

ブレンボキャリパー 本塗り

brembo_2 先日ブレーキ屋さんからブレンボキャリパーが戻って来まして、無事本塗りも完了しております。ブレーキ屋さんでは「洗浄→サンドブラスト(剥離)→脱脂洗浄→マスキング」までを行って来てくれますのでこちらでは塗装のセッティングと最終的な脱脂のみで直ぐに塗装可能となっています。

brembo_3 ちなみに今回のキャリパーでは一部のダストブーツ(丸くて黒いゴム)に裂けが見られたとの事でそちらも交換して貰っておきました。キャリパーの型にもよりますがブレンボならオーバーホールも可能との事なので御希望の方はお問い合わせ下さい(ただ部品が相当高額な為、オーバーホールをするなら新品を買う方が・・・と言うことらしいです)。

brembo81そして本塗り開始です。まずはいつものようにプライマーの塗布からです。

brembo82ベースコートが終わった時点でロゴ入れの塗装を行います。予め用意しておいたbremboロゴのマスキングシートを貼り、白でロゴを塗装していきます。

ちなみにバケツに入っているのはクリスタルクリアーで、気温の低いこの時期は本塗りの前にこうやって湯せんに掛けて暖めておいたりします。主に外資系のクリアーは粘度が高いのでそのまま塗ろうとしても重くて非常に塗りにくく、かといってシンナーを増やすのはナンセンスですので(私的な見解ですが)こういった手段が有効です。衝撃的な感じがしますが塗装屋としては日常的な光景ですので御安心下さい。

brembo83そして再びブースに戻し、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

brembo84それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。来週早々には完成出来る予定です。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!