TOYOTA SPORTS800 Steering wheel Repair&Refinish

s800 こちらは1年前くらいに御依頼いただいたトヨタスポーツ800の純正ステアリングです。製造上の問題らしくどの部品も最終的にはこんな感じで亀裂が入ってしまうとの事で、これでもまだマシな方らしいです。なので程度の良い物に変えても意味が無いので修理&塗装を御依頼頂きました。

s8001 作業のコンセプトとしては、使用する用途からして見た目だけ綺麗に直しても意味が無いのでとにかく強力に修理する事にしています。最初に使うのはとにかく引っ張り強度の強い3Mのエポキシ接着剤「オフホワイト」です。粘度も低いので亀裂の奥まで浸透してくれる事を願って使っています。本来なら真空釜で作業出来ればもっと良かったんですけどね。

toyota8003 その後もやはりエポキシ系で成型していきます。こちらは比較的粘度の高い3Mパネルボンドです。先ほどのオフホワイトだとシャブシャブなので盛れませんからラインを作るのには向かず、かといって最初からこのパネルボンドを使うと亀裂の奥まで浸透してくれないのでそれぞれを使い分けています。

s8004 最終的な細かいラインのみポリパテを使います。この時の作業で一番厄介だったのはステアリングのスポーク部分と土台が一体式で、亀裂の入っている根元の部分を全てマスキングで且つ美しく仕上げないといけない事でした。スポーク部分も一緒に塗れるならそんなに大変じゃなかったんですけどね。うっかり傷も付けられません。

s8006 各工程ごとにスポーク根元のクリーニングを行いつつ進めています。

s8003 どこも外れないのでこんな感じでフルマスキングになります。

s8004 接着剤もパテも塗装も「塗ったら直ぐ剥がす」が基本でした。その後研ぐ時は再度マスキングをして作業しています。

s8008 と言う事でこんな感じで完成です。仕上がりの見た目とは裏腹にかなり地味でネチネチとした作業ですが、こんな事が出来る仕事って中々他には無いと思うので私的にはかなり気に入っています。ただ利益が出るかどうかと言うと話は別で(苦笑)、やはりと言うか好きじゃないと続かないのかも知れませんね。まあお陰で開業して以来仕事が切れた事は一度も無い訳なのですが(それもどうかと思いますが・・・)。

s8009 こんなのを見れたらあの胃が締め付けられた日々も忘れられますよ(笑)。

s8006そう言えば最初に御依頼頂いたのはこのステアリングの中央に付くホーンリングからでした。そちらも一方は割れた物を修理~塗装したんですよね。

ヨタハチと言うと「よろしくメカドック」なる漫画のお陰で結構知っている方もいらっしゃると思うのですが(判りますか!笑)、海外だと余り知られていないようですね。ただこんな動画を見つけたので宜しければどうぞ。これと同じステアリングとホーンリング、着いてましたよ!(何故か嬉)

また機会があれば過去画像を纏めて紹介したいと思います。今回の全作業工程についてはコチラをどうぞ。