メルセデスR129ヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

r1295 メルセデスR129 AMG600SLに装着予定の73エンジンヘッドカバーです。旧塗膜と腐食はサンドブラスト屋さんにて処理して頂き、当店に戻って来てから燐酸処理を行ってマスキングをしいよいよ本塗り開始です。

r1296 まずはいつも通りプライマーを塗布します。いつも行っているW124のヘッドカバーはマグネシウム製で腐食が激しく再発の可能性が高いですから使用するプライマーは防蝕性の高い浸透型エポキシプライマーが必須ですが、こちらは一般的なアルミ製なのでいつも通りで大丈夫です。多少重くてもパワーがあるのでそんなの関係無い!みたいな感じなのでしょうか(恐)。

r1297 そして本塗り完了です。見ての通り塗り肌が悪いですがこれは鋳造で作られたヘッドカバーの素地が悪いからでもあって、ちなみにインマニの方はこれよりも酷いです・・・(苦)。

ただし結晶塗装の場合はこの後熱を入れる事によってチヂレ目が発生し、それによって素地の粗さは殆ど目立たなくなります。むしろ格好良いくらいに、と・・・。

r1298 ちなみに結晶塗装に使う塗料はそれ専用の物で、今回のような色は元々設定がありませんからそれぞれの原色を混ぜて使います。ただこれも結晶塗装の特性なのか混ぜるとゲル化が進行して長持ちしません。また見ての通り塗料中には通常あり得ないような塗料カスが混ざっていまして、勿論これは最初からある訳では無く保管している間に缶の中で反応(分離?)してこのようになってしまうのです。さらに酷くなると最後は「チヂレない塗料」になってしまう訳でして・・・使い方が難しい塗料でもあるのです。

r1299その後140℃くらいの熱を掛けるとこんな感じに綺麗に結晶目が現われます。ザラザラだった梨地も判りませんよね。凄い塗料なのです。

ただこちらと同時にご依頼頂いているインマニの方は結晶塗装では無く「艶々のオレンジ」で承っておりますので、予め梨地を削って素地調整をし、その後プライマー&サフェーサーでさらに平滑な下地を作ります。

そちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!