BMW K1200GT カウル「爪」修理

bmw323 こちらもお待たせしました!BMW K1200GTのカウルパーツ3点も作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

まずは巨大なサイドカウルの「爪」の部分の修理で、元々ここにはタンクトップカバーと連結する為の爪がありました。隣の爪は生きていたのでそちらを紹介しますね。

bmw324こちらが無事な方です。 BMW MOTOのオーナーさんなら良くご存じかも知れませんね。

bmw325 素材はABS樹脂で、身近にある物を切り取って爪を作り直します。BOSEのスピーカーボックスの端材が厚みがあってしっかりしていたのでそれを使いました。

bmw326切って熱して折り曲げて押すとこんな感じになります。肝は先端の引っかかり部分ですかね。

bmw327 削って切るとこんな感じです。ちなみにここで気が付いたのですが、隣にあった爪を参考にして作ったら厚みがあり過ぎて、それぞれを差し込む溝をみたらこちら側は隣よりも全然狭かったです。 なのでこの後かなり削って薄くしました。

bmw328 意外と難しいのが爪の長さで、隣を見ながら丁度よい出面になる様に長さを調整します。

bmw329 余分な部分をカットしたらこんな感じで軽く溶かして溶着し仮止めをします。ここで一旦タンクトップカバーと仮合わせをして長さと角度の調整を行います。

bmw330 良い具合になったら先ほど半田ごてで穴を開けた箇所にABSの破片を詰め込み、半田ごてで熱して溶かし込んでいきます。まずは4カ所です。

bmw331 その後、先ほど穴を開けて埋めた箇所から一個分ずらしてさらに穴を開け、また樹脂片を詰め込んで溶着していきます。一度にやらないのは熱によって角度や長さが変わらないようにする為ですね。金属の溶接と一緒です。

bmw332 使ったのは一般的な半田ごてと(確か1000W)、ブーストボタンが付いたプラスチック補修用の半田ごてです。今回は裏側からの処理がやり難かったので、局所的に貫通させて表裏をしっかりくっつけるやり方にする為に先端が尖ったタイプの半田ごてを使いました。ただ1000Wはちょっと強力過ぎて取り扱いが危なかったですかね(ちょい触れで貫通しますので・・・怖)。

bmw333そして表面を均して溶着完了です。一応グイグイやってみまして強度も申し分無いと思います。

この後パテを使って「見た目も元の通りに!」と言う事も可能ですが、装着されてしまえば見えない部分ですので今回はコスト優先でこれで終わりとします。いい加減にしておかないと新品部品が買えてしまいますし・・・(苦)。

bmw334 実際に脱着テストを何回も繰り返し、良い案配に出来ていると思います。

bmw335私的な見解では少なくとも隣に残っている爪よりはちゃんと出来ていると思います(笑。是非体感して下さいませ)。

ちょっと今回は画像が多くなってすいません。爪の修理となると実は一般的では無く(普通ここを直すくらいなら部品交換が基本です)、接着剤とかでは付けても取れてしまう筈ですから今後どなたかの参考になればと思いましたので。ABSは取り扱いが容易な樹脂ですので是非DIYでもチャレンジしてみて下さいませ。

それでは塗装の下準備も進行しましたらまた紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!