BMW 内装ボリュームツマミ 本塗り

bmw359最初に ベースコートの黒を塗ってからマスキングを行い、続けてシルバーのベースコートを塗布します。ベースコートはクリアーと組み合わさる事で2液変換(結合)しますからこの時点ではシリコンオフでも溶けてしまうので脱脂処理は出来ません。なのでマスキングの最中はとにかく手洗いと、極力被塗面に触れずに作業しています。

bmw360で、マスキングを剥がしてみるとちょっと気になったところがあったので再度ベースコートの黒を塗ります。かなり微妙ですが丁度イルミネーションの孔に差し掛かるところで、微妙に穴とズレているように見えたので修正しておきました。考えてみればそこだけ四角い穴で直線になっていますから「円」としてつなげるなら少し黒を塗る範囲を余分に考えておかなければいけなかったんですよね。と言っても髪の毛程あるかどうかの微妙さなのですが(苦)。

bmw361 そして大きい方のスイッチも2カ所の塗り分けまで完了し、さらに再度「黒」を塗るので続けてマスキングを行います。

bmw362 今回はオーナー様に綿密な作業指示書を図解入りで作成して頂きましたので作業は非常にやりやすいです。工程は事前に何度も確認し、実際にどんな具合になるかも試していますので、本番は比較的スムーズに作業を進行する事が出来ました。

しかしこの指示書通りに作業するのって、実はとんでも無く大変なのは塗装屋さんなら判りますよね(笑)。チャレンジャー、お待ちしております。

bmw363 そして再度ベースコートの黒を塗り、ついに2トーンカラー配色の塗り分けが完了です。

今回は「黒→シルバー→黒」として3工程での塗り方にしていますが、マスキングのやり方を変えれば塗り方の順番は逆でも出来ますし、2工程での塗装も不可能ではありません。ただ完成までの工程をイメージしているとこの順番が一番リスクが少なかったんですよね。多分これに尽きると思います(御代もちゃんと頂いていますし)。

bmw364 そして最後に半艶クリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

bmw366以前一時期勤めていた町工場で、著名な自動車評論家の方の車を修理兼取材をしていて、こういった下地処理を行っているのを見て「下準備9:塗装1」みたいな記事になっていましたが、今回に限ると99.99:0.01くらいの割合ですよ(笑)。

画像はまだ塗り立てなので艶のある状態ですが、ここから徐々に艶が消えて半艶になります。

次は外したアクリル片を穴に戻す作業で、まだまだ余談が許さない状況ですから完成まではどうかもう暫くお待ち下さいませ!

BMW 内装ボリュームツマミ 下準備~下塗り

bmw349 大変お待たせしました!BMWのエアコンスイッチボリュームツマミ×4個は無事本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。

下地処理は足付け処理だけなのですが、小さい方のツマミは表面がギザギザのローレット加工(風)になっていますので、これの山を削らないよういつものナイロンブラシ+ウォシュコンパウンドで足付け処理を行います。

bmw350 スイッチに空いた穴にはイルミネーションランプ用のアクリルがピッタリ填るようになっているので、出来ればそこに塗料が着かないよう裏側からマスキングテープを詰めて風の通りを遮断します。エアーが入らなければスプレーされた塗料は跳ね返りますからね。ちなみに穴にしっかり何かを詰めると余計に塗料が溜まってしまうのでNGです。

bmw351 作業中は極力被塗面に触れないで作業したいので、マスキングテープの芯などを固定して土台を付けておきます。

bmw352 よく脱脂清掃をしたらプラスチックプライマーを塗布し、まずはベースコートの「黒」を塗ります。それぞれの部品は2色の塗り分けですが、大きい方のスイッチは色々考えた結果3回に分けて塗るようにしました。

bmw353ベースコートの黒がテープフリーな状態になったら、予めデータから作成しておいたマスキングシートを貼っていきます。

bmw354 今回のパーツはとても小さいのでマスキングは少しのズレでも直ぐ判ってしまいますから、マスキングシートの貼り付けは微妙な調整が可能な水貼りで行っています。

bmw356 大きい方のボリュームツマミ(と言っても3cm程度ですが・・・)は、上方で90度に折り曲がるのでよく水が乾いてから貼り付けます。長方形のシールは位置の距離を測る為のガイド用です。今回の作業で難しいのはどちらも全く一緒にしないといけない事で、せめて一個だけだったらもう少しリラックスして出来たんですけどね。大変です。

bmw358マスキングシートの位置が決まったらドライヤー(これは普通の家庭用)を使って水気を飛ばします。うーん、良い感じですかね(って既に塗り終わっているのでこんな事が言えているのですが)。

bmw357 という感じで前半が完了です。出来る限りの事は前もって準備しておき、本塗りは丸々一日掛けて行っています。最悪間に合わなければ最後のクリアーは翌日に持ち越そうと思っていたくらいなので、全体的には余裕をもって作業が出来ました。

続けて本塗りも紹介しますね。

バックカメラ塗装 完成

camera7 本日発送予定のカロッツェリア社製バックカメラです。今回はお客様のご都合により出来るだけ早くとの事でしたから、納期指定(有料)のオプションでご依頼頂きまして早めの二週間程度での完成となります。と言っても急いで二週間ですから、普段どれだけ遅いのかって感じですけどね(すいません・・・)。

camera1元々はこんな感じで、標準的なプラスチック素地の艶消し黒の状態でした。確かにこれがリヤゲートにくっついていたらちょっと違和感があるかもですね。私的にはリアルな鳥の形とかしていたら面白いと思うのですが(逆に不安ですか。笑)。

camera8 今回の色は スバル純正色のアイスシルバーメタリック(カラーコード:G1U)で、画像だと判り難いですが艶有りの仕上げです。レンズ部分はマスキングですが多分良く見てもマスキングで塗ったとは判らないと思います。まあレンズ部は下を向くでしょうから一度着いてしまえば二度とみないかも知れませんけどね(ただそういうのってずっと気になりますよね)。

camera10ちなみに当店にご依頼頂く前にはカー用品店や自動車の板金塗装屋さんにも相談されたらしいのですが、それぞれ

「 色のつきが良くないので経年劣化ではがれる可能性あり(一年はもたない?)」

「 総じてあまり気が進まない作業なのか色よい返事がない。塗る必要がないとのアドバイス」

との事でした。まあどちらにしても出来ればやりたくないって事ですよね。うーん、判ります、判ります(酷)。

前者は問題外として、ただ後者の板金塗装屋さんであれば工場の造り(構成)自体が車体を対象としていますからどうしても基礎加算数値的な費用(付帯的な作業や車両保管費、洗車や従業員のトレイ休憩なども含まれます)を考えると費用が高額になるのは仕方無いですよね。よほどいつも付き合いのあるお客さん(例えば業者さん)であれば断れないと思いますが、一見のお客さん相手であればリスクのある事は避けるのが普通だと思いますし。

それでは製品到着まで今暫くお待ち下さいませ。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

SHUREマイク塗装承ってます

mic6先日到着しておりますSHUREのマイクです。この度のご依頼、誠にありがとう御座います!

御依頼内容は、マイク本体の黒い部分を「ラベンダー色に」との事で、ヘッドのグリル部分(シルバー色の部分)はそのままで承っております。

mic5 色については厳密な御指定は無いのですが、CMYKの「C30,M40くらい」と伺っていますので、iPadのアプリでその色を確認し、手元にある色見本帳から似たような色を確認してみます。

mic7普段使っているのは自動車用の色見本帳なので今回のような淡いパステルカラーのような色は殆どありませんから、その場合は以前塗料屋さんから頂いたsikkensの色見本帳を使ったりします。ここからSTANDOXの配合データが出せる訳では無いのですが、一般的な色見本帳のようにトーン別の色相カラーチャートっぽくなっているので今の仕事だと使い易いんですよね。凄く重宝しています。これの他にRMの色見本(カラーマスター)も持っていたりするのですが、意外とそちらは全然使う機会がありませんでして・・・。

mic8ちなみにPANTONEは顔料では無く染料で、下の台紙の白を透けて見させているような印刷ですからこれを塗装で表現するのはちょっと難しいです。白の顔料に染料を入れたりして試したこともありますが、やはりと言うか混ざり難いこと、またその後の「ニジミ」などに気をつけなければなりません。または3コートソリッドキャンディー塗装という手もありますが、上手く透けてくれなさそうでムラとダマが怖いですかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠にありがとう御座います!