オデッセィメッキガーニッシュ 本塗り

vezel12 こちらもお待たせしました!ホンダオデッセィの純正メッキライトガーニッシュ、無事本塗り完了しております。

上の画像は先日塗ってあったサフェーサーを水研ぎしているところです。場合によってはこれを空研ぎだけで行う事もあって、この辺のやり方については作業者のケースバイケースによります。真冬は水が冷たいので空研ぎが好まれますが(塗装屋も人間ですので・・・)、ただ空研ぎのシステムはコスト高なので、今の暖かい時期は水研ぎが主流になっています。

ちなみにディーラーの内製工場の場合は作業効率優先なので材料費の心配などは全くせず(全くしませんでした・・・)、通常は1枚で使うペイントストレーナー(ろ紙)を毎回3枚重ねで使っていたりする塗装屋さんも居たりしました。今の私のやり方はクリアーの場合はストレーナー+吉野紙、ベースコートの場合は吉野紙二枚重ねが基本です。吉野紙は大きい一枚の紙を自分で切らないといけないのでその手間が掛かりますが、とにかく色の種類を多く扱うのでここでコストを落とす必要があるんですよね。

vezel13 そして最終脱脂を行って本塗り開始です。

vezel14 色はホンダ純正の「ベルリナブラック」(色番号:NH 547)で、いざ色を作ろうと思って配合データを見てみたら、こちらは特に混じりけの無い原色の黒そのままのソリッドブラックでした。ただ塗装工程としてはいつも通りで、ベースコート+クリスタルクリアーの2コートソリッド仕上げです。

vezel15 一部塗りにくいところがあるので、ベースコートの時点では最初に裏側を塗ってからひっくり返して表側を塗ってあります。

vezel16車体の補修となると「新車肌の再現」が重要になりますが、今の小物塗装だと単品の状態で美しい仕上がりが目標だったりしますので、とにかくクリアーは艶々に仕上げています。

そう言えば先日お納めしたSUBARU WRXのメッキマーカーのオーナー様からご感想頂いていますのでこの場を借りて紹介させて頂きますね。恐縮ですが判り易いように画像も併せて掲載させて頂きます。

wrx9「本日、商品を受けとりました。日記でも拝見しましたが、実物はもっと綺麗ですね。何だか車体に取り付けるのが勿体ない位です。色の濃さと言うか、光沢と言うかまさにボディーと寸分狂わず一致して、流石は、プロフェッショナルです。クリスタルブラックシリカ以外でもスバルの色使いって特殊で、塗装屋さん泣かせかと思いますが、この度は本当に有難うございました。」

との事でした。ただ色に関してはSTANDOXより配布されている配合データそのままですので私の功績では全くありません(笑)。それよりもメッキ素地の下地処理をしつつ凹んだ「WRX」のザラザラの部分を艶々にする方が結構大変な作業でして(笑)。ただ何にしても喜んで頂けて私もうれしいです。こちらこそ有難う御座いました!

尚こちらのオデッセイメッキガーニッシュは完全硬化後に裏側のスポンジモールを貼り直しますので、完成まではもう少々御待ち下さいませ。スポンジモール一式も購入済みです!

BMW内装ボリュームツマミ塗装 完成

bmw377 大変お待たせしました!BMWの内装エアコンパネルスイッチツマミ×4、本日完成となります。いやはや本当にお待たせしました。

今回は途中工程の画像も織り交ぜて、最初の状態から変化していく過程も紹介してみたいと思います。まずは最初の状態ですね。

bmw292純正部品は艶消しの黒で、見ての通りかなりシンプルなツマミでした。これをAUDIとかPORSCHE風のデザインに!といった感じのコンセプトかと思います。

bmw378 最初の状態と比べると一目瞭然ですよね。ちなみに普通はこういうのは塗り分けでは無く、違うパーツを組み付けて表現されるのが一般的な部品です。これを塗装でやろうなんて普通は思わないですよね。とても大変です。

bmw312最初はフリーハンドでマスキングをしようと思いましたが、この小さなサイズを左右対称に、角のアールもそれぞれを美しく揃え、しかも二個とも同じように!なんて作業はもう到底現実的ではなくてでして、今回はパソコンでデータを作成してカッティングシートを作製する事にしました。と言ってもこれもそんなに手軽に出来る訳でも無いんですが・・・(ただし一度ベースが出来てしまえば修整は楽です)。

bmw380 小さいボリュームツマミの色分けも簡単そうで意外と難しかったです。塗り直すとギザギザのシャープさが損なわれてしまうので途中で修整したりもしました。

bmw311 中心を出す為にボリュームツマミの外周サイズに合わせてカットし、それを参考にして位置を決めています。練習の段階で懸念事項は虱潰しにし、本番で一番ストレス無くスムーズに出来る方法を見つけておきます。

bmw382 特に難しかったのがそれぞれの塗り分けで、こちらの大きい方のツマミは「黒→シルバー→黒」とベースコートは3回に分けて塗っています。

bmw313  とにかく本塗りの前にかなりの時間を割いて、実際の作業さながら色々検証して一番よい方法を探しだしています。面倒なところですが、ただ結構楽しい作業でもあるんですよね。

bmw383 横に回り込むラインの繋がりは何度も貼ったり剥がしたりを繰り返して自然な感じになるようにしました。これも大変でしたね。

bmw361普通はここで終わるのですが、ここからもまだまだ大変な作業は続きました。

bmw384ちなみに小さいツマミの丸い黒は見る角度によって位置がズレて見えるのですが、これは上面が平滑では無く湾曲しているからで、今までの画像を見返して頂くと多分判ると思います。現物を持って色々な角度から見ると判って頂けると思います。ビックリしますよ(笑)。

bmw385今回はオーナー様自らイラストを作成して頂きまして、これのお陰で作業はかなりスムーズに出来たと思います。ただしここまで細部のご指定があるのは結構なプレッシャーでしたけどね(笑)。

ちなみに当店で行っている事は自動車補修塗装の応用ですので、基本的には車の塗装屋さんなら誰でも出来る内容です。ただこういった仕事を好んでやるかどうかというと微妙な所はありまして、もしかしたら途中で何回か発狂するかも知れません(笑)。

またはプラモデルとかを塗装するのが好きであればこういう作業は得意だと思いますが、ただ使う塗料がホビー用となると耐久性が乏しいので、今回ような実用する部分への塗装は難しいかも知れません。一般的には「最後にウレタンクリアーを塗れば大丈夫」と思うかも知れませんが、その後ガムテープを貼って剥がすなんて事を何百回繰り返しても剥がれないかと言うと難しいですよね。こういった塗装はそう言うことも必要で、ただ思った以上に需要はあるようです。皆さん拘り過ぎですよ・・・(恐)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

BMW内装ボリュームツマミ塗装 組み付け

bmw373  大変お待たせしました!BMWの内装エアコンパネルスイッチツマミは本日無事組み付け作業を終え遂に完成に至りました。小さい物ですが今年一番緊張して大変だった作業だと思います。以前行ったBMWのボンネットバッジのレストアを思い起こしましたよ・・・(こちらは近々纏めて紹介しますね)。

bmw374ボリュームのツマミには画像のようなアクリルが埋め込まれていてイルミネーションランプが光るようになっています。先端が白く塗られているのでまさか光るとは思っていませんでした。

bmw375 こんな感じで裏側から差し込みます。小さい方はリングで固定されるので脱着は難しく無いのですが、大きい方は完全にハメコミなので、取り付け時に何かの拍子に失敗したらもう発狂どころじゃないんじゃ・・・と覚悟していまして、作業中に恐怖で手が震えたのは久しぶりです(いや、本当に)。

bmw379塗装して膜厚がついた分、が狭くなっていて上手く填らないのでは(或いはグニュっと塗装が削れてしまうのでは・・・)、と思っていましたが、実際には結構スカスカで拍子抜けするくらい簡単にはまってくれました。今日までほぼ毎日心配していたあれは一体何だったんでしょう・・・と(でも本当に良かったです)。

bmw376ちなみに白く塗られていても本当にオレンジに光るんでしょうか・・・か?、と疑問に 思ったので一応試してみました。結果は見ての通り良い感じで(当たり前ですか・・・)、なるほど良く出来ていると納得出来ました。

それでは続けて完成画像紹介しますね。