SUZUKI GSX1300R Hayabusa brembo calipers

 brembo27以前ご依頼頂いた案件で、作業内容と画像を纏めて再編集して紹介しています。内容はちょっと薄いですが一連の流れで紹介しますので、文章を読まずともどんな事をしているかは理解出来ると思います。「既に知ってる!」と言う方はどうかご容赦下さい・・・。

ブレーキキャリパーの塗装は主に四輪車用が多いのですが、稀にバイク用キャリパーの塗装もご依頼頂きます。ただそういった場合は大抵内容が普通では無いと言うケースが多いようです。まあこれはいつもの事ですか・・・(苦)。

brembo28現状としてはキャリパーに彫られたbremboのロゴの塗膜が浮いていて、ご依頼内容はキャリパー本体の塗装と、このbremboロゴにも色を入れたいとの御希望です。しかもこんな風に文字部分の塗装が剥がれないようにですね。そもそも「後から塗料を流し込む」なんてやり方で剥がれない方が不思議なので、今回はこういった問題が起こらないような塗装にします。

brembo29まずはコピー用紙をキャリパーに当ててクレヨンを擦り凹み文字部を転写します。所謂「石刷り」ですね。

brembo26 ただそのままではどうにもならないので、一旦スキャナーでパソコンに読み込み、Illustratorなどのベクトルデータを作れるソフトで修整して新たにデータを作成します。

brembo28 旧塗膜は全て剝がし、アルマイト素地にもサンドブラストを掛けて下地からやり直します。一番最初の洗浄~旧塗膜剥離作業はブレーキ専門でやっている方に御願いしています。

brembo32 データからマスキングシートを作製し、実物に合わせてさらに微調整を行います。

brembo38 下準備が終わったらいよいよ本塗り開始です。

brembo39 まずはプライマーです。これを塗らないと折角の塗装も剥がれてしまいますし、金属は腐食してしまいます。

brembo40 御指定頂いた色はSUZUKIのDAYTONA YELLOW」(デイトナイエロー。カラーコード: YMF)で、ただ非常に隠ぺい力が弱い色なので最初に下色を塗ります。

brembo43 その後ベースコートのデイトナイエローを塗り終わったら、作っておいたマスキングシートを使って凹んだ部分を黒く塗装します。

brembo44 クリアーを塗って本塗り完了です。

brembo45 塗膜の構成は「ベースコートイエロー→ベースコートブラック→クリアー」と基本通りに行っているので経年で塗膜がパリパリと剥がれるような事はありません。

brembo46 そして完成です。

brembo47万遍なく艶のある仕上がりに出来ました。

brembo48 バイクの場合は裏側も見えるので・・・と言う訳では無く、いつもこんな感じで裏側も表同様綺麗に仕上げています。

brembo49最初の塗装とは根本的にやり方が違うのでもうロゴ部分の塗装が剥がれるといった心配はありません(ただブレーキフルードが付いたらよく水で洗い流しておきましょう)。

hayabusa3後日オーナー様から頂いた画像です。なるほど、今回のキャリパーカラーはボディーのカラーリングとお揃いにする為だったのですね。凄くお洒落で目立つと思います。

ちなみに色は幸いにしてSTANDOXの配合データがありましたからそのままで同じ色が作れました。二輪車の場合はで配合データが存在していない場合が多々あるので、お問い合わせの際には色名と色番号(これが重要です)を用意しておいて頂ければ事前に調べます。どうぞご利用下さいませ。

次はエッティンガー用のホイールセンターキャップの作製~塗装を紹介したいのですが、あれは相当内容が濃いのでちょっと時間が掛かるかも知れません。マスター型の作製~シリコン型による複製については仕事外の作業として社外記で紹介していましたが、そちらも纏めて紹介したいと思います。

ハイラックスサーフ ハイマウントランプ スモーク塗装承ってます

surf先日紹介しましたハイラックスサーフのテールランプ類の追加でハイマウントストップランプもご依頼承りました。ご贔屓頂き有り難うございます!

その他内容も少し変更となりますので改めて紹介させて頂きますね。

pajero7こちらは既にお預かりしている部品で、スモークの濃度については当サイトで紹介しているBMW Z5のテールランプと同じような濃さで承っておりましたが、一部内容を変更してバックフォグランプのみを「標準濃度」でご指定頂きました。その他はそのままです。

ただテールランプについては、上部のクリアーレンズ部分が下側に比べるとかなり明る過ぎるように見えるので、実際にやってみてこの辺を調整しようと思います。クリアーは全てクリスタルクリアーで承っております。

それでは作業着手までもう少々お待ち下さいませ!

YAMAHA TMAX530 レンズ関係 スモーク塗装承ってます

tmax16先日到着しておりましたヤマハTMAXのウィンカーレンズとテールランプの計5点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容はスモーク塗装で、濃度に関しては以前当店で施工したスカイウェブのテールランプと同様で承っております。参考までにその時の画像を紹介致しますね。

skywave5 この時の濃度のご指定は「極薄めと薄めの中間」で、もしもの話ですが、作業時多少濃度が前後するような場合は濃い方向で」といったニュアンスで承っています。今回もそれと同じように対応致します。

ちなみに今回のオーナー様は以前別件でお問い合わせを頂いていて、その時はご依頼には至らなかったのですが、それから一年後の今回、新たな内容でご依頼頂けました。その時は仕事に繋がらなかったとしても、やっておいた事が無駄に成らなかったというのはやはり嬉しいですよね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 本塗り

viola30 大変お待たせしました!ヴィオラ・ダ・ガンバ用のカーボンケース、無事本塗り完了しております。

残っていた裏側のマスキングを終え、ケースス本体が台に直接触れないようにする為に間に段ボール箱を置いてセッティングしています。

viola31 そしてベースコートの塗布が完了です。いつもの小物に比べると比較的面積が大きいのですが、実は作っている色(塗料)自体はそんなに多くは無く、(今回は200ccです)、ただそれでは全然足りないので、こういった場合は在庫している塗料(要は余って残っていた塗料)を使ってこれと似た色を作り、それを下色として塗って完全に隠蔽してから本来の色で仕上げています。

塗装の仕事ではまさか「色が足りない!」なんて事はあり得ませんので大抵は色を余らせてしまうのですが、そういった塗料は結構色々な種類があるので、例えば今回はシルバーともう少し濃いブルーメタリックを混ぜてこれに似た下色を作っています。これはコストを抑える為でもありますが、とにかく無駄にゴミを出すのが嫌なので、こうやってリサイクルしてやらせて頂いております。仕上がりには関係ありませんのでご安心下さいませ。

viola32 そして十分にベースコートを乾燥させたらクリアーを塗って本塗り完了です。最近一気に気温が高くなったので硬化剤・シンナー共に揮発温度の高いタイプに変更しています。

viola33 硬化剤は4種類、シンナーも4種類あって、気温や作業内容によってこれらの組み合わせを変えて使います。

viola34色はPORSCHEの純正色「HORIZONT BLAU」(カラーコード:37X)で、使われているメタリックの粒子感は比較的細かく上品な質感に見えると思います。

viola35全体的に素地調整を行なったお陰で被塗面はかなり美しくなっていると思います。ただ最初の状態からして、恐らく熱を掛けるとカーボン繊維の模様がまた大きく出て来てしまうと思いますので、今回は熱の温度を控えめにし(50℃程度)、その分時間を掛けてじっくり硬化させようと思います。お待たせして申し訳御座いませんが、組み付けまで二週間くらい寝かしてあげたいので、何とぞもう暫くお待ち頂けますようお願い申し上げます。折角綺麗に出来たのに、熱を掛けてプクっとブリスターとか出たらショックが大き過ぎますので・・・(FRP製品は時々そういった事が起こるのです)。

組み付け作業に入りましたらまた紹介しますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ!

BMW MPowerヘッドカバー結晶塗装 完成

bmw393こちらはかなり前にお預かりしていたBMW MPowerのヘッドカバーで、「二個目もあるのでどうせなら一緒に」という事でお待ちしていたのですが、そちらはまた後日と言う事で先に作業着手する事になりました。なのでうっかり紹介するタイミングを逃してしまい本日他のヘッドカバーと一緒に完成しております。一応最初から撮影していますので紹介致しますね。

上の画像は届いた時の状態で、このヘッドカバーはいつもこんな感じでペリペリと剥がれてしまうので今までも結構塗っています。

bmw394旧塗膜は溶剤浸け置きで剥がし、その後燐酸処理を行なって良く洗浄しマスキングしています。

bmw395いつものようにプライマーを塗り、

bmw396結晶塗装の黒を塗ったら140℃~170℃程の熱を40分程掛けて硬化させます。チヂレ目はその過程で勝手に発生しますが、塗膜がしっかりと付いていなかったり、均一に塗れていない場合は綺麗な結晶目が並びません。

bmw397最後の仕上げとして、凸部を面研して光らせ、一応保護の為にクリアーを筆で塗っておきます。

実はこの作業が塗る以上に大変で(ただその代わり本塗りの時のようなプレッシャーはありませんが)、例えばこれだけをご依頼頂いてもお受け付けは出来ません。塗装の付帯作業としてのみ行なっている事ですので何とぞご理解下さいませ(と言うくらい大変でやりたくは無い作業と言う事です・・・)。

bmw389 そしてクリアーが硬化したら完成です。

bmw391 比較的平べったい形をしたヘッドカバーですが、MPowerのロゴやフィンなどの装飾があるので格好良いんですよね。

bmw390 日本車に例えるとソアラの5Mエンジンのヘッドカバーに似ている感じがします。と言っても全体の形は全然違ってフィンとロゴの雰囲気だけですけどね。

bmw392二個目のヘッドカバーはどこかを溶接加工するだとか仰っていまして、それが終わり次第改めてご依頼頂けると思います。まずは先にこちらのヘッドカバーをお納めしますので、仕上がりを見て頂きモティベーションを上げて頂ければと思います(最初の状態からこれになると相当上がりますよね。笑)。

明日発送予定です。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!