BMW パニアケース蓋 本塗り

bmw416 先日全体を艶消し黒に塗り終わっていたイタリア製のBMWパニアケースの蓋です。塗膜が完全硬化したのでいよいよプレスラインより上部分の本塗りに入ります。

bmw417こういった「艶あり」と「艶消し」の塗装を組み合わせる場合、 塗装屋的には本当は艶ありの白から塗りたいのですが(色々楽です)、塗装の品質的に言うとこの順番で間違いは無いのでご安心下さいませ。ただ本当に面倒で・・・(苦)。

bmw418 今回ご指定頂いている白はBMW純正色のALPIN WHITEⅢで、比較的濃い白ですから隠蔽性も悪くは無いのですが、それにしても黒の上にこれを塗るとなると結構なコート数が必要で、そのせいでブツ切りマスキングのラインはかなり汚く仕上がってしまいます。塗装を経験した事のある方ならよく判りますよね。

なのでこういった場合、白が完全隠蔽した時点で一旦マスキングを剥がし、エッジをペーパーで軽く研いでガタガタを落としたら再度マスキングをしなおし、エッジ部のみをもう一度白で塗り直します。この場合はもう膜厚を付けたく無いので使うスプレーガンは口径の小さいエアーブラシを使います。ただしミストで肌を荒らすと今度は艶引けの原因となるので希釈するシンナーを揮発性の遅いものに変えたりとドライコートになり難いようにします。まあよく判らないですよね(笑)。要はやり方は一つでは無く色々とあるのです。

bmw419 そしてベースコート(白)の見切りラインが綺麗に出来たらさらにマスキングを少しずらし、いよいよクリアーの塗装です。

bmw420ベースコートのイメージとしては結構薄く感じますが実はそれなりに厚みがあるので、今回のような被塗物のど真ん中でブツ切りにする場合は若干マスキングラインをズラして滑らかな継ぎ目になるようにします。プレスラインのエッジがもっと尖っていれば目立たないのですが今回はそこがはっきりしていないんですよね。それの対応策です。

bmw421 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。クリアーはいつも通り2コートで塗っています。

bmw422 フチのマスキングはクリアーを塗った直後に剥がすと流動して滑らかになってくれます。貼ったまま固まってしまうとカミソリみたいになってしまいますからね。

bmw423ここはパニアケースの側面でプレスラインが何も無いところですが、近くで見ると結構な段差が出来ているのが判ると思います。ただ尖ってはいないですよね。もう、かなり手間を掛けていますので・・・(苦笑)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!