TOYOTA 86樹脂製インマニ結晶塗装 下準備

toyota8669トヨタ86の樹脂製インテークマニホールドです。結晶塗装の前に足付け処理を行いますが、いつものようにアルミでは無いのでリン酸は効かず、かといってこれをペーパーで研磨するのは中々難儀な作業なので、こういった場合はサンドブラスト処理が有効です。と言っても樹脂素材に対して普通の塗装でこれをやると大変な事になるので(超毛羽立ち状態になります)結晶塗装の場合に限ります。また他にも理由はあるんですけどね。

brz119 サンドブラストが塗らない部分に当たるとそこも大変な事になるので事前にマスキングが必要です。念のためですが本塗りの為のマスキングでは無く足付け処理(サンドブラスト)の為の作業で、本塗りの前にはもう一度全部やり直します。

穴の部分は丸いマスキングシートで覆いますが、予めカットしておいた物もあるので一応その中から探してみます。が、やはりピッタリの物は無いので結局各部ノギスで測ってデータ入力~マスキングシートをカットして作っています。

brz120 インマニの素材はPA(ポリアミド)で、これはポリエチレンやポリプロピレンと同じくヌルヌルした樹脂で、塗装との相性(密着性)も比較的悪い部類に入るので、特にストレスの多いエンジンルーム内のパーツでは素地を激しく荒らすサンドブラストが有効です。ペーパーだけでも足付け処理はできない事は無いですが、どうしても隅の方が甘くなってしまう恐れがあるので、という事ですね。ちなみに足付け処理が不要とまで言われている(ような)塗装との相性が良いABS樹脂であればペーパーでも大丈夫ですかね。

brz121 こんな感じでブラスト作業完了です。ゴッホゴッホ(いやブラストボックスはちゃんと蓋が閉まりますし防塵マスクもしてますので大丈夫です。笑)。

この後綺麗に水洗い~エアーブローをしてしっかり清掃し、脱脂処理をしたら本塗りとなります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

bmw441こちらと並行して作業しているBMWのヘッドカバーは、赤い方(ツインカム?)はそのままでも大丈夫なのですが、シングルカムの方は凸部のシャープ感が足りないのでそちらを調整しておきます。

bmw440こんな感じで「凸」と言うよりはカマボコっぽい形なので塗装前にある程度上面を平らに削っておきます。と言っても見ての通り凸部の厚みもかなり少ないので本当に若干って感じですかね。

ではこちらももう少々お待ち下さいませ!

MV Agusta ロアカウルパネル 本塗り

mv65先日下塗りをしておいたMV Agusta(イタリアのバイク)のアンダーカウルです。元々ザラザラとした樹脂素地に1コートダイレクトソリッド(クリアーに色が着いたような塗料です)を塗りましたが、硬化するとこんな感じで中途半端に艶が引いたような状態になります。実物は画像で見るよりもさらに気持ちが悪い仕上がりで、艶があるように見えますが後に紹介する画像を比べるとその差は判ると思います。

ちなみに通常は「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で行いますが、装着する部分はバイクの車体の最下層で殆ど見えない部品なので、下地処理のコストを省く為に今回の方法をとっています。デメリットとしてはサフェーサーのように切削性が良い訳では無いので、この状態から足付け処理のみ行って本塗りとなりますから、やはりサフェーサーの場合に比べると仕上がりのシャープ感は劣ります。

mv7「研磨」と言う工程では無く足付け処理のみとなるので時間は2時間くらい短縮出来ます。これにサフェーサーを塗って研ぐとしたら全部手研ぎとなるので凄く大変なんですよね。尚、平面ならダブルアクションサンダーが使えるので迷わずサフェーサーを選択します。

mv8色は3コートパールで、かなり白いグラウンドカラーの上にホワイトパールとブルーパールを塗っています。

備忘録の為にちょっと記載しておきますが気にしないで下さい。グラウンドカラーはmix570をベースに855バイオレットと859ブルーで黄色味を殺し564をかなり入れて黒味を強くする。パールコートは825と845のブルーパールを基本として826のホワイトパールを入れて粒子間を出し、さらに008を入れてギラツキ感を出しつつスカシを黒くする。826ホワイトパールはスカシの黄味が出るので控えめに。

mv9バイクの白系の色は特に白い(黄色味・赤味が無く青みがある)傾向が強く、四輪車には無い色味が多いです。ホワイトパールとなると多少なり黄色味が出るのですが今回の色味もいそれが無いのでちょっと苦労しました。

mv10ちなみによく見える部分としては実は裏側にして塗った方で、車体に着くと画面左側の尖った箇所のみが見える部分になるらしいです。台に固定している辺りは内側になるのでここも装着すると見えないのです。それにしては結構大げさな作業になってしまうので、その中で省ける部分は・・・という事で今回はサフェーサーを下塗り方式に置き換えました。ただちょっと判り難いですかね(すいません説明が下手で・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますのでもう少々お待ち下さいませ!