Japanese old public phone

img7 5年くらい前にR30スカイランのFJエンジンカバーとインマニの結晶塗装と、そしてこちらの公衆電話の塗装を御依頼頂きました。

img351分解してみて判ったのですが、造りは相当凝っていて、多分相当高額な製品なのだと思います。img352赤いパーツはダイヤル部分とカールコード以外は全て塗り替えます。

img425 恐らくこういった公衆電話は定期的に回収~補修がされていたようで、確か5回くらい再塗装されていた跡がありました。今で言う自動販売機みたいな感じですかね(以前そう言う塗装の依頼もありましたがさすがにお断りさせて頂きました)。

img427 外側のケースはスチールの一枚物で、なんと継ぎ目がありません。さすが公企業と言うか、お金の掛け方の違いが良く分かります。

img471 ただ素地は綺麗に見えてかなりボコボコでしたから、この時はサフェーサーだけでは無く全面にスプレーパテを塗って平らになるよう成型しています。

img472 (1)劣化が激しい部品は似たような物を見つけて交換したりもしました。

img474 プレートはそのまま再利用で、固定はリベットでは無く真鍮のカシメで固定しました。

img555 塗り終わった物に組み付けていきます。先ほどのプレートとカシメはこんな感じになります。

img558完成後は普通に使うので(!?)、元の通りに組み付けます。

img586 そして完成です!下地作業が大変だったのでちょっとしたレストアって感じでした。

img587 古い物は古いままでって言うのも当然良いのですが、今回のように当時の物をピカピカにして身近なところで使いたいって言うのも面白いですよね。こういうのは今後数十年残るでしょうから、仕事としては塗装屋冥利に尽きると思います(ただ商売としては・・・ですけどね。慣れないと大変です)。

img613 ちなみにこの時、電話機本体とは別にこちらの「専用台」の塗装も御依頼頂いていました。しかも資料を元に、当時と同じような仕様にして欲しいとの事です。一体どこに向っているのかと(笑)。

img182電話台もそうですが、一緒に御依頼頂いたFJエンジンのヘッドカバーも相当きています。

img5素材はスチール製で、やはりと言うか錆々です。

img6 さすがにこのサイズとなると私の手には余るので、一旦サンドブラスト屋さんにて全体を直圧サンドブラストで錆と旧塗膜を一掃して貰いました。確か浸透型エポキシプライマーを使っての重防錆仕様にしていたと思います。

img637 スライドして入れられる広告パネルも当時と同じ様に再現します。 材料のアクリル板はオーナー様に用意して頂きました。

img640最後はクリアーで全体をコートしています。

img652 台の底にはコンクリートの塊が入っていて倒れないようになっていて、途中の棚板にはタウンページなどが置けるようになっている模様です。

img748その後オーナー様より設置後の画像を送って頂きました。画像の場所はご自宅のガレージ(?)なのだそうで、なるほどこういう事ですか!、と全てが納得出来る一枚でした。まさに男の夢って感じですよね。いやはや羨ましい限りです。

牽引フック 下準備

hook0先日浸透型エポキシプライマーとサフェーサーを塗布しておいたスチール製の牽引フックです。さらに追加の御依頼も承っているのですが、とりあえず作業を着手しているこちらを先に進行させて頂きますね。

ちなみに黒く煤っぽくなっているのはガイドコートで、これによりサフェの研ぎ忘れやラインの確認などを行います。

hookサフェは#600→#800で水研ぎし、打刻された文字部分はペーパーが当たらないのでここはウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで足付け処理をしています。

どの道新たな御依頼品とは色が違いますので先にこちらを本塗りする予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!