HONDA H22Aヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

honda_1 元々結晶塗装の黒が施されていたホンダのVTEC新品エンジンカバーですが、溶剤槽に浸け置きしておくとこんな感じで綺麗に塗膜が剥がれてくれます。ホンダの結晶塗装は比較的簡単に剥がれ易いので塗装屋としては助かります(ユーザーとしては困ると思いますが・・・)。

honda14 その後リン酸処理を行い、各部をマスキングします。サンドブラストを使わないで剥離が出来た場合はボルト穴やプラグホール周りの切削された綺麗なアルミ地がそのまま活かせるので、それらを残すようマスキングしています。

しかし何故か、凸文字のところだけがリン酸でやられて黒ずんでしまうと言う不思議な現象が・・・(表面処理と言うか切削する方法が違うのでしょうか)。

honda15 そしてプライマーを塗布します。ちなみに旧塗膜を剥離してから足付け処理はしていませんが、その代わりとしてリン酸処理を行っているので新品時の塗膜の様にペリペリと剥がれたりはしません(と言うかあれはプライマー塗ってないせいだと思いますが)。

ペーパーを掛ける足付け作業が物理的な方法だとすると、リン酸の場合は化学的に行う素地調整と言う訳ですね(所謂化成処理で、自動車ボディの製造時に行うのと同じです)。

honda17 そして結晶塗装の青を塗布し、熱を加えるとこんな感じに結晶目が出来上がります。マスキングで残したアルミ素地も格好良いですよね(着くと全く見えませんが・・・)。

honda16こちらは最後に凸文字を研磨して光らせ、最後にクリアーを筆で塗ったら完成予定となります。

ちなみにこのエンジンですが、車に詳しくない私からしたら単なるホンダのエンジンだと思ったのですが(すいません・・・)、フェイスブックページで表示されるリーチ数が異様に高く不思議に思ったのでちょっと調べてみたら、どうやらF3やスーパーツーリングカー用のベースエンジンとして採用されているようなエンジンで、「細部にまでホンダの技術が凝縮された」なんて事もウィキペディアで紹介されていました。全くの無知ですいません・・・。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

HONDA CB1300ヘッドカバー 結晶塗装 本塗り

cb1300mic 先日サイドキャップをゴールドキャンディーに塗装していたホンダCB1300のヘッドカバーで、元々塗られていたクリアーは溶剤浸け置きである程度取れてくれたのですが、どうも微妙に残っているっぽい(見え難い)ので、結局最後にサンドブラスト処理をする事にしました。もしも見落として残っていたら気持ちが悪いですからね。

cb13001 と言うような感じでブラスト作業完了です。腐食は出ていなかったので出来ればボルト穴やプラグホール内部などはそのまま綺麗なアルミ地を残してあげたかったのですが(後に紹介するホンダアコードのヘッドカバーがそんな感じなので是非そちらをご確認ください)、これはこれで対処方法があるので問題はありません。

cb13002 ちなみにカバーは素材がスチールで、こちらはシルバーに塗ってあったので先にブラスト処理を行って旧塗膜を剥がし、プライマーまで塗っておきました。画像はブラスト処理が終わった直後の状態です。

cb13003 ヘッドカバーはその後リン酸処理を行い、綺麗に清掃したら既にプライマーまで塗ってあるカバーを仮止めしておきます。一緒に塗れば

cb13006いつものように全体にプライマーを塗ったら、続けてホースが挿さるパイプ部分やボルト穴などを黒で塗ります(その画像がありませんでしてすいません・・・)。

cb13004 その後鮮やかで深みのある結晶塗装の赤を塗装し、十分に熱を加えたらマスキングを剥がして本塗り完了です。

ちなみに結晶塗装は焼付け型塗料の部類に入るので、硬化剤を入れる代わりに140℃~170℃程度の熱を掛けて硬化させます。ただしこれは「耐熱塗装」と言う訳では無く、単なる「焼付け塗装」と呼ばれる物で、特段熱に強い塗装と言う訳ではありません。その辺がどうも勘違いされているようで、そもそもこれが万能な耐熱塗装であれば、新車時から塗ってあるヘッドカバーの塗膜はあんな風に(いつもの様に)ペリペリと剥がれたりはしませんので。あれの問題は塗膜では無く下地です。

cb13005これと一緒にご依頼頂いたキャップはエンジンの一部に付く物で、そちらは通常の2液ウレタン塗料で塗っていますが、やはり耐熱と言う訳ではありませんが普通に使っていて剥がれたりはしません。2液ウレタンの耐熱性は一般的に80℃くらいと言われていますが、150℃でも多分問題は無く、何か起こるとしたらそれはやはり下地の問題で、特にポリパテは耐熱性が低く80℃くらいで剥がれたりしますから(塗装屋さんならだれしも経験済みですよね)、その点で「耐熱性が低い」と誤解されているのだと思います。ヘッドカバーを普通の2液ウレタンで何度も塗っていますが、それが問題で剥がれたと言う報告は聞いた事が無いですからね。

なので当初ご心配されていたサイドキャップの方も全く問題は無く、安心してお使い頂ければと思います。いずれ何かが起こるとしたらメッキの下で錆が起こる事ですが、あのメッキであれば多分問題は無いと思います(通常錆に強いメッキでも結局下地が悪ければ酷い事になります)。

それでは完成次第改めて紹介させていただきますね。もう少々お待ちくださいませ!