ベンツW124 青系色下準備

benz336W124のエンジンルーム内のパーツは「キャンディーオレンジ」と「キャンディーブルー」の2色構成で承っておりまして、オレンジについては先日決まっておりますので、続いてブルー系の色の確認を行いました。これが予想以上に時間が掛かってしまいまして・・・(もういつもの事なんですが)。

benz337 今回用意したのがこちらの色板で、透明なアクリル板に今回使うキャンディーブルーを塗りました。この画像だと判り難いのですが、一応濃淡3段階に分けています(最初の画像だと判ると思います)。

 benz320当初はシルバーの上に直接このキャンディーブルーを塗っていたのですが(それがこのダースベイダーです)、キャンディーブルーは早い段階での褪色が懸念されますので、今回はその単なるシルバーメタリックでは無く、下色として「ブルーメタリックを塗っておこう」、と言う作戦です。

これならキャンディーブルーの量(膜厚)が少なくて済むので、褪色しても比較的遅いスピードで済むだろうと言う算段で、と言うかそもそも自動車メーカーが純正で採用しているのがこの方法なのです。最近流行のマツダの41V(プレミアムソウルレッド)がまさにこれですね。

benz338と言う事で下色に使うブルーメタリックを色々と探していたのですが(それが一枚目の画像の惨状です)、丁度日産系にそのようなブルー系のキャンディーカラーがあるのを見つけました。

下段の青が最初に塗る「下色」で、その上に透明な青(キャンディーブルー)を塗ったのが上段にある色です。ただしこのキャンディーブルーは普通の青で(と言っても普通では有り得ないMIX853なる特殊な原色が使われてはいるのですが)、今回使うハウスオブカラーの青はもっと発色が良いので、さらに深みのある色が期待出来るでしょう、と言う事です。

benz392ちなみに参考までに、画面右側にあるのがスバルのWRブルーマイカです。これも青系の色の中ではかなり鮮やかな色となりますが、奥にあるキャンディーカラーの青はさらに深みがあるのが判ると思います。比べてみると全然違うのが判りますよね。

benz391 と言う訳で、今回使う予定のキャンディーブルーを塗った色板を下色の上に被せて確認してみます。

benz339判り難いので余分な箇所は他の紙で隠しましたが、右側にあるのが元々ある色見本で、左側の青が下色に色板を乗せた色です。

発色はかなり綺麗で、キャンディーカラー特有の深みも感じられるので色的にはこれで問題無いと思います。またキャンディーカラーの使用量も少なくて済むので、経年による褪色も軽減出来ると言う算段です(褪色しないと言う訳ではありません)。

ちなみにこれと並行して、現在はお受付していないブラックメッキ系の塗装も色々試しているところです。近々検証結果も報告出来ると思いますのでどうぞ今しばらくお待ち下さいませ!

BMW R1200RT TOP BOX

bmw236少し前に新車で購入された2015年モデル?のBMW R1200RTに装着されるトップケースの蓋をご依頼頂きました。BMWのパニアケースとトップケースの塗装はお問い合わせが結構多い案件なので紹介させて頂きますね。

ちなみに塗るのは蓋の部分だけで、その為には「分解」と土台部分のお預かり(保管)が必要となりますから、これに関しては塗装費とは別に費用が掛かってしまいますので金額を抑えたい方はこのように分解して蓋だけを送って頂ければと思います。

bmw238ただ二輪車関連でネックとなってくるのが「色」で、四輪車の場合は必ず「配合データ」と言う物が存在しますから、車体に記載された色番号(カラーコード)さえお知らせ頂ければそこからデータを調べて色を作る事が出来ます。車体との色ブレは当然ありますが、今回のようなパニアケースであれば多少色が違っても気になる程では無いと思います(勿論個人差がありますので必要であれば有料で別途調色作業は承ります)。

bmw249 尚、今回は色番号から配合データは確認出来たのですが、メーカー(BMW)の方針として「補修は勧められない」と言う事らしく、供給されているのは水性塗料のデータだけでした。

当店が使っているのは溶剤のタイプなのでこれでは色が作れませんから、今回は上記のパニアケースをお預かりし、それを元に色を作りました。この場合は塗装費とは別に「調色費」が必要となります。

bmw250今回の塗色はBMW MOTOカラーの「エボニーブラック」(カラーコード:NC9)なる色で、一応水性塗料(STANDOHYD PLUS)のデータがあるのでそれを頼りに色を作ってみましたが、全く違う色になってしまいます。

そもそも元のデータに入っているパールはアメジストとイエローだけなのですが、実際はそれだけでは絶対に色は出ず、別途レッド系とオレンジ系のパールも使う事が判明しました。

配合データの無い状態から色を作るのは本当に大変で、場合によっては塗装費よりも調色費の方が高い(当然その方が時間が掛かるので)と言う事になりかねませんので、そういった場合は豊富なカラーデータを持つ正規ディーラーにお願いするのも一つの手だったりします。

bmw251BMWの塗装で個人的に好きな点としては「艶消しなのにちゃんとクリアーが塗ってある」と言う事で、通常自動車の部品などでも新車の時点でクリアー(艶消しまたは半艶)が塗ってあるという事は結構稀です。

ただ艶消しなので目立ちませんがこのクリアーの肌が凄く粗いので、そのまま塗ると非常に肌の悪い仕上がりになってしまいますから、最初に#600→#800でラウンド(肌)をある程度平滑に均しておく必要があります。

BMWトップケース塗装パニアケースもそうですが、BMWのトップケースは開けた時に裏側が少し見えるので、そこにもちゃんと色が入るように塗っておきます。

bmw261塗膜が完全硬化したら全体を磨き、外した付属品を取り付けて完成となります。

bmw262確かスモーク塗装でご依頼頂いたテールランプだけ先に納品し、こちらのトップケースは納車した後にお納めしたような記憶があります。色見本の為にお預かりしたサイドケースも色を見終わったら先に返却したと思います。

bmw273塗装をしたトップケースは車体に装着され、後日オーナー様からご感想もいただきました。以前も紹介させて頂きましたが有り難い事なので再び紹介させて頂きますね。

「トップケースの塗装していただいた部分を含めボディ全体をガラスコーティングし、今日トップケース内蔵のストップランプも装着してもらいました。これで全てのパーツが取り付きました。

コーティングしてもらったところでも「これ塗装してもらっているんです」って言ったのですがびっくりしていました。ディーラーでの評判も上々でした。

本当に御社にお願いして良かったと思いました。写真も撮ったのでお送りします。」

bmw258トップケースとは別に、それに装着されるハイマウントストップランプとテールランプもスモーク塗装でご依頼頂きました。こちらでも紹介していますので宜しければどうぞ。

二輪車の場合はとにかく「配合データの有無」が費用のネックとなって来ますので、お問い合わせの際には色名だけでは無く必ず「カラーコード」をお調べ頂く事をお勧め致します。