ER34 RB25 プラグカバー 本塗り

rb2544先日「クリスタルホワイトパール」(カラーコード:QAA)で下塗りを終えていたER34 RB25エンジンのプラグカバーです。素材はプラスチックで、元々は表面が細かいザラザラの仕上げでしたが、一度下塗りを行う事で艶のある仕上がりになっています。ただしこれからが本番なのですが・・・。

rb254今回のオーナー様の御希望としては、こちらの痛車(!)に配されたキャラクター(の制服)をイメージされた配色となっていまして、ブルーに関しては先日本塗りを終えているタペットカバーのベイサイドブルーで、そして今回はブラウスと赤いリボン?となっております。

rb259こちらが完成のイメージ(イラスト)で、「何だ、赤いラインを入れるだけじゃないか」と思いそうですがこれが中々面倒なのでして・・・。

rb2548 いきなりマスキングをしても多分上手く行かないのと、下処理(足付け処理)をした被塗面には極力触れたくは無いので(空気中にですら晒したくは無いのです)、とりあえずその前にイメージトレーニングをしておきます。今回のネックは3次元上にあるコーナーの曲線で、如何にきっちり10ミリ幅で美しいラインを描けるか、と言う事に重きを置いています。

rb2549 途中にある円柱の柱は、根元のアール部分の外側で見切ろうと思います。ちなみに黄色いラインテープは幅が2ミリです。

rb2550 しかしその奥にある円柱は、プレスラインの上に鎮座するという・・・。

色々考えた結果、ここは既存のプレスライン(山)より少し下げて円柱を避ける事にしました。ただ実際のところ車体に装着されるとこの辺は全然見えない気がしないでも無いのですが、作業する立場からするとそうも行かないんですよね。

rb2551 と言う訳で粗方マスキングのイメージトレーニングが済んだので全部剥がして足付け処理を行います。全体を#800~#1200程度のペーパーで傷を付け、穴の中については今度は火炎処理が出来ないので(塗装が焼けてしまいます)、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(リキッドタイプの研磨粒子)を使って足付け処理を行います。

rb2552 その後よく脱脂清掃し、ベースクリアーを塗布します。ちなみにこの画像はそれをうっかり忘れて二階に持って来てしまいまして、この後再び一階に戻って透明なベースコートを塗っています。

rb2553 ベースクリアーがテープフリーな状態になったらいよいよマスキング開始です。ちなみにこの辺は1日では無く二日間に渡って作業しています。

最初に10ミリ幅のテープで赤く塗る部分に貼ったら今度はその外周にそってマスキングを行います。

rb2554 周りのマスキングが完了したらガイド用としていた10ミリ幅のマスキングを全て剥がし、これで本塗りの準備が完了です。

rb2555 そして再び一階に戻り、いよいよ本塗り開始です。尚、この時点ではもう脱脂処理はしません(と言うかそれが出来ないので被塗面を露出した状態にしておきたくないのです)。

ちなみに赤の塗色については当初予定していた日産純正色の「ラディアンレッド」(カラーコード:NAH)では無く、よりイメージに近い鮮やかな赤にと言うことでマツダ純正色の「プレミアムソウルレッドメタリック」カラーコード:41V)風に変更となりました。上の画像は最初に塗るベースカラーの赤メタリックパールです。

rb2556 そしてこちらがその上に塗るキャンディーレッドで、ただしこちらはソウルレッドの配合では無く、当店でいつもテールランプに塗っているキャンディーレッドそのものです。また今回は極力膜厚を付けたく無いのでさらに濃度を倍にしました(色々と弊害があるので普通はしません)。

rb2557 キャンディーレッドを塗り、マスキングを全て剥がし、細部を少し筆で修正しました。

rb2558 膜厚が付かないように注意して塗りましたので、比較的塗膜が厚くなりがちな3コート塗装ですがマスキング際は比較的綺麗に仕上げられたと思います。

rb2559 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました・・・!。

rb25603コートホワイトパールベースにキャンディーレッドと言うことでかなりリッチな仕上がりになっていると思います。とにかく赤いラインが綺麗に発色していて、恐らくはイメージ通りに出来たのでは無いでしょうか。それぞれの部品を組み合わせるのも楽しみですね!

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ルーフアンテナ塗装 完成

antena10 大変お待たせしました!ドルフィンアンテナの塗装、本日完成となります。

antena13裏側に貼ってあった両面テープは本塗りの前に剥がしてしまいましたので、元々貼ってあった台紙から型を取って同じように貼り直しておきました。

最初の状態も紹介しますね。

antena3元々全体に歪みがあって、これを塗装して艶が出るとさらに粗が目立ってしまうので、今回は全体的に研磨して修正する下地作業も承りました。切削性の悪いPPやPAではサフェーサーの塗装が必須ですが(削っただけでラインを出すと言う事は出来ません)、今回の樹脂はABSだったので多少なり作業工程(と費用)は抑えられたと思います。

antena11 結局研ぎは全体に及びましたが、お陰で良く見ても綺麗なラインを感じられると思います。

antena12ちなみに以前同じように歪みの大きいドルフィンアンテナを作業~修正した事がありますが、その時は「本来メッキ仕上げになる製品を未塗装(未処理)で入手した」と言う経緯があって、もしかしたらこれもその類かも知れません。メッキを行う場合は下地で銅メッキを行い、それを研いで(磨いて)ラインを修正するらしいので多少の歪みは問題無いのかもです。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

自転車チェーンカバー塗装 完成

cover14 大変お待たせしました!自転車用のスチール製チェーンカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

cover 届いた時には塗装は剥がされていたのですが、既に菌糸状に錆が発生していたので全体的にサンドブラスト処理を行いました。

cover3近年の自動車ボディのように亜鉛メッキが施されていればこのような錆は発生しないのですが、無垢のままの鉄だと塗膜の下で菌糸状に錆が広がり侵食を広げていきます。一度出た錆は根深いので、再塗装の際にはサンドブラスト処理だけでは無く耐食性の高いエポキシプライマーを使用した重防錆仕様をお勧め致します(そうでないと再発の可能性が高いのです)。

cover15 と言う訳で下地からやり直し、新たにオーナー様の御希望色になって生まれ変わりました。

cover16元々古い自転車に使われていた部品だと思いますので、きっと今後も廃車になる事は無く長く使われる事と思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

W124ヘッドライトロアパネル&トランクバッジ塗装 完成

benz24 大変お待たせしました!W124のヘッドライトロアパネルとトランクスターバッジの塗装、本日完成となります。メインのテールランプとフロントウィンカーレンズはこれからの作業となるのですが、もしかしたら車体にこれが着いていない状態かも知れませんので先に完成のご案内をさせて頂きますね。最初の状態も紹介いたします。

benz8元々は全体に激しい飛び石傷があり、さらにその傷の根の方には腐食も出ていたので、既存の塗膜を全部剥がして後にサンドブラスト処理を行い、再発防止の為に浸透型エポキシプライマーを使っての重防錆仕様としました。

benz25 外しておいたゴムは掃除をして元に戻しておきました。

benz26 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーとなっています。高美観、耐擦り傷性、耐UV性、耐薬品性などに優れたクリアーですね。実際はさらに上にプラチナムクリアーと言うのもあるのですが(現行では無いかも知れませんが一応持ってます)、作業性が良く無いので通常は使いません。

benz27 そしてこちらはメッキだったリヤのスリーポインテッドスターです。メッキにそのまま色を塗っても剥がれてしまいますのでそれ用の下地処理をしてから艶消し黒に塗装しています(密着剤の類は使っていません)。

benz28艶消し仕上げでも塗装の内容は艶有り仕上げの場合と同じく、ベースコートの黒を塗り、その上に艶消し専用のクリアーを塗っています。見た目的にはラッカー缶スプレーの艶消し黒と同じですが(それより若干艶があります)、耐擦り傷性が高いので洗車している内に角が透けてしまったりはしませんのでご安心下さいませ。

そろそろレンズ類の本塗りも行う予定ですので、引き続きテールランプとフロントウィンカーレンズももう少々お待ち下さいませ!

BMWカーボンパニアケース蓋塗装 完成

bmw85 大変お待たせしました!BMWのR1200RTに装着予定の社外品カーボンパニアケース蓋と、カーボンエンブレムの塗装、本日完成となります。

bmw86 色はレクサス純正色の「エクシードブルーメタリック」(カラーコード:8U1)で、以前純正のパニアケースもこの色で修理塗装を承っています。BMWのパニアケースは蓋だけ交換出来るので、今回は用途によって使い分ける為の薄いタイプを購入~ボディ同色仕様と言う事ですね。

ただそれにしても今回の製品は最初の状態が酷く、とにかく下地処理に多くの時間と手間を費やしました。最初の状態も紹介しますね。

bmw1歪みと言うよりは全体に凹みがあるような感じで、正直これを直すなら新しい物を買い直した方が費用を抑えられたと思うのですが、今回はオーナー様の強い意向もあってこちらを直す事にしました。

bmw38一応大まかな作業工程としては、

軽量エポキシパテ(JOYBOND Z-1パテ)・・・激しい凹みと歪みに使用

エポキシプライマーサフェーサー(STANDOX EPプライマーサフェーサー)・・・通常は使いませんが少しでも強度が上がればと思いまして

スプレーポリパテ(STANDOX スプレーフィラー)・・・全体の歪み・凹み取り

ウレタンサフェーサー(STANDOX システムフィラー)・・・細かいラインの修正

・ポリパテ(イサム バンパーパテ)・・・取り残した(或いは新たに発生した)歪みの除去

ウレタンサフェーサー(二度打ち)・・・細かいラインの修正

・本塗り(ベースコート+クリスタルクリアー)・・・今回は蓋とは別に、PRO_Fit仕様のカーボンエンブレムの塗装も承りました

となっています。

bmw88 そして今回は、パニアケースに装着されるプリプレグカーボン製のプレートに、(何故か)当店のロゴの塗装もご依頼頂きました。大きいロゴの方は塗装で、小さい文字と®についてはドライプリンターでデカールを作りそれを貼ってクリアーを2度塗っています(クリアーは下塗りにも2回なので計4工程塗装しています)。

bmw89 一応歪みが判り易い様に蛍光灯下でも撮影してみました。

bmw90実際の所、元の素材(と言うか製品)が良くないので、もしかしたら今後も歪みが発生するかも知れないのですが、とりあえず現状を見る限りでは元のボコボコさは感じられないと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!