レンズ類 透過性塗装 下準備

smoke3次回のターンで塗る透過性塗装(スモークを含むキャンディー塗装)の下準備を行っています。

テールランプは砂汚れが酷い物もあるので最初にブラシとウェスで裏側の釜部分を清掃し、そこからマスキング等の実作業になります。また社外品や中古部品は、商品自体を綺麗に見せようとしてシリコン形のワックス(スプレー)がレンズに塗られているケースが多いです。勿論悪い事では無いのですが、そのまま足付け処理をすると塗装が弾き易くなるので(その他にも影響してしまいます)、それらの脱脂作業も先にやっておきます。

benz29 W124のテールランプはレンズ以外に枠の黒い部分を「半艶黒」で塗装を承っていますので、ちょっとマスキングと作業工程がいつもとは変わります。

benz30 今回は先にレンズを塗って枠は後から塗る予定ですが、枠の部分は特にマスキングはせず一緒にクリアーを塗ってしまうと思います。適当そうな感じがしますが、むしろこれが下塗り(下地)となって後に塗る半艶黒が綺麗に仕上がる為ですね。

zx14r1 ZX14Rのレンズについては、左奥のフロントウィンカーについては4輪車と同じく土台とレンズが一体式なので良いのですが、リヤのウィンカーはバイク特有の「レンズ単体」となる構造になっている為少々厄介です。裏側に塗料が入るとマズイのできっちりマスキングをしたいところですが、マスキングテープの色(黄色)がレンズに貼られると塗っているスモークの濃度やムラ・ダマが判らなくなってしまうので、この場合は透明なビニールを使うか、或いは今回のように仮想反射板みたいな感じでアルミフィルムを貼ります。ただしフィルムだけだと不安なので(ピンホールなど)、さらにその上から養生紙で覆います。

ちなみに使用しているフィルムは塗装作業で使う専用の物なので一般的なアルミホイルとは違って柔らかい物ですからレンズ表面が傷ついたりしませんのでご安心下さいませ。

nwogon2 そしてこちらはホンダNワゴンのテールランプです。最下部のバックランプ(?)部分をクリアー抜きにするのですが、本塗り当日に出来るだけ時間を確保したいので予めマスキングシートを作っておく事にしました。

足付け処理がされた被塗面は塗料の密着性が良い分、マスキングテープなどの糊もガッチリついてしまい、そのまま一日置いてしまうと剥がれなくなってしまうのです(糊だけが被塗面に残るという最悪の結果になりますし、そうならないにしても糊ハジキが起こります)。

nwogon3 最初に貼ったラインテープは転写用の物で、その上にコピー用紙を貼ったら鉛筆の芯などで刷ると輪郭をトレース出来ます。古くなって読めなくなった車体番号や墓石の文字などを確認する時に使う方法ですかね(しませんか、普通)。

nbox3 先ほどのコピー用紙をスキャナーでパソコンに取り込み、ベクトルデータを作成出来るソフト(Illustrator)で2次元のデータを作り、さらにそれをコピーして反転させ左右分を作ります。

nwogon4 作成したデータからカッティングプロッターを使ってマスキングシートを作成し、実際にテールランプに貼って確認してみます。

今回は2次曲面なので誤差も殆ど無くこのままで良い感じですが、貼る位置が3次曲面の場合はモニター状で作るデータとの誤差が大きいのでこれらを繰り返して形を合わせていきます。

nwogon5と言う事を数日掛けて行い、いよいよ準備が整ってきたら今度は塗装ブースの掃除を行います。これはもう定番で、今回のようなレンズ類への透過性の塗装は塗り直しが効きませんから、とにかくベストな環境で出来るようにしています。

早ければ今週中に、遅くても来週早々には本塗りを行う予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!