NISSAN S20ヘッドカバー サフェ研ぎ

s2048業者様からのご依頼なので詳細は紹介しませんが、いつもの日産スカイラインGT-R(KPGC10)のS20ヘッドカバーです。ただし結晶塗装では無く艶々仕様でして・・・。

ヘッドカバーのような鋳造製品は溶かした金属を砂型に流し込んで作るの為に仕上がりの素地は粗く、ただそれを下地処理無しで綺麗に仕上げる!と言う事で採用されたのが所謂「結晶塗装」です。歪みや凹みがあってもあの結晶模様があれば格好良く見えてしまうと言う非常に優れた塗装です。

ただ今回のような「艶々仕上げ」のオーダーとなるとそんな粗い素地のまま塗る事は出来なく、薄膜のプライマーとは別に素地の粗さを埋めてくれる「サフェーサー」の塗装が必要です。しかも単に塗るだけでは済みませんから、完全硬化後にその全ての面をペーパーで削らなければならない作業があります。しかもこのイビツな形の物を(苦)

s201と言う訳で、サフェーサーを平滑に研ぎ出して塗るとこのように艶々の仕上がりになります。塗っただけではこういった仕上がりにはならなく、むしろこの美しさは殆ど下地のお陰です。シャープに仕上がっているのはそれだけサフェで形を整えているからです。

s2041最初の画像が「NISSAN」の文字の所で、細かい作業なのは勿論、ペーパーを研ぐ際は角を立ててスジ状の線を残さないよう気をつけなければなりません。しかもそれをこれ全部にです。

と言う訳で、一日これをやっていたら肩が上がらない(と言うか首が痛くて後ろを向けない)状態になってしまったのですが、お陰様で何とかサフェ研ぎまではやり遂げました。本当は休みの日なので色々やりたい事もあったのですが、全体的に仕事が遅れ気味なので何とかこれを進めておきたかったんですよね。お陰で一日ワープした感じです(笑)。

フェラーリリモコンキー(白) 本塗り

ferrari80 先ほど紹介したリモコンキーと形は同じなのですがこちらは別の案件の物でして、以前ビアンコフジ/イタリアのホワイトパールで塗装をご依頼頂いた方から今回はソリッドカラーのホワイト「BIANCO AVUS」(カラーコード:100)で塗装を承りました。

ferrari81 同じ物を一緒に作業するのは混ざってしまう恐れがあるので、各部品には印を二重に付け、さらにそれぞれ別のトレーに入れて作業中も混ざらないようにしています。

ferrari82 前回は傷もあったので旧塗膜は剥離しましたが、今回は穴の周り以外は殆ど無傷なので、先ほどの同型リモコンキーと同じく旧塗膜は剥がさず、代わりに砥石を掛けて表面のウネリを平滑に仕上げておきます。

ちなみに順番としては先にこちらを小さい砥石で研いでいて、大きい砥石を使った方が早いだろうという事でこの後取り替えています。

ferrari83 間違え無い様にそれぞれ仕様を書いておきます。100はカラーコードで、ベタは「ベタ塗り」の事です。

ferrari84 穴の周りに一部プラスチック素地が見えているのでそこのみプラスチックプライマーヲ塗布しておきます。

ferrari85 ベースコートの白を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

ferrari86表面を平滑に研いでおいたので最初のようなウネリは払拭出来たと思います。

少し前に当サイトの画像を見た方から「照明の写り込みが凄く綺麗なのはどうして?」といったご質問を頂いたのですが、その理由はこういう事でして、一見艶々に仕上がって見えても素地が悪ければ違和感が残ってしまい、理由は判らないにしても何か変な雰囲気を感じたりします。板金塗装屋さんはその辺の車をパッと見ただけで事故車かどうか判断が付くのはそういう事で(そうなんですよ)、どれか一つだけを良くしても駄目なんですよね。

それではこちらも完成次第改めて紹介しますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ!