LOOKカーボンフレーム&フォーク 本塗り②

look108 前回の続きで、ベースコートの白を十分乾燥させてテープフリーな状態になったら次は各ロゴの塗装となります。

まずは床に置いても大丈夫なように各部にマスキングテープを貼り、フロントチューブに入れるロゴのマスキングを行ないます。

look29フロントチューブのロゴに関してもこんな感じで事前にプリントアウトした実寸のロゴを使って位置の確認をしています。

look110そしていよいよシートチューブ後方に着くLOOKのフルカラーロゴですね。まずは垂直面出しからです。

look12再現したいのはこのロゴで、純正の場合はクリアー下にデカールが貼ってあるのですが(フォークはクリアー上にシールでした)、今回はこれを塗装で行おうと言う作戦です(大変でした・・・)。

look109 ロゴの横幅は24ミリで、「O」の内側の丸は1ミリちょっとしかありませんから、もうここまで来ると機会でも綺麗に切ってくれません(メーカーの規定値以下なので仕方ないです)。

なので当初は黒い部分はドライプリンターを使った印刷によるデカール作成を考えていたのですが、出来ればデカールの厚みも無くしたかったと言うことで全て塗装で行く事にしました。

小さい丸に関しては沢山カットしてその中から良い物を抽出すると言うワンオブサウザンド方式(笑)で行なう事にしました(いや実際のところとても真面目です)。

look111 ちなみに最初は失敗しました。新車時のデカールもそうでしたが、どうやらセンターを出すのが難しいのです。きっとロゴ自体のデザインが左右対称ではないからでしょうね。

look112 まずは黒から塗ります。

look113 その後順番に升目の色を塗っていき、一旦マスキングを剥がしたら細部を修正していきます。

look114黒いラインは幅が1ミリ以下なのでちょっとしたズレや幅の違いも目立ってしまいます。

look115 と言う事でLOOKのフルカラーロゴ、塗装で完了です。これだけで半日(4時間くらい)を要してしまいましたが(苦笑)。

look116 再び台にセットして、いよいよクリアーの塗装です。

look118クリアーを塗る前に、黒いLOOKのロゴ部分にベースクリアーを塗っておきます。ベースクリアーはその名の通りクリアー(透明)なベースコートで、通常「クリアー」と呼ぶ物は2液性のウレタンクリアーです。

look119 フォークの方は非常にシンプルに白単色となります。既存の塗膜は全て剥がしてからの塗装となっています。

look121 クリアーはダウンチューブのみ3コートで、全体はいつも通り2コートです。

look122 白は隠蔽性が低くどうしても厚膜になってしまうので、「抜き」にした箇所は段差が出来てしまっていますから後でペーパーを掛けて磨くようにします。

look123 とにかく研ぎ難いラグ周りでしたが、一度下塗りを行なって確認しているだけあって美しいラインに出来ていると思います。

look124 この辺も簡単なようですが、研ぎ作業にはかなりの時間を掛けました。

look125 カーボン地スモーク仕様の抜き文字も綺麗なラインに出来ていると思います。

look126 トップチューブのLOOKのロゴのグレーもとても良い感じだと思います。ちなみにこちらはシートチューブ後方に入れたフルカラーロゴに採用しているグレーと同色です。お洒落ですよね。

look127 クリアーはとにかく塗り終わるまでのスピード感が重要なので、塗る順番を予めトレースしてから本番に挑みます。またわざと1コート目と2コート目を違う塗り方にして偏りを無くすような事でバランスを取ったりもします。

look128以前行ったクロモリラグ+カーボンチューブのフレームもそうでしたが、最初の状態に比べて大きな変化が無い場合はその分細部に気を遣います。相当の費用を掛けて頂いておいて、最初の状態よりも品質が落ちたりしたらガッカリですからね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。もう少々お待ち下さいませ!

LOOKカーボンフレーム&フォーク 本塗り①

look40ようやく諸々の準備が整ったので本塗り開始です。ここまで丁度3か月、予想以上に時間が掛かってしまい大変お待たせ致しました!

look39黒くなっている箇所がダウンチューブで、旧塗膜を全部剥離した上で、カーボン素地を活かす為に「クリアー塗装→完全硬化→研磨」といった工程で下地を作製しています。さらにオーナ様のご要望でカーボンの繊維目を目立たなくさせる為、最後の工程ではスモーク塗装も行っています。ここだけで「研磨→クリアー塗布→完全硬化→研磨」の工程を既に3回行なっています。

look21 各ロゴについては事前にイメージイラストを作製して、サイズや位置などもオーナー様にご確認して頂いています。特に今回はLOOKのロゴを真横から見た時の上下の位置に重点を置いています。

look31さらにプリントアウトした物を実際のフレームに貼り、イメージ通りに出来ているか確認しています。上の画像は実際のフレームの撮影画像とイメージイラストを重ねて見ているところです。

look97そしていよいよ本番です。事前に準備しておいた事を元に、各マスキング位置を決めていきます。

look98実作業になると画面上で見るのとは違い、視点によってズレが生じますから、とにかく真っすぐ貼るだけでも大変です。と言うかそれが一番難しいのではと・・・。

look99 今回のフレームはラグ(チューブパイプ同士をつなぐ部分)の段差があるので、左右のロゴ位置はそれも踏まえて決めています。

こちら側だけを見ると「K」の位置はもっと前方に詰めるべきだと思うのですが、それでは左右のロゴ位置が対象にならないので、先に反対側の「L」の位置を決めてからこちらを合わせています。

look100 左右のロゴを真横から見て同じ高さになっていれば、フレームを上から(実際は下から)見た状態でこのようにロゴが左右対称に見えるようになる筈です。

ただ場合によってはチューブ自体が左右対称で無い事もあるので、そういった時は全体を見て辻褄を合わせていきます(実際そういった事もありました)。

look101 左右「LOOK」のマスキングが出来たらいよいよ本塗り開始です。まずはベースコートですね。

色はロールスロイスのARCTICA(カラーコード:9561001)なる色で、原色の白の他に通常はソリッドカラーではあり得ないマイクロチタンホワイト(STANDOX MIX810、DUPONTだとAM3)が同量くらい入っています)(その他黒も結構入っています。

マイクロチタンホワイト(STANDOXだと色名はエフェクトホワイト)の特性としては、表面で黄色味が出て透かしで青が出ると言う少し変わった顔料で、通常はメタリックかパールに少量使われるだけですが、ここまでの量をしかもソリッドカラーに入れられるのはちょっと普通では無いですよね(勿論供給された配合データ通りで、全く前例が無いという事でもないので品質上の問題はありません)。

look102 途中の画像を取り忘れてしまったのですが、ベースコートの塗り方としてはまずロゴのマスキング周りを避けるように塗布し、無用に膜厚を着けたくは無いマスキング際は、エアーブラシを使って文字の内側から外に塗るようにしてマスキングシートの厚みを庇代わりにして塗っています。

look103 ただそれでも何カ所かはラインにガタが出来てしまっている所があるので、この後はそういった箇所を修正していきます。

look104 マスキングシートは本番用の他に修正用として1枚用意してあって、そこから切り取って修正する箇所に貼っていきます。

look105 修正したい箇所にカットしたマスキングシートを貼り、ピンポイントでスプレーしていきます。

画像だとマスキングシートの厚みを利用して「左から右」の方向にスプレーしますから、色が左方向に色が飛ぶ事はありませんのでマスキングはこれのみで大丈夫です。

look106 こんな感じでガタガタだった箇所が修正できます。

look107ベースコートの段階で付いたゴミはペーパーを使っての中研ぎで除去しますが、その際に出た研ぎ粉などはこういった不織布に粘着物質が付いたタッククロスなどを使って行います。

塗膜に完全に埋まり切っていない毛ホコリなどもこれで軽く擦れば取れたりもして、塗装には必要不可欠な副資材です。

次はフロントチューブのLOOKのロゴと、いよいよフルカラーのLOOKロゴ&クリアー塗装となります。もう少々お待ちくださいませ!