BMWフューエルキャップ 下準備

bmw249大変お待たせしました!BMWのフューエルキャップも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

まずはオーナー様のご要望を元にイラストデータを作成します。今回は文字が細く、BMWのロゴも小さいのでデカールで対応します。

alps2 (1)デカールの作成に使うのは社外記で何度か紹介していますアルプス社のドライプリンターです。

bmw317 印刷方法は通常のプリンターと違い各色を別々に擦っていくと言う方法で、データもそれぞれ色毎に分けて作成します。イメージとしては版画の多色刷りみたいな感じですかね。結構頭がこんがらがります。

bmw318と言う訳で出来たデカールを早速試してみたのですが、やはりと言うか白が薄くて下地が透けてしまいます。下に敷くのは明るいイエローなので大丈夫かと思っていましたが甘かったようです。

bmw321 ここで難しいのが白の重ね擦りで、下の「ベースホワイト」はその上に擦った印刷が上手く密着しないので、最初に「特色ホワイト」を敷いてその上にベースホワイトを重ねるようにします。

bmw316と言う訳でようやく良さそうな物が完成しました。

そもそものサイズが小さいのと、仕事上どうしても細かい箇所が気になるので予め多めに印刷しておいてその中から一番良い物を使うと言う方法を取っています。

bmw319出来上がったデカールをそれっぽい色の色見本帳に実際に貼ってみました。

左は白い部分が「特色ホワイト」のみで、右が「特色ホワイト+ベースホワイト」の二度刷りになっています。また水色は「特色ホワイト+シアン」で水色を表現しています。ちなみに黒は白の上には重ねておらず、どちらも別々に擦っています。

bmw320文字の方は単色の黒で、全て最後に透明光沢インクを被せています。どうやら高温で定着させるらしくデカール自体の強度(密着性)が上がるらしく、いつもそうしています。

bmw257実は途中で、中央の丸い蓋だけを白く塗ってその上にシアンと黒だけを印刷したデカールを貼ろうかとも思ったのですが(これは断然作業が楽になります)、ただそれだと恐らく「取って付けた感」が強く出てしまうような気がしたので、やはりキャップ全てをイエローに塗ってから、丸い蓋のフチには少しでもイエローが残るようにしました。尚キャップは直径が20mm、BMWのマークは19mmにしてあります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ホイールハブ サフェ入れ

hub 艶ありブラックでご依頼を頂いています古いDAHON用のホイールハブです。

表面に錆びが浮いて来ているのでサンドブラストでそれの除去を行いますが、分解組み付けを行っている自転車屋さんからホイールスポークが刺さる穴は塗らないでとご指定されていますので、そこの養生からのスタートとなります。

hub1 最初は竹ひごでも入れようと思っていたのですが、工場にあった番線がサイズ的にすこぶる丁度良く、ただ錆び錆びだったのでペーパーで研磨してさらにリン酸で処理しておきました。錆びを防ぎたいのに貰い錆びとかしたら本末転倒ですからね。

hub2 穴の内側以外はしっかり処理して塗りたいので、こんな感じで隙間が確保出来るようにして固定しています。

hub3 穴とのサイズは本当に丁度良いです。

hub4ダブルナットも緩めないようにとメモ書きがあったのでサンドブラスト作業はこのままで、ただしベアリングがある箇所はかなりしっかり養生してあります。

塗装する上では分解してケースだけにしてくれるのが理想的なのですが、構造的に分解は難しいのかも知れませんね。

hub5 と言う訳でサンドブラスト完了です。

hub6 よく砂を飛ばしてから段階的にマスキングを剥がしていきました。

マスキングしてサンドブラストが当たっていないフチは後にペーパーで足付け処理をしておきます。

hub7穴の内部はしっかり保護されていて、これならそこは塗装せずとも残っている既存のメッキ層で錆はある程度防げると思います。とにかく、ブラストを掛けてメッキを剥がしたのに防錆処理(塗装)は何もしない!(やらせて貰えない)と言うのだけは避けたかったので上手くいって良かったです。

hub3と言う訳でまた錆が出ない内にプライマー&サフェーサーを塗布しておきます。

各部をよく脱脂洗浄し、マスキングもやり直して台にセットします。

hub4まずはプライマー塗布です。番線を避けるように回転させながら細部まで塗料が行き渡るようにします。

hub5そしてサフェーサーの塗布が完了です。この後60℃40分程度の熱を掛けて完全硬化させます。

本塗りもこれと同じ様なやり方で行なう予定で、これならスポークを固定する穴の内側を塗装せず綺麗に残せると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!