メルセデスベンツW204フロントグリル 本塗り

benz60 先日下地処理を行っていたベンツの純正フロントグリルです。

benz61 元々は艶ありのシルバーですが、全体に足付け処理をしているので艶消しのような状態になっています。表面に細かい傷を付けて塗料の密着性を上げるアンカー効果ですね。ペーパーの入らない個所はスコッチやナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを併用して処理しています。

benz62 ご依頼内容は半艶の黒で、最初は通常通り黒のベースコートを塗り、その後半艶専用クリアーを塗って本塗り完了です。

benz644444 半艶仕上げ(と艶消し仕上げ)は磨き処理が出来ないのでゴミが付くとそのまま(或いは塗り直し)となるので早めに熱を掛けて表面を乾燥させたいところですが、そうすると艶の消え方が不均等になって艶ムラが生じてしまうので、艶が完全に消えるまでは自然乾燥が必須となります(私も最初は知りませんでして、塗り終わった後に急いでヒーターを当てていました)。

benz63艶がこれ以上は消えないという所になったら熱を入れて完全硬化させますが、今は塗装ブースの順番待ちや納期が超特急!と言う事が無いので、基本的には翌日まで自然乾燥で寝かし、翌日から熱を入れるようにしています。塗膜中の溶剤が塗装表面を突き破って大きな気孔を作ってしまうよりも、時間を掛けて徐々に抜けてくれた方が艶があって強度の高い塗膜が出来てくれる気がするんですよね(勿論気のせいかも知れませんが…)。

こちらは外したモールなどがあるので、少し長めに寝かしてから組み付け作業を行う予定です。完成次第改めて紹介しますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!

KAWASAKI Z400FXライトケース 本塗り

z400fx7 先日サフェーサーを塗布しておいたカワサキZ400FXのライトケースです。サフェーサーを研ぐ前に全体にパラパラと黒を塗ってガイドコートとします。

z400fx9 最初か固い当て板を使って#320→#400と空研ぎを行い、その後柔らかいスポンジの当て板で#600→#800と水研ぎをしてラインを均します。

z400fx10 機械でプレスして作ったような物では無いようで(恐らくはへら絞りとハンマリング)、全体に大きなウネリがありますから、それを損ねないようにしつつ当て板(ペーパー)の角がスジ状に残らないように研ぎ付けます。

ちなみにサフェ研ぎで当て板を使わないと言うことは殆どありません。サフェが固い為に単なる手研ぎだと肌の凸凹でさえ残ってしまうのです。一般的に自動車の新品パネルにサフェを塗りたがらないケースがありますが、あれは塗るのが面倒なだけで無く研ぎがとても面倒だからです。

z400fx12 サフェ研ぎを行った時点で角など素地の金属が露出してしまった個所もあるので、色を塗る前に部分的にプライマーを塗布しておきます。画像だとちょっと分かりにくいですが、左手前の出っ張った部分の角と、右奥の丸い穴の周り辺りにも塗っています。

z400fx13 ベースコートの黒を塗り、半艶クリアーを塗って本塗り完了です。

塗ったばかりの時は通常のクリアー同様艶々ですが、この後徐々に艶が消えていきます。

z400fx14 自然乾燥の状態で2時間くらい経った状態です。良い感じに艶が消えてくれているのが分かると思います。

z400fx15一昔前の艶消し&半艶仕上げは、既存の艶ありクリアーに後から「艶消し剤」を添加する方法でしたが、それだとどうしても艶の出し方が不安でムラにもなり易く、非常に使い難かったのです(DUPONTのAU175とか酷かったですが、まさかまだあるんじゃ…恐)。

最近はベンツやポルシェなどで新車時から艶消し塗装のラインナップがある為、塗料メーカーもそれの補修をし易いようにと色々対策をしてくれて、従来の艶ありクリアーに混ぜるタイプではなく、最初から艶消し専用になったクリアーが用意されています。

勿論これを使っても塗り方や環境によって仕上がりは変わりますが、それでも従来の方法に比べるととてもやり易くなったので本当に助かっています。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

 

スマートキーカバー サフェ研ぎ

key40 先日サフェーサーを塗っておいたトヨタのスマートキーケースです。全体にガイドコート(黒い点々)を塗ったらサフェーサーを研ぎ付けます。

key41同じくサフェーサーを塗布していたトヨタマークのピンバッジです。元々平面的な形だったので周りを削ってフチに丸みを持たせ、さらにサフェーサーを塗って柔らかいフォルムになるようにしています。と言ってもこのサイズなので余り意味があるかどうか…(笑)。

key42イメージとしてはこんな感じで、ホワイトパールに塗ったカバーにブラックメッキ調に塗ったエンブレムを貼り付け、この窪みに透明レジンを流し込んで研磨して平らに仕上げ、さらにクリアーを塗って一体化させよう、と言う作戦です。

今回のオーナー様のコンセプトとしては「全体がツルツルに」ということで、反対側にある一段低くなったボタンも新たにABS板から切り取ったパネルを貼り付け、カバーとツライチにする予定です。

まだまだ先は長そうですがどうぞもう少々お待ちくださいませ!

自転車ホイールハブ サフェ研ぎ

hub6 先日サンドブラストを掛けてサフェーサーを塗っておいた古いDAHON用のホイールハブです。

サフェーサーを研ぐ前にガイドコートをスプレーしておきます。穴の中も良い感じで塗料も入らないように出来ています。

hub7 元々あったレコード盤のようなヘアラインはサフェーサーで埋まっていますが、溝自体は削り落とした訳では無いのでもしかしたら後で跡が出るかも知れません。と言っても気になる程度でも無く気づきすらしないかも知れませんのでご安心下さいませ。

hub8 窪み部分や穴の周りの一段テーパー状になった個所はペーパー掛けが難しいので、いつものようにナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液体状の研磨粒子)で足付け処理をしておきます。

サフェ研ぎが終わったらよく水気を取り除き、マスキングをし直したら最後に端の部分を空研ぎしてそちらも一緒に塗るようにします。現状中に水が入るのが嫌だったので少し大きめのマスキングをして水研ぎをしています。

その後また各穴をマスキングし直したらいよいよ本塗りとなります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!