以前施工しましたBMWの内装スイッチ4点です。元々未塗装の黒いスイッチだった物を、黒とシルバーの2トーンカラーの半艶クリアー仕上げでご依頼頂きました。
こちらは最初の状態です。事前に色見本帳をお貸出しし、今回はこちらのレクサスのシルバーでご指定承りました。
スイッチの白い部分はイルミネーションランプとして光るようになっていますので、そちらは予め分解して外しておきます。
各部品の仕様はオーナー様自らイラスト入りの作業指示書を作製されていまして、作業はそれに沿って進行致します。
各パーツを採寸し、そこからデータを作製してマスキングシートを作製します。
この段階ではまだテストカット~仮合わせの作業です。
とにかく部品が小さいのでちょっとした隙間が大きな誤差に繋がります。
データを修正しては実際にカットして貼り付け・・・を何回も繰り返し、ようやく本番用のマスキングシートの完成です。
添付された指示書が非常に良く出来ているだけにプレッシャーは相当のものでした。
全ての準備が整ったので、ようやく実作業開始です。被塗面全体を足付け処理し、台にセットします。
プラスチックプライマーを塗り、まずはベースコートの黒を塗布します。
マスキングはかなり微妙な位置となる為、石鹸水を使っての水貼りとします。
事前の練習通り、ど真ん中に貼り付けます。
最後にドライヤーで熱して水分を飛ばします。
そしてシルバーを塗布します。
先ほど貼ったマスキングを剥がした状態です。
ここからさらに、指示書通りに「谷のラインの上」の位置でマスキングを行います。
黒を塗布し、マスキングを剥がしました。
最後に半艶クリアーを塗って本塗り完了です。
熱を入れて塗膜を完全硬化させた後、数日寝かしてから組み付け作業を行います。
白がプリントされているのですが、裏から光を照らすとしっかり透過します。
遂に完成です。
通常こういった仕様書を渡した場合、こんなに細かい事は出来ないとお断りされる事もあるかと思いますが、こちらのオーナ―様は以前も当店をご利用頂いていて、恐らくこういう事をしても大丈夫だろうと楽しんでやられているのだと思います。
後日装着された画像も送って頂きました。
コメントも頂きましたので改めて紹介させて頂きます。
「先日のお電話から大変遅くなりましたが、施工頂いたスイッチの装着写真が撮れましたのでお送り致します。写真撮影の腕が皆無ですので、見るに耐えない写真ばかりですがご活用頂ければ幸いです。
実際に装着してみますと、ご相談を重ねさせて頂いた甲斐ありまして、艶有りほどクドくなく、艶消しほど地味ではない丁度良い塩梅の雰囲気になりました。
純正状態のスイッチと並べて装着してみると、同じ部品とは思えないほどの違いに驚きました。
シルバーの陰影が綺麗に出るかが懸念でしたが、カラーサンプルでじっくり選ばせて頂いた甲斐ありまして、金属部品に引けを取らないような陰影が出ております。
大変なお手間をお掛けした塗り分けも、お陰様で私のイメージ通りの素晴らしい物に仕上げて頂けました。
操作の際に触れた感触も、純正のややネトッとしたものからサラっとした上質感のあるものに変わり、触れるだけでも満足感が高いです。
また嬉しい誤算として、夜間にインパネの文字盤照明がシルバー塗装部分にほんのり映り込んで、夜間のインパネの雰囲気がとても良いものに変わりました。
実用面でも、夜間のスイッチ操作がしやすくなり、とても便利です。
馴染みのクルマ屋さんの方に披露した所、「その方(=高畑様)は、これを全部塗装で塗り分けたんですか!?」と驚かれました。やはり、見る人が見ると高畑様の技術力の凄さが分かるようです。
ほんの思いつきでお願いした内容がここまでのものに仕上がるとは、お願いした私自身も驚いております。
この度は私のわがまま・無理難題を快く受け入れて頂き、本当にありがとうございました。」