レンズ類透過性塗装 下準備

smoke17 近々本塗りを予定しておりますテールランプ、サイドマーカー、バイク用スクリーンパネルです。さらに近日中にインプレッサGDBのテールランプが到着予定で、先行してこちらの下地処理を先にやっておく事にしました。

smoke18 BRZ/TOYOTA86系のテールランプはいつもここに泥が溜まっているのでマスキングをする前に掃除しておきます。

smoke19 テールランプ内部に水が入るとマズイので、清掃方法としては柔らかい豚毛のブラシにタップり水を含ませ、擦ってはバケツの水でブラシを濯いでを繰り返し、最後にヘラとウェスを使って全体を噴き上げ、最後にエアーブローで水気を飛ばします。

smoke20 バイクのスクリーンパネルは裏側をしっかりマスキングしますが、完全にテープを貼ってしまうとスモーク具合(濃さ)が塗っていて判らなくなってしまうので、一部分だけでも透明フィルム(ステッカー用の転写シート)を貼って透明性を保つようにしておきます。

skyline3 スカイラインのサイドマーカーは想像していたよりもちょっと厄介で、じっくり作業する為に二階でマスキング作業を行いました。

skyline1 レンズと黒い枠にはほとんど隙間が無く、またマスキング面が直角に落ち込んでいるので、普通にマスキングテープを貼れません。少しでも無理なテンションを掛けて貼ると後で必ずテープのフチが浮いてしまうので、こういった場合は細く小さくカットしたテープを小刻みに貼っていきます。

skyline26ミリ幅のマスキングテープを4等分にしているのでテープ幅は1.5ミリ程度、それを5ミリくらいの長さにカットして一枚一枚貼っていきます。

マスキングの前にフチはナイロンブラシで清掃していますが、ここから再び足付け処理を行うので、その後修理が必要な個所はマスキングをやり直します。まあ足付け処理も丁寧にやるので全部貼り直しをする事は無いとは思います。

本塗りが出来る状態までにしたら一旦ホコリが付かない個所に保管し、後日到着予定のインプテールランプを合流させ、週末辺りに本塗りを行う予定です。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

プジョーミラーカバー塗装承ってます

peugeot22 先日到着しておりましたプジョー207の純正ミラーカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

peugeot23 現状は余り宜しく無い状態ですが、こちらの下地をやり直し、色は恐らくはボディ同色のプジョー純正色「ノアールオブシディアン」(カラーコード:EXL)で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承っております。

peugeot24一部で艶がある個所もあるのですが、軽く爪で押してみるとグニュっと入っていくので、恐らくは缶スプレー等で厚塗りをされてしまった状態に見受けられます。

こういった場合最初からサンダー等のペーパーで研磨すると塗料が絡んで上手く削れないの、最初にシンナーで軽く洗い流すようにして硬化不良(と言うか乾燥揮発不良)の塗膜を除去し、そこからペーパーで削るのが早いと思います。シンナーで既存の塗膜も多少侵されてしまいますが、その後の研磨があるので大丈夫だと思います。ちなみにシンナーを使いすぎると(浸けて放置したりすると)樹脂素材その物が溶けたり変形するのでNGです。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

象印ステンレスボトル塗装 完成

zojirushi15大変お待たせしました!象印製のステンレスマグボトルの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

zojirushi元々ステンレス素地に直接トップコート(クリアーピンク)が塗られた状態で、当店に届いた時はこのように塗膜がベロベロと剥がれてしまっていました。

通常こういった既製品は買い直した方が安価に済むのですが、長く愛用されていた物のようで今回再塗装のご依頼を頂きました。

zojirushi16 ただし再塗装するにあたって、同じようにステンレス素地に直接色は塗れませんので(同じように剥がれてしまいます)、一旦下地にプライマー(グレー)を塗布し、その上に元の色と似た通常の2コートメタリックで塗装を施しました。

zojirushi17 ボトルには凸凹とした意匠が施されていますが、そちらも元の通りの見栄えに出来ていると思います。

zojirushi18蓋に関しては一部に凹みもあったのですが、そちらも軽めのハンマリングとパテ処理で補修しておきました。

zojirushi1一応最初の状態がこちらとなります。

zojirushi19 蓋のフチ、口があたる部分には黒いプラスチックがありますが、これは蓋の内側と一体構造となっている為外せません。と言うか外すのであれば外側のステンレス製カバーを取り外すような形になる筈で、恐らく無傷で取り外すのは難しいと思われますのでマスキングで対応しています。

zojirushi20 今回の塗色である「日産グランベリーピンク2M」(カラーコード:AX7)はパールは入っておらずメタリックのみの配合ですが、発色も綺麗で元の色よりも華やかな色味になっていると思います。使われているメタリック原色MIX812の粒子自体は余り大きく無く(丁度真ん中くらいです)、輝きの強い球体アルミなので、赤系の有彩色と組み合わさって柔らかい光の反射を演出してくれているのでは、と思っています。

zojirushi21旧塗膜と一緒に剥がれた底のシールは新たにABS板で作成して塗装し貼り直しておきました。

それでは後程完成のご連絡を差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

DUCATI Carbon Fiber Upper Fairing

ducati19 DUCATIの社外品アッパーカウルとリヤリップスポイラーです。ドライカーボンでは無くウェットカーボンで、現状の「つや消し」を「艶あり」へと、一見簡単そうな案件に思えますが、実際はそんなに簡単な事ではありません(でした)。

ducati20「艶消し」といってもつや消しクリアーを塗られたような物では無い模様で、成型時に出来た巣穴はそのままです。

ducati21 これくらいなら塗装で埋まるのでは?と思いがちですが、自動車やバイクの外装を飾る塗装は刷毛で塗るような塗装とは違いますので、クリアーだけでこれを埋めるのはかなり大変です。

ducati 全体に足付け処理を行い、よく脱脂処理をしたらまず一回目の下塗りとなります。

ducati2 小さく見える巣穴も塗装においては中々厄介な物で、穴の周りは表面張力でクリアーが盛り上がってしまいますから、このような感じで凸凹になってしまいます。

この後巣穴一つ一つにクリアーを筆指しして埋めていきます。

ducati23 その後熱を掛けてクリアーを完全硬化させ、凸凹になった肌をペーパーで削って均します。

ducati24最終的に#800のペーパー目まで均し、二回目の下塗りを行います。

ducati25 二回目の下塗りクリアー塗装完了です。

ducati26 下塗りといっても使っている材料や作業内容は本塗りと同様で、それ故に費用も嵩んでいきます。

ducati_2二回の下塗りで大分巣穴も埋まっていきました。

ducati_1  再び全体を研磨して肌を均します。

ducati27 「研ぎ→クリアー塗装→研ぎクリアー塗装→研ぎ」の工程を経て、これでようやく本塗りとなります。

ducati29尚、最後の本塗りは少々気合を入れ過ぎたようで、そのままの状態だとクリアーが垂れてしまいますから90度カウルの角度を変えてクリアーのレベリングが落ち着くまで待ちます。

ducati28 これにより今度は違う方向にクリアーが垂れたりもしますので、この間ずっとクリアーの動きを見守りながら経過に対応していきます(必要であれば逆さまにもします)。

ducati30 結局この状態で大丈夫だったようで、無事(!)本塗り完了です。

ducati31 アッパーカウルの裏側とこちらのリヤスポイラーの裏側にある突起はメーカーのロゴマークで、一応削り落とさずに残すようにしました。たださすがに3回のクリアー塗装で大分埋まってしまってはいますが…。

ducati33 その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、しばらく寝かしたら完成となります。

ducati34 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで、通常のクリアーに比べて耐候性も良いのでカーボン(実際はポリエステル樹脂)の劣化も抑えられると思います。

ducati35ドライカーボンの塗装も大変ですが、ウェットカーボンも製品の出来具合によって同じくらい大変な作業となります。お問合せをされて想像していた以上に金額が高かった!と言うのはこういう事でして、部品を送って頂いてから値段を上げるは避けたいですし、穴だらけのまま完成です!とも言えませんからね。どうかご理解頂ければ幸いです。