TIMEカーボンフレーム&フォーク塗装承ってます

time 先日到着しておりましたTIMEのカーボン製フレーム&フォークです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

time1塗膜全体の状態としては傷なども少なく、見た目も悪くは無いのですが、どうやら紫外線による焼け(褪色)がひどく、特に白いロゴが黄変してしまっています。

time2 単体で見ても良く判らないのですが・・・

time3 手前のフレーム底部=ダウンチューブの裏側のロゴと、フォーク側面にあるロゴを比べてみると、明らかに白さが違います。奥のフォークのロゴが黄ばんでいますよね。実物はもっとあからさまにひどいです。

time2 ご依頼内容としては、既存のデザインはそのままに、「TIME」の大きいロゴ部分のみを本来の白で塗り直し、全体を耐UV性の高いクリアー(クリスタルクリアー)で塗り直す、と言う作業内容となります。

一見すると簡単そうですが、結構大変です。

time4ロゴは全て違う形状なので、以前行ったようなLOOKのフレームのようにはいきません。今回はフレーム5カ所、フォーク二カ所の合計7種類のロゴをマスキングして白く塗り直します。ある程度塗装の事に詳しい方なら吐き気を催しているのではないでしょうか。

time7 各ロゴには多少なり段差があるので、勝手にラインを変える事は出来ず、各ロゴは左右でも形が違うので今回は全てフリーハンドでのマスキングとなります。勿論塗装面にマスキングテープを貼ってカッターなどで切ったりはしませんので(こういった実使用の被塗物でその方法は極めてナンセンスです)、予めカットしたマスキングテープを各ラインに合わせてピッタリと貼っていくと言う作業になるかと思います。

ちなみに先ほどリンクにも貼ったLOOKのカーボンフレームは今回とは逆の内容で、参考までにちょっとだけ画像と作業内容を紹介しますね。

look46 元々新車だったLOOKのカーボンフレームとフォークの赤い色の部分を、オーナー様が運営するトライアスロンショップのイメージカラーでもある水色にと言うご依頼でした。尚、デザインは元のままでと、この点は今回と同じです。

look22この時はロゴの形が同じだったので、データを作成してそれを反転したりサイズを調整したりして使いまわしました。今回はこれが出来ませんので大変なのです。

look47尚クリアー自体はフレーム全体に塗るので、足付け処理は既存の塗装面全体に行います。

赤い個所以外はクリアーだけとなりますので汚れや傷などは残せず、基本的に新車のみ、またはそれに近い状態か、或いは傷などはそのままクリアーの下に残ってしまう事をご了承頂く事となります。

ちなみに以前同じような内容でご相談があったのですが、残念ながら届いたそのフレームは一部に補修歴があったのでこの方法は出来ませんでした。クリアーを塗るだけで既存の塗膜が「チヂレ」を起こす可能があって、そういった場合は何も出来ないのです。

look58 と言う訳で赤い個所のみをピッタリ水色で塗って、その後全体にクリアーを塗ります。

look33 当然ですが、黒いラインや白いロゴの部分はクリアーのみの塗装となります。

time6今回はLOOKの時とは逆で、ロゴの部分を残すのではなく、ロゴの部分を塗るので、少しは楽かと思っています(多分いつもの様に気のせいだと思いますが。笑)。

ちなみに自転車フレーム関連の塗装は一時お受付を停止させて頂いておりまして、少し前にそちらは解除したのですが、今回のオーナー様はお受付の再開をずっとお待ち頂いていたとの事でした。この度はご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。まずは色見本帳より白の色を選んでおきたいと思います。

改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ハーレーアルミフロントフェンダー&FRP製ラジエターカバー塗装 完成

harley66 大変お待たせしました!ハーレー純正のアルミ製フロントフェンダーと、社外品FRP製ラジエターカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

harley14フロントフェンダーは元々他店にてパウダーコート塗装が施されていた物を下地を整えて再塗装を行いました。

harley67 元々は肌の凹凸が大きいゆず肌でしたが、それらを研磨して平滑に均し、純正塗装のような肌の無い艶々になるよう仕上げています。

harley68 色に関しても現車とはちょっと違っていたようですので、今回は当店にてハーレー純正色の配合データを作成しお預かりした見本部品と色を比べて確認、さらにそれに使われている原色(MIX854)単体での使用としました。並べてみても全く色の違いは感じられないと思います。

harley69 難易度が高かったのは画像手前のラジエターカバーのラインで、山と谷のラインがうねるように組み合わさってこれを自然なラインに繋げるのに時間を費やしました。

harley70平らなラインでは無いのですが、研ぎに使う当て板は平らでなくてはなりません。昔はアール形状の当て板など色々工夫しましたが、結局それだと被塗面に当たる面積は「点」でしかないのでいつまで経ってもラインは出ないのです。

harley71 なので最初は長めの当て板で大まかなラインを作っていき、その後サイズを小さくしていって多角形を徐々に曲線に仕上げるみたいなイメージで研いでいます。最初はカクカクしたポリゴンを、データ量を増やして徐々に滑らかにし、最後にスムースシェービングするような感じですかね。

harley72 自動車やバイクはこういった逆アールのラインが多く使われていて、小僧(見習い)の頃はこういったラインをどうしても綺麗に出せず、泣きながら何度もサフェーサーを塗っては研いだ記憶があります(悔しくてです)。

harley73 フェンダーはライン自体はそのままで、元の凸凹した塗装を研いで平滑にして塗り直しています。

最初の状態も紹介しますね。

harley45 艶はあるのですが、肌が大きく凸凹しているので写り込みが良くありません。ただこういうのを気にしない(気づかない)と言う方も結構いると思いますので、一概に「再塗装が必要」と言うのはこちらでは決められないところもあります。

harley74 今回は細部までの仕上がり要求の高いご依頼でしたので撮影も多めにしました。

harley75 今回の費用は普通の方からするとちょっと詐欺みたいな金額と思われそうですが、基本的には工数(指数×作業時間)から算出となりますので、言い値で勝手に決めている訳ではありません。今回もかなり時間を掛けてはいますが、指数=レーバーレート自体は以前行っていた自動車塗装の時よりもかなり低く設定していますので結果的にはお得だと思います(以前は1時間当たり¥8,000でしたが、今はそれの半分くらいといった感じです)。

harley76 「レーバーレート」は工場の設備や立地条件などで変わり、東京・横浜だと国産車で¥7,000くらい、外国車で¥8,000くらいが相場になります。ちなみに私が最初に勤めていた会社は¥12,000で(世界一高いとアジャスター=保険調査員が言ってましてよく揉めていました)、その後のPRO_Fitはやはり相場と同じく国産車¥7,000、外国車¥8,000でした。

harley77以前の自動車塗装を行っている時にも小物の塗装はしていましたが、それは宣伝・営業的な事も含めて出来ていた事であって(その後の保険修理での入庫を見込んでと言う事です)、あのままのスタイルで小物の塗装だけと言うのは難しかったと思います。

今の工場では車を入れる事は出来ませんが、塗装の対象を小物として特化した事で固定経費を下げ、今のようなスタイルでも仕事が成り立つように出来ています。保険作業無しでSTANDOXのような塗料材料を使えるのは相当恵まれていて、これもご依頼頂ける方々がいらっしゃるお陰だと思います。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!