バンデンプラ インジケーターレンズ下準備

vanden4先日紹介しておりましたバンデンプラスプリンセスのフロントインジケーターレンズです。

汚れはともかく、劣化で左右のレンズの透明度も変わってしまっていますので、今回は外側だけではなく内側も塗装してこれの透明度を上げる作業を行います。

vanden7 ちなみにオレンジ色のレンズは裏側一か所で止まっているだけなので脱着が可能です。

ピン状になった箇所にオレンジ色のパネルの穴を通し、先端を溶かして固定されています。

vanden8 最初はハンダ小手で溶かして外そうと思いましたが、両方とも同じ素材の為むしろくっ付いてしまう(=溶着)ような感じだったので先端をリューターで削って外しました。

vanden9 こちらのオレンジ色のレンズは塗装しませんので、せめて磨いて綺麗にしておきます。

vanden10 こちらは色褪せも無く比較的綺麗になりました。

vanden11 ちなみに片側のレンズでは反射板(壁)の代わりとなるアルミテープが剥がれて無くなっていましたので、こちらも取り付ける前にアルミテープを貼っておきますね。

vanden12 そしてこちらが本命のクリアーレンズです。清掃はしましたが経年で樹脂の表面が劣化してしまった為か、右側の古い方はこれ以上黒ズミが取れません。

vanden13 表面はいつも通り#800~#1300のペーパーで研磨し、裏側はスコッチブライトとナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って古い被膜を一皮削ります。

ウォッシュコンパウンドは洗浄剤と研磨粒子が混ざった物で、塗装の下地処理(足付け処理)用の副資材として各メーカーから販売されていますが、この「ハジキシラズ」はその中でも比較的優しい方です。比較的メジャーなのは関ペの製品で、切削力(と言うか薬剤)が強くて作業性は良いのですが、手荒れも酷くなるので私的にはこのハジキシラズがお気に入りです(ただそれでも手荒れは免れないので通年寝る前のハンドクリームは必須です)。

vanden14 と言う訳でレンズは裏表共に一皮剥けたような状態となりました。色褪せも多分かなりマシに成ったと思います。多少細かいクラック状の物が数点見られますが、殆ど気にならないと思います。

vanden15 表側は極々薄目のスモーク塗装を行いますが、裏側はクリアーのみとなります。

vanden16 プラスチックプライマーを塗布し、クリアーは通常通り2コート塗って完了です。

vanden17表面も塗ってみて艶を出してみないとはっきりとは言えませんが、かなり良い感じの透明度は確保出来たのでは、と思います。

この後熱を入れて完全硬化させたらさらに数日置いて寝かし、今度は表面のスモーク塗装となる予定です。イメージとしては黒さは極力出さず、多少色味を付けて断面でコントラストが映えるようなガラスっぽい質感に出来ればと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ロータススーパーセブン ドライカーボンボートカバー塗装 完成

lotus85 大変お待たせしました!ロータススーパーセブン用のプリプレグカーボン製ボートカバー(トランクカバー)とその蓋の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

seven6当店に届いた時には既にドライカーボンにクリアーが塗られていて、本来なら足付け処理だけして直ぐに塗れる筈だったのですが、どうにも塗られている塗装のウネリが酷く、また巣穴も数百個は残ったままだったので、結局当店でも下塗りの工程を行って下地を整える事にしました。

seven19蓋も同じくデロデロ状態で、これらを「平滑に研磨→クリアー塗布→筆指し完全硬化」を二度行って下地を整えました。

lotus86 当初の予定としては下塗りを3工程行うつもりでしたが、幸いにしてそこは2工程で済みました。

lotus87 尚、今回の塗装は通常のメタリックグリーンでは無く、素地のカーボン目を活かした変則的なキャンディー塗装となっています。以前ドライカーボン製品でスーパーセブンの外装一式をご依頼頂いた時と同じ塗装で承っています。

lotus88通常のキャンディーカラーは塗り回数や膜厚に注意して塗装しますが、さらに今回はメタリックの並び方にも注意しなければならない為、ベースコート塗布地はカバーパネルを装着するのと同じ状態にして塗装しています。その後クリアーを塗る時には別々にして塗っています。

lotus89 ですので色自体(透け具合とメタリックの並び方)は全く同じに出来ていると思います。少なくとも私には違いが判りませんでした。

lotus97 下地を透かしたキャンディー塗装な為、見る方向によってくっきりとカーボン目を見る事が出来ます。勿論ですが、部分的に塗り過ぎたりしたらそこだけ透け具合が変わり、また全体もムラムラに見えてしまいます。

lotus90 ラインについては完全に歪が取れた訳ではありませんが、クリアーの下塗りだけでここまでできていれば十分だと思います。勿論クリアーの下塗り~研磨の工程を増やせばさらに良くなりますが、その辺はコストとのバランスもありますので今回はこれで良いと判断しております。

lotus91 しかし大変でした(笑)。

lotus95 一応蛍光灯の下でも撮影しておきました。

lotus96 届けて頂いたショップメカニックの方も最初の状態を見ていますので、是非評価を伺って見て下さいませ。

lotus92 参考までに一緒にお預かりしたノーズコーンも一緒に撮影してみました。

lotus93 土台部分を一緒に並べる程のスペースはありませんでしたので、とりあえず蓋と見比べてみました。

lotus94同時に塗っていないにしては良い感じに出来たと思います。これもしっかりとした配合データが残っていたお陰です(実際は配合データでは無く当時使った塗料が残っていたのでさらに安心でした)。

ちなみに若い頃は「塗装は長くやっていればレベルが下がるだけ」と考えていましたが、以前塗らせていただいたノーズコーンよりは大分仕上がりが良くなっているようで、まだ伸びしろがあった事に一応は安心しました(自分では自分の事が見えないので多少卑屈っぽくなっているくらいの方が良いと思っていまして…)。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き有難うございました!