TOYOTA 2000GTヘッドカバー 結晶塗装承ってます

toyota2000gt 先日お預かりしておりましたトヨタ2000GTの純正ヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

toyota2000gt1年代の割には状態は良く、と言うかそもそも博物館に飾られているような車種なのでそんなに酷い個体は無いんでしょうね。

尚既存の塗膜は(恐らく)新車塗膜の上にもう一度塗り重ねてあって、どうみても結晶塗装では無く「ただの黒」のようですが、今回のご依頼主様からは当時の貴重な資料も取り寄せて頂きまして(恐らくこの世に存在している中で最も信憑性のある資料では無いかと・・・)、トヨタ2000GTのヘッドカバーは結晶塗装が純正の塗装で間違いはないようです。私的にも安心しました。

既存の塗膜は一旦剥がしますので、まずはこの後アルカリ洗浄槽で浸け置きして砂と油汚れを取り除き、その後溶剤槽に浸け置きして塗膜を剥離します。

尚、以前施工した時の画像もありますのでそちらも紹介させて頂きますね。

2000gt8こちらのページからは他の完成画像もご確認頂けますので宜しければどうぞ。

toyota-3オーナー様からは完成後のご感想も頂けまして、「他の車体でこんな綺麗な結晶塗装は見た事が無い」とのお褒めのお言葉も頂戴しました。有難う御座います。

尚結晶塗装関連は現在この他に16点のご依頼品をお預かりしておりまして、当面はお急ぎのご用命には対応が出来ないような状況です。ご迷惑をおかけして申し訳御座いませんが何卒ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

結晶塗装は特に業者様からのご依頼が多く、「今までお願いしていた所が辞めてしまって」といったケースがかなり多いようです。塗料自体の値段も昔と比べるとかなり上がっていて、使用期限もあるような塗料ですから嫌になってしまったのかも知れませんね。良く判ります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

BMWパニアケース補修塗装承ってます

bmw380 先日到着しておりましたBMW R1200RTのパニアケースです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

bmw381状態としては車体を倒してしまった時に出来た傷で、こちらを元の通りへの補修塗装で承っております。

色はBMW MOTORRAD純正色の「バリアリッツブルー:BIARRITZ BLUE」で、カラーコードは「363」となります。幸いにしてSTANDOXの配合データがありましたので調色作業費無しで対応が可能です(微調色は行いませんので多少の色ブレは生じる事はご理解いただいております)。

ちなみに2輪車の場合は4輪自動車と違ってこの「配合データ」が存在しないケースが多く、BMWやハーレーなどの外国メーカーは比較的ある方なのですが、日本のメーカーはかなり少ないように見受けられます。そもそも「補修」と言う概念は無く、何かあったら新しい物を買ってと言うスタンスなのかも知れません。確かに何色も色を塗り分けて、しかもそれがホワイトパールとキャンディーカラーの組み合わせで、しかもストライプやデカールも多用されているとあっては直すよりも買った方が断然安いです。保険を使った修理でも新品の部品代を超える事は殆どのケースで許されませんから、その結果産業としては成り立たなく、人も育たない・・・と言う状況になっているのだと思います。勿体ないですよね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

キャブレタートップカバー結晶塗装 本塗り

topcover4 こちらもお待たせしました!偶然にも先ほど紹介したアルファロメオのエンジンカバーと同色で承っておりますので一緒に本塗り完了しております。ご安心下さいませ。

topcover5元々何かしらのメッキが施されていたのですが全体的に腐食が酷いのでサンドブラストで処理しています。

topcover6 裏側は比較的綺麗だったのですがフチには腐食が回り込んでいたのでこちらもブラストを掛ける事にしました。

topcover7 一旦シンナーに浸けるようにして脱し洗浄を行い、

topcover8 表、裏共にプライマーを塗布します。

topcover9 裏側はそのままだと少し格好悪かったのでベースコートの黒を塗っておきました。こちらは普通のSATNDOXの塗料です。

topcover10 ベースコートが乾燥したらマスキングをし、段ボールに固定します。被塗物は塗装中・塗装後に移動させる事が結構多いので、ストレス(リスク)無く動かせるようにしておいています。

topcover11 結晶塗装後、140℃程の熱を掛けて本塗り完了です。

topcover12アルミ製のヘッドカバーなどに比べると薄いスチール製品は熱の上がり方が極端なのでそれに注意して焼き付けています。

こちらももう一度恒温機で熱を掛け、数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオエンジンカバー&サージタンク結晶塗装 本塗り

alfa10 先日より洗浄槽に浸け置きしておいたアルファロメオのエンジンカバーとサージタンクです。

alfa11 このフィンはフライス加工が施されておらず、砂型鋳造したそのままの仕上りとなっている為、リン酸処理の前にこちらを削っておきます。

alfa12 #80のペーパーを使ってシングルアクション→ダブルアクションサンダーで削ります。シングルは切削スピードは速いのですが局所的に削り過ぎて面が歪んでしまうので多用は避けます。

alfa13 その後リン酸処理→洗浄を行い、よく乾燥させたらマスキングをして台にセットします。

サージタンクは下部の接合面となる個所は塗装せず、ただパイプが刺さる部分は下側まで塗れるよう少し浮かした状態で固定しています。

alfa14 エンジンカバーのフィンと文字の部分は予め面研してあります。

alfa15 まずはプライマーを塗布します。

alfa16 床は大分汚れていましたが、塗り直して綺麗になりました。

alfa17塗装後、140℃程の熱を掛けて結晶目を出したら本塗り完了です。

alfa18 色は以前施工したロードスターのヘッドカバーと同様で、パウダータイプのブルーパールを入れています。

alfa19 ちなみにこの段階ではまだ半生の状態で、この後さらに恒温機に入れて焼き付けを行います。

alfa20「G」の部分に巣穴があったらしく、大きなブリスターが出来て破裂しています。

結晶塗装は本塗り後に熱を掛ける段階でこういった気泡がよく発生するのですが、その間横について見張っているので、気泡が膨れる前に針で刺して中の気体を抜いてあげればこうはなりません。今回はどの道後で面研する個所なので放置しています。

塗って直ぐに窯に入れるとこういった気泡が判らなくなってしまうので、最初は赤外線ヒーターで塗った物を見ながら経過を観察し、上手く結晶目が出なければ溶剤槽に浸けて全部剥がしてやり直し、綺麗に結晶目が出たとしても気泡の発生で仕上がりが悪くなってしまうので未然に防ぐようにしています。

この後二度目の強制乾燥を終え、凸部を面研したら露出した素地にクリアーを筆で塗ってさらに硬化させたら完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!