マツダフューエルキャップ&MINIメッキエンブレム サフェ入れ

 先日お預かりしておりましたマツダ純正ガソリン用ハイオク仕様のフューエルキャップです。

脱落防止用リングから下側をマスキングし、#120→#180→#240の手研ぎで全体を研磨します。

 見た目は先ほど紹介したMBスプリンターのオーディオパネルと同じですが、あちらはABS樹脂で、こちらは恐らくPA(ポリアミド)樹脂となります。記載が無いので判らないのですが、最初のペーパーの入り方がPP(ポリプロピレン)と感じが違うので、恐らくはナイロン(=ポリアミド)では、と言う見解です。

 PAやPPなどのオレフィン系樹脂は塗料や接着剤などとの相性が悪い為(密着性が激しく劣る為)、プラスチックプライマーの塗布とは別に火炎処理も行うようにしています。

ちなみにこの火炎処理に使うガスプライマーですが、最初の段階で密着試験は行っていて各素材での性能も確認済みです。私的に行った試験結果と見解となりますが、これだけに頼るのは到底無理と感じています。一応試験した材料も残っていますので機会があれば社外記で紹介しようと思います。

そしてサフェーサーを塗布して完了です。こちらもウェットコートで6コート塗りました。尚、脱落防止リングと本体との隙間も#320のペーパーで足付け処理しています。

 今回同時に作業しているBMW MINIのリヤエンブレム(枠部)ですが、こちらはABS樹脂の表面に装飾クロムメッキが施されていますので、他の物とは少々勝手が違います。

画像は裏側に貼ってあったクッションシートを剥がしているところで、新品状態だと簡単に剥がれるのですが、今回は経年で両面テープが剥がれ難かったのでドライヤーで温めて切れずに剥がすようにしています。

先ほどのガスプライマーでは、これを使えばメッキ素地にも塗装が可能!といった謳い文句があったりもしますが、私はこれには使っていません。

確かに「面」ではある程度の密着性が得られるのですが、クロスカット法(碁盤目テスト)をしてガムテープを貼って剥がした作業ではあまり良好な結果が得られなく、密着剤と同様これに頼る事はしていません。

ただし補助的な物として考えると、今回のフューエルキャップのようなオレフィン系の樹脂には有効で、特にプレスラインの谷の部分などペーパーの目が一方向になり易い個所への素地調整としては非常に役立つと思います。

それではこちらも作業進行次第また紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Mベンツスプリンター オーディオパネル サフェ入れ

 こちらもお待たせしました!メルセデスベンツスプリンターのオーディオパネルも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

素地の状態では表面がザラザラとした梨地になっている為、#120→#180のダブルアクションサンダーで平面を研磨し、エアーツールが使えない部分は#180→#240の手研ぎで研磨、フチは#320で足付け処理します。

形状がカーブしているのでそのまま台に置くとフチが塗れない為、少し浮いた状態にして台に固定します。よく脱脂清掃し、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

続けてサフェーサーをウェットコートで6コート塗布します。一度に塗ると塗膜中に溶剤が籠って思わぬトラブル(微細なピンホールやブリスター)を起こす為、コート毎には十分はフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設け、一時間以上の時間を掛けて塗っています(と言っても傍らでじっと待っている訳では無く他の作業をやりながらなので特段これに時間を掛けていると言う感覚ではありません)。

この後60℃40分程の熱を掛けてサフェーサーを硬化させ、全体を研磨してラインを整えたら次は本塗り工程となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!