CORSAIR PCケース 本塗り(下塗り)

 先日素地調整を行っていたCORSAIRのPCケースの部品です。今回はシャーシ(骨格)がメインとなります。

 こちらはケース裏側に取り付けられる拡張ボードの蓋ですね。ペーパーで足付け処理をするのが大変なのでサンドブラストを使いました。

 ケース天面に着くエアーフィルター用のカバーパネルは裏側と表側を別々に塗る予定でしたが、画像のように地面に対して水平の状態で塗れる為、裏と表を一緒に塗装し、その代わり二度塗りをする事に変更しました。ロアグリルを塗った時と同じような感じですね。当然手間は増えますがこの方が確実に綺麗に仕上がりますので。

 こちらはPCケース裏側のパネルです。

 この部品は目立たないので当初より吊るした状態で裏表を塗るだけを予定していましたが、乗り掛かった舟と言う事で(そういう訳でも無いのですが)こちらも今回は本塗りでは無く「下塗り」とする事にしました。その代わり少しやり方を工夫しています。

 こちらは先ほどの裏側のパネルに着くカバーです。ネジは丁度良い物が無かった為(PCケースに使っているネジって一体なんなんでしょう)、一回り細いのを挿して、ネジ山のギザギザを引っかけるような感じで固定しています。裏側も一緒に塗ります。

 そして問題のシャーシです。とても大きく、それでいて非常に塗り難いです。

 まずはウェットオンプライマーを塗布します。上塗り(クリアー)と同様、主剤:硬化剤=2:1ですが、ノンサンディングが基本なので熱を掛けずにそのまま色を塗れます(塗ります)。余程タイミングを外さなければチヂレたりはしません。

 ただしノンサンディング=研がない為、肌を荒らさずに塗る必要があります。

イメージとしては「レベリングの良いサフェーサー」といった感じで、ただその分無理をすると垂れやすかったりもします。

 大量に塗り過ぎるとラウンド(肌)が残ってしまうので、今回は2コート程、ダブルアクションサンダーのペーパー目が埋まればと言う感じです。

最初は一列に並べて塗っていましたが、エアーでズレてしまうので3列に並べ直しました。勉強能力が足りないというか、我ながら救いようがありません。

 そして上塗り完了です。実際は本塗りそのままですが、後日もう一度塗るので今回は「下塗り」と言う定義になります。

 尚、今回の上塗りはいつもの2コート塗装では無く「1コートソリッド」で挑んでいます。

 と言うのも、ここまでガタガタした形の物で隅の隅までしっかり色を入れてクリアーを塗るというのはかなり大変で、なので今回は「色」と「クリアー」を一緒に行える1コートソリッドで行ったと言う訳です。

 1コートソリッドとはクリアー中に顔料(今回の場合は黒)が直接入ったような塗料で、使い方はクリアーと同様、主剤:硬化剤=2:1です(MSハードナーです)。

参考までに、工場一階に置いてある塗料がその1コートソリッド用の原色で、通常使う2コート塗装用のベースコートとは全く違う塗料です。

 ただ今回は下塗りでもあるので、少々変則的に1コートソリッド用の原色黒(MIX412)とクリスタルクリアーを50:50で割っています。

そんな事はマニュアルに書いてありませんが、大丈夫です(業界では結構当たり前の使い方です)。

クリアーで半分に割る意味はズバリ作業性で、1コートソリッドはやはり肌が出来にくいところを(それでもSTANDOXは素晴らしい方です)、クリアーを混ぜればレベリングが良くなるので格段に塗り易くなります。元々はDUPONTのAF101とかAK100(どちらも1コートソリッド用の樹脂)が酷過ぎた為、それの対処方法としてデモマンに教えて貰いました。下にベースコートを塗れば隠蔽に関しては関係無いので半分に薄くなっても問題が無いのです(ベースコートを塗っても何ら問題無く、今回も塗っています)。

 と言う訳で、今回は「下塗り」と言う事で一気にストレスが減りました。時間は余計に掛かりますが、仕上がりは全然変わりますからね。

この後はいつも通り60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、再び足付け処理を行って次は本塗りとなります。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!