エクシーガ内装パーツ 本塗り

先日サフェーサーの塗布まで完了していたエクシーガのセンターコンソール(モニターパネル)に着くメッキモールです。正面を#800で水研ぎをし、側面は布状の研磨副資材アシレックスレモンで研ぎ付けます。

その他の部品は同じく布状の研磨副資材アシレックスレモン(#800相当)で空の足付け処理を行います。

右側はシフトパネルで、今回はこれがちょっと問題を起こしました。

ダッシュパネルは大理石調?の水圧転写がされたような部品で、表面にはクリアーが塗られています。

エアコン吹き出し口のパネルはいつものようにクリアーが塗っていないシルバー塗装仕様です。使っている内に摩耗して下地が露出してしまうアレですね。

多少小傷があったので#400→#600→#800で均しておきました。元々チヂレ易い塗装なので塗装時には様子を見ながら気を付けて行います。

こういった場合の固定はいつもならクリップを二個用いていましたが、先日作成したワイドクリップのお陰で固定は一個で済んでいます。ただ塗っていて回ってしまうと言う…(次回から真鍮棒の固定をしっかりしないとですね)。

プラスチック素地の部品にはプラスチックプライマーを塗布し、ベースコートを塗って、さらにクリアーを塗ったら本塗り完了です。

色はスバル純正色の「ピュアホワイト」(カラーコード:51E)で、クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ピュアホワイトは白をメインに、ブルーとグリーンと黒が入っています。それ単体だと判り難いですが、比較的青味の強い白となります。

眩し過ぎて撮影がし難いのですが、チヂレも無く艶々に仕上がっていますのでご安心下さいませ。

車内の雰囲気も大分変るのではないでしょうか。

そして問題のシフトパネルです(問題と言う程でも無いのですが塗り直しは必要です)。

ベースコートを3回程塗った時点で他の部品に比べて染まっていない(隠蔽していない)個所が何カ所かあって、何かおかしいな・・・と思ったらどうやら「ニジミ」が生じている模様です。下の色が溶けて表面に浮き上がるような現象ですね。

家電製品などで黒い着色樹脂を「より黒く」と言う時にニジミ易い成分(主に染料)を入れられている物は時々見かけますが(実際何度か煮え湯を…)、車の部品でこれが起こるのは結構珍しいです。画像では一部ですが、これが部品全体で起こっています。こうなると延々黒が浮き出てくるので収拾がつきません。

以前紹介したようにニジミ止めシーラーを使えば防げる(事もある)のですが、既にベースコートを塗っているので間にそれを入れるのは避けたく、取り敢えずクリアーまで塗って一旦終了とする事にしました。

対処方法は判っていますので特に問題は無いと思いますが、少し時間が掛かりますので何卒ご了承下さいませ。

一番大きな部品のセンターコーンソールはつや消し黒で伺っておりますので、そちらも作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ボールペン同軸×5 本塗り

 先日から色を作成しているボールペンの同軸塗装用の塗色です。

塗色についてはオーナー様に画像を確認して頂いて一部を変更致しました。上の画像の一番左の紫が暗かったもう少し明るい紫に、またジェイドグリーンに関してはキャンディー塗装無しで変更承っております。

配合データをメーカーサイトからダウンロードし、改めて作成し直しました。

 二個手前の画像に比べると左上の紫が明るくなったのが判ると思います。

上段がベースカラーで、下段がその上に塗り重ねる透明な塗料=キャンディーカラーとなります。

今回はご依頼品とは別にうちの色見本用として注型ミニカーと、画像ではちょっと判りませんが小さいアクリル板を一緒に塗装しています。アクリル板の方はキャンディ―カラーを塗らないで仕上げるようにして変化が判るようにします。

同軸の内側両端には細かいネジ山がある為、そこには塗料が着かないようマスキングをしています。

 今回は5色+4色を塗りますが使用するスプレーガンは2丁のみで、塗り終わった物からガンを洗って新たに色を入れていきます。

 ベースカラーの塗装が完了です。

 こちらが今回変更となったトヨタのレディッシュパープルマイカメタリック(カラーコード:9AC)となります。

 右の濃い緑がトヨタのジェイドグリーン:6V5で、

 明るい黄緑がダイハツ フレッシュグリーンメタリック:G57、

こちらはトヨタのチェリーパールクリスタルシャイン:3S7です。

ホワイトパールが入っています。

 ここからは先ほどのベースカラーに塗り重ねるキャンディ―カラーとなります。

これはローズピンクなる色で、ハウスオブカラーでは無く懇意にさせて頂いている塗装屋さんから購入させて頂いている製品です(製品名は良く判りませんが耐候性がハウスオブカラーより高いのが特徴です)。念の為ですがテールランプに塗っている色とは違います(あちらはレッドで、こちらは青味のあるマゼンタ系です)。

こちらはハウスオブカラーのコバルトブルーで、以前W124のエアークリーナーボックスに採用した色ですね。発色がとても綺麗なキャンディーブルーです。

 こちらはバイオレット系のキャンディ―カラーで、ハウスオブカラーでは無い方です。間違えて2リットルも買ったしまった為(原色を、です・・・)、塗装屋人生最期までに使いきれないかも知れません…。ちなみにですが、画像のキャンディーカラーはどれもバインダー(ベースクリアー)で10%程に薄めてあります。

 こちらはハウスオブカラーのグリーン系キャンディーで、少し前にご依頼頂いたS-WORKSのカーボンフレームに使用した色ですね(その時はもう少し青味のグリーンを足しました)。

 キャンディーカラーを2コート程塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。発色が普通の塗装とは全然違いますよね。

 画像で見ると普通の2コートパールメタリックに見えなくも無いですが、実物はキャンディーカラー特有の色の深みを感じられます。バイオレット系のキャディーカラーを重ねています。

 こちらの濃い目のグリーンはキャンディーカラー無しの2コート塗装となります。

 こちらは明るい黄緑色の上にグリーンのキャンディーカラーを重ねた色で、今回一番キャンディーカラーらしさ感じる色味になっているかも知れません。

画像では伝え難いのですが、こちらのトヨタチェリーパールクリスタルシャイン:3S7のキャンディー仕様も中々面白い色味になったと思います。

完成時にはそれぞれベースカラーのみ(キャンディーカラー無し)の物と並べてそれぞれの変化が判るように紹介しようと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

Mazda Fuel Cap

 マツダ純正のガソリン用フューエルキャップです。軽油用の物には「DIISEL」と「MAZDA」のロゴがありますが、ガソリン用の物にはそれらの記載がありません。

 参考までに、こちらが軽油燃料用のフューエルキャップとなります。

 軽油用のキャップは混油を防止する為にグリーン色に塗装するご依頼が多いのですが、今回はこれのハイオク仕様の塗装となります。

イエローに塗装するご依頼は今までにもありましたが、今回はさらにそれに「PREMIUM」のロゴを入れます。字体は「DEISEL」のフォントにも使用したものを選びました。

プラスチック表面の梨地を#120→”180の空研ぎペーパーで研磨します。

塗らない部分をマスキングし、十分に脱脂洗浄を行います。

樹脂の表面には専用のガスを使って火炎処理を施し、親和力の大きい有機化合物を樹脂の表面にナノレベルで形成してこの後に塗るプラスチックプライマーの密着性を向上させます。

その後2液性のウレタンサフェーサーを塗り、60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

サフェーサーを#320→#400で研磨してラインを形成し、#600→#800の水研ぎでペーパー目を均します。

色は以前施工した時のイエローを参考にして作ります。

再びマスキングを行い、まずはベースカラーとなるイエローを塗布します。

イエローの塗膜を十分に乾燥させたら用意したマスキングシートを用い、ロゴを塗装します。

ロゴは完全な黒では無く、若干白を入れた濃いグレーにしています。

ベースコートが完了した状態です。

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして完成となります。

最近はセルフ式のガソリンスタンドが増えましたが、こうしておけばうっかり違う種類の燃料を入れてしまう事も防げるかと思います。

今までご依頼頂ている色はグリーンとイエローのみですが、ボディと同色の仕様などでも対応可能です。STANDOXのSPFシルバーを使った金属感のあるシルバーなどにしても良さそうですよね。

CORSAIR PCケース 磨き作業

 結構前の画像なのですが、CORSAIRパソコンケースのサイドパネルの磨き作業を行っている所です。

ゴミが付いた個所は表面張力でクリアーが盛り上がる為、#1500で平らにしてから#2000で肌均し、さらに#3000でペーパー目を均します。

 その後、3~4種類のコンパウンドを使って磨きます。

磨きの作業に限った事では無いのですが、塗装作業で使用する材料ややり方は個人によって好みが変わるので、同じ会社内でも使っている物が全く違う!と言う事は良くあります。

コンパウンドだとファレクラのG3やらソーラーやら3Mがメジャーですかね。私も昔はRMのブリルとかソーラーとかを使っていましたが、いつの間にか3Mで統一されていました。熱によるカラミは出ますがやはりノーワックスが基本ですよね。

 CORSAIRのパーツは全て本塗りが終わり、現在はこの様にして保管しています。

ちょっと散らかっていて見苦しいのですが、この部屋は保管専用のスペースでして、部品を宙に吊っているのはその方が安全だからです。

組み付け作業はもう少し先になりますが、進行次第また紹介させて頂きますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!

ボールペン胴軸塗装 色準備

先日サフェーサー研ぎ作業までが完了していたボールペン用真鍮製の同軸5本です。

 色はそれぞれ自動車のボディーカラーで承っておりまして、

深緑:トヨタ ジェイドグリーン:6V5

黄緑:ダイハツ フレッシュグリーンメタリック:G57

水色(ターコイズ):ダイハツ スプラッシュブルーメタリック:B80

ピンク(マゼンタ):トヨタ チェリーパールクリスタルシャイン:3S7

紫:ホンダ ミスティックガーネット・パール:RP50P

といった内容となります。

まずはこの5色を作成しました。

 これらをベースカラー(下色)として、

 その上に透過性の塗装=キャンディーカラーを重ねる3コート塗装で承っております。

上段が下色で、下段がキャンディーカラーとなります(ちょっと濃いのですが透明な塗装です)。

使用するキャンディーカラーはそれぞれの塗色にあった物として、グリーン系の2色には「キャンディーグリーン」、青には青、ピンクには(ローズ)ピンク、濃紫にはバイオレットを使用する予定です。

ただ実際に下色を作ってみると濃紫の「ホンダ ミスティックガーネット・パール:RP50P」と緑色の「トヨタ ジェイドグリーン:6V5」が暗すぎる為、キャンディー塗装のメリットが活かせられない可能性があり、現在オーナー様にご確認を頂いている所です。

キャンディーカラーは下色を透過させる事で表現する色なので、例えば黒の上に透明な赤を塗ろうが透明な青を塗ろうが黒でしかありません(明るい場所で見た時に多少色相は感じられますがパッと見はやはり黒です)。

他の3色については比較的明るい色味なのでその上にキャンディーカラーをコートすると色の変化・深みを感じられると思います。

また進展しましたら改めて紹介させて頂きますね。どうぞご確認の程宜しくお願い致します!