TOYOTA86 ヘッドライトインナー 下準備

 こちらも大変お待たせしております。トヨタ86のヘッドライトインナーパネルです。作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

ご依頼頂いている色は「黒」で、ただそもそも現状でも艶のある黒なので「わざわざ塗る必要は無いのでは…」と思っておりましたが、その理由が判りました。

事前にオーナー様からは、「メッキ剥離した状態で仮合わせしたところ、プラスチック感ありありで目が死んだように思いました。黒さが足りないと言いますか…艶が足りないせいなのか…」と言う事を伺っておりまして、改めて屋外で見てみると確かに黒さが足りません。

画像手前にあるのが今回塗装予定の「黒」で(STANDOX原色の標準的な黒でMIX571です)、それに比べるとかなりグレーっぽい色になっています。塗装する意味が判って私的にも安心出来ました。

そして今回はリング部分の内側と正面を「SPFシルバー」の塗り分けで承っておりまして、そちらの準備を行いました。

ちなみにSPFシルバーは「下色の黒を透かして金属感を出す」と言う3コート塗装となる為、塗装の工程、マスキングの仕方などに少々工夫が必要です。

塗り方の工程としては「最初に全体を黒で塗り、リング周りをマスキングしない状態でSPFシルバーを塗布、テープフリー後にシルバーにする箇所をマスキングして再度全体に黒を塗装」と言う方法にしました。塗り方としては少々面倒ですが、塗り分けのラインはこれが一番美しく仕上がると思います。

まずはマスキングする円の径をノギスで測り、

それを基に円形のデータを作成し、

カットして仮貼りします。

一方のフチをプレスラインの頂点(より少し内側)に合わせてみると、

反対は少し足りない感じです。

ここをさらにノギスで測り、再びデータを作成→マスキングシートをカットします。

結果としては直径86.5ミリで丁度良くなりました。

これでマスキングシートが出来上がったので、後は後日全体を足付け処理し、タイミングが来たら本塗りを行う予定です。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ964ブレンボキャリパー塗装承ってます

先日到着しておりましたポルシェ964用のブレンボキャリパー一式です。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

 状態としては全体に傷があって、やはりと言うか表面のクリアーはいつものように剥がれています。

ご依頼内容としては、

・全体をサンドブラスト処理(旧塗膜の剥離)

・プライマー塗装

・ベースカラーは黒(艶あり仕上げ)

・ロゴは「PORSCHE」を白で、ただ字体は既存の古い物では無く今のデザインで

となります。

念の為、ロゴのデザインの参考になる画像を紹介しますね。

ロゴのフォントはこちらで、サイズは既存の通りフロント75ミリ、リヤを54ミリにて対応致します。

ちなみにこちらのオーナー様は今まで4~6回くらい当店をご利用頂いておりまして、以前一度キャリパーの塗装もご依頼頂いておりますのでそちらを紹介させて頂きますね。

こちらは7年くらい前にご依頼頂いたランサー用のキャリパーで、装着後はサーキットで激しい走り方もされているとの事ですが、その後塗装の剥がれや褪色など全く無く、とても綺麗な状態との報告も頂きました。ちょっと記憶が曖昧なのですが、「塗るならタカハタさんのところしか」と言って頂けて誠に有り難い限りです(勘違いだったらすいません…)。

ちなみにこちらは先ほどのランサー用のキャリパーなのですが、塗装前はいつものようにブレーキ屋さんでの外部委託にてサンドブラストや洗浄、マスキングまでの作業をお願いしています。

こういった物は色を塗ってしまえば下地の状態は見え無くなる為、一概に「下地処理」と言っても手抜きで済まされてしまう事もあると思いますが、せめて塗装の事に知識の無い一般の方でも判り易いようにと工程を画像で紹介しています。

塗装は各工程が複雑で、且つ使う材料や工具などは作業者によって全然違う為、それについては何が正解と言うのは難しいのですが、せめて掲載する画像などがご依頼頂く時の参考になればと思っています。アンドレアスグルスキー氏の写真じゃないですが、「細部まで見たい」と言う欲望は多分誰でもある筈ですからね(じゃあもっと画像サイズを大きくすれば…と言う事で、今日から少し大きくしました。笑)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!

LEXUS Interior parts

 レクサスの純正内装部品です。

 状態としては未塗装で、また樹脂の表面にはシボ模様が施されています。

こちらはステアリングスポークカバーで、やはり同じようにシボ模様となっています。

  インナーハンドル周りはシボ模様ではありませんが、全体はザラザラとした梨地の為、やはり下地を整えてからの塗装となります。

 簡単な分解であればサービスで対応しておりますが、その際に生じた破損や部品の紛失、動作不良などには補償が出来ません。ご懸念の場合は部品単体の分解した状態にしておいて頂けますようお願い申し上げます。

 グリースを拭き取り、油分や汚れは綺麗に落としておきます。

 平面部分の梨地は#120のダブルアクションサンダーを使って削り落とし、

 エアーツールが使えない細かい箇所は手研ぎで行います。

 #120で素地を削った後、#180~#240でペーパー目を均します。

 良く脱脂清掃をし、塗装したくない箇所にはマスキングを行います。

 プラスチックプライマーを塗布し、2液ウレタンサフェーサーを塗布します。

 ステアリングスポークカバーは穴のフチに細い溝がある為、そこを埋めないよう塗り過ぎに注意します。

 この後一旦寝かし、60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。

研ぎ具合の確認の為、サフェーサー表面にはガイドコートとして黒を塗布します。

  サフェーサーは#320~#400でライン出しを行い、#600~#800でペーパー目を均します。最後は布状の研磨副資材(アシレックス)を使ってペーパー傷を均一に整えます。

 必要に応じてマスキングを行い、台にセットして本塗り開始です。

 プラスチック素地が露出している箇所には再びプラスチックプライマーを塗布します。

 ベースコートの黒を塗り、クリアーを塗って本塗り完了です。

 色はレクサスの純正色「オブシディアンブラック」(カラーコード:212)で、クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承っております(オプションでクリアーの変更が可能です)。

 高品位なクリアーは高美観はも勿論、耐UV効果・耐擦り傷性・耐薬品性などに優れている為、日常的によく触れる部品への使用はお勧めです。

 その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして締まりきらせます。

 【お任せコース】では磨き処理を行いませんが、塗りっ放しでも遜色の無い艶具合に仕上がっていると思います。

 今回のように「単色ベタ塗り」の場合には費用を抑えた【お任せコース】がお勧めです。

ただし「どうしても細かい箇所まで気になってしまう性格だ」や、「大抵の事に満足出来ない事が多い」と言う方には【標準コース】以上をお勧め致します。

尚、一番ご依頼が多いコースは【お任せコース】で、やはりそちらに「クリスタルクリアー」をオプションで付けられる仕様が人気です。