BABOLATテニスラケット サフェ入れ

 こちらもお待たせしております。BABOLATのカーボン製テニスラケットです。

 うっかりしていて最初に気が付かなかったのですが、今回のラケットには根元部分に白いゴムが着いていて、オーナー様に御確認を頂いたところ、外さない方が良いかも知れないとの事で、今回はこちらをマスキング、塗装する範囲はゴムの所までとしました。

 旧塗膜は#120~#180のダブルアクションサンダーと、

 #240の手研ぎで削り落とします。

既存の塗膜の密着性は良好で、ここまで剥がす必要も無かったのですが、何もしないまま「剥がさなくても大丈夫」と言うのも何ですので、一応ある程度までは剥がしておきました。

 よく脱脂清掃し、台にセットします。

 ラケット周りにはガットを張る際にそれを固定するグロメットを嵌る為、溝にサフェーサーが入り過ぎないよう、最初の数コートはマスキングした状態で行います。

 ちなみにそのまま普通にマスキングテープを貼ると、表面張力でフチに塗料が溜まって激しい段差が出来てしまう為、マスキングテープの端を折ってヒラヒラするような感じにしています。幅が8ミリくらいと狭い為、6ミリテープを1/3程織り込んで4ミリにしたテープを二本に分けて貼り付けています。

画像はサフェーサーを4コート塗った状態で、2液ウレタンをウェットに塗り込んでもフチに段差が出来ていないのが判ると思います。

 マスキングテープを剥がし、

 さらにサフェーサーを2コート塗りました。溝以外の部分は都合6コート塗られた状態です。

グリップに近いゴムの部分も、やはり際のマスキングは端がヒラヒラとなるようにして段差が出来ないようにしています。ラッカーサフェのように柔らかい塗料ならわざわざこんな事をしなくても良いのですが、2液ウレタンのサフェは固まると研ぐのが大変なので予め楽に出来るように工夫しておきます。

この後60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥硬化させます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NDロードスター リヤフラップ&ボールペン胴軸 サフェ入れ

 大変お待たせしておりました。NDロードスター用の社外品FRP製のリヤフラップです。

表面には白ゲルコートの層があるので、それを#180と当て板でライン出しを行い、最後に#240でペーパー目を均しておきます。

部品の裏側は車体(バンパー)に両面テープで貼り付けられる為、そこを利用して台に固定します。具体的には細い芯状に丸めたガムテープを貼付け、台となるボール紙の棒にもガムテ―プを貼り付け合体させるような感じです。

尚ガムテープは熱を掛けると粘着力が落ちますが、固定個所を部品の中心にしておけば大丈夫です。

ポリエステル系樹脂を使ったFRP部品にはプライマーの塗装は必要無い為、直接サフェーサーを塗布します。

コート毎にフラッシュオフタイムを5分程設け、合計5~6コート程塗っておきました。

 そしてこちらもお待たせしております、ボールペンの同軸部分です。

金属素地への足付け処理方法としては、ペーパーは一方向だけでは無く縦横斜め全方向無尽蔵に傷を入れるとプライマーの食い付きがよくなります。それを機械で行えるのがこのダブルアクションサンダーで、円回転の芯をずらす事で(偏芯)傷を多方向に付ける事が出来ます。

少し前に頂いたお問い合わせで、金属製のキーホルダーにメタルプライマー(?)を塗っても簡単に色が剥がれてしまうといったご相談を受けましたが、多分プライマー云々では無く素地調整(足付け処理)の問題かと思います。

ペーパーを一方向に入れるだけだとシングルアクションサンダーと変わりは無く、それではプライマーもパテも食い付きません(エポキシなら大丈夫ですが)。平面であればダブルアクションサンダーやオービタルサンダーなどを、サンダーが入らないようなイビツな形ならリン酸などの化成処理かサンドブラスト処理、また最近であれば火炎処理などを行うといった方法となります。とにかく被塗面には何かをしてあげないと塗装は密着しません。尚、密着剤はもはや論外です。

 良く脱脂処理をして台にセットし、さらに脱脂をしてエアーブローを行い、

 

 プライマーを塗布します。

また今回は(今回も)小傷があったりしましたので、念の為全体にサフェーサーも塗っておきました。

尚、テニスラケットもサフェーサーの塗布まで完了しておりまして、そちらはちょっと長くなるので後程改めて紹介させて頂きます。

いずれもお待たせしておりますがどうぞもう少々お待ちくださいませ!