ボールペン胴軸 色作成

先日プライマー&サフェーサーを塗っておいたボールペンの胴軸部品です。

その後熱を入れて塗膜を完全硬化させ、ガイドコートを塗ってサフェーサーを研ぎます。

耐水ペーパーの#600と#800で水研ぎをし、最後は布状の足付け処理用副資材(アシレックス)でペーパー目を均します。断面部分にもこれを軽く当てて足付けをしておきます。

 そして色を作りました。全部で5色、内1色は「カラーベース」と「パールベース」がそれぞれ別れた3ステージ(3コート)仕様となります。真ん中の紙コップが二個重なっている色です。

 色は左から、


・赤:Lamborghini, Rosso Mars(カラーコード:LZ3M)

・橙:Lamborghini, Arancio Atlas(カラーコード:0058)

・黄:Lamborghini, Giallo Maggio(カラーコード:0129)

・茶:BMW, Marrakesh Brown Metallic(カラーコード:B09)

・濃緑:Jaguar, British Racing Green(カラーコード:HGY)


となります。真ん中の黄色が2個並んでいるのはどちらも同じ色です。

 真ん中のランボールギーニのGiallo Maggioは、最初に黄色を塗り、その上に右側のピンクっぽいパールを重ねます。

ちなみにこのピンク色のパールベースは、配合データより20倍濃くなっていますので、実際に塗る時はもっとバインダー(樹脂)で薄めて塗ります。取り敢えず紙の上に塗って判り易いようにと濃い状態にしました。原色の配合としては、ゴールドパールとレッドパール、また粗目のメタリックも入っています。

 さらに5色の内の左側3色にはキャンディーカラーを重ねます。

それぞれの組み合わせは

・赤:Lamborghini, Rosso Mars(カラーコード:LZ3M)+ キャンディーレッド

・橙:Lamborghini, Arancio Atlas(カラーコード:0058)+ キャンディーオレンジ

・黄:Lamborghini, Giallo Maggio(カラーコード:0129)+ キャンディーイエロー

といった感じです。

キャンディーカラーそれぞれの特徴も紹介しますね。

 

左から、

・キャンディーレッド・・・いつもテールランプに塗っている物とは違い、ハウスオブカラーのアップルレッドです。テールランプに使っている赤よりも耐候性は劣りますが、赤がより鮮やかなので今回はこれの方が良いと思います。

・キャンディーオレンジ・・・キャンディーオレンジ原色そのままだと赤味が強く下地のオレンジを潰してしまいそうだったので、イエローを5倍加えて黄味寄りにしたオレンジを使う事にしました。

・キャンディーイエロー・・・こちらは原色そのままです。それぞれバインダーで10倍くらいに薄めています。

 

こちらのボールペン胴軸の塗装を行うのは今回が二回目で、前回のご依頼でもキャンディーカラーを採用しておりましたので、オーナー様もそれぞれの色の組み合わせは良くご存じのようで、今回はこの仕様で問題無く良い具合に出来ると思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

SHURE SM58-50マイク クリアー二度塗り

 先日本塗りを行っていたSHUREのボーカルマイクSM58、50周年記念モデルです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を強制乾燥~完全硬化させておき、次はデカール部分を研磨して二度目のクリアー塗装を行います。

 デカールは貼ったそのままの艶消し状態では比較的綺麗に見えるのですが、こうやってクリアーを塗るとその厚みが良く判ります。とても気持ちが悪いですよね。

 デカールの段差を#800~#1500の耐水ペーパーと固い当て板で平らに研ぎ、さらに全体を足付け処理します。

 ただし完全に平らに研ごうとするとデカールが露出してしまい、最悪印刷部分を削り落としてしまう事に成りかねませんので、研ぎは「ある程度」に留めておきます。ただす普通の方なら判らない程度の平滑にはなっていると思います。

 脱脂処理後、クリアーを塗って本塗り完了です。クリアーは最初に塗った時と同じく高品位なタイプの「クリスタルクリアー」となります。

ちなみにこちらのスマホカバーはテスト的に行っている事でして、「ポリカーボネート樹脂に足付け処理を行て白く曇った状態でデカールを貼っても透明になるのか」を確認する為に行っている物です。気にされなくて大丈夫ですのでご安心下さいませ。

さらにこの後60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥~完全硬化させ、必要に応じて磨き処理を行い、数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

PCケースシャーシ塗装 完成

 大変お待たせしました!PCケースシャーシのパーツ一式塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

最初にこちらの2部品が到着しておりまして、

その後にこちらの部品が届きました。

 仕上げは艶消し黒で、クリアーを塗らない【激安コース】の仕様となります。ベースコートに直接硬化剤を入れています。

 こちらの部品はには元々梨地の黒が塗られていた為、溶剤槽に浸け置きして旧塗膜を剥がしています。

 全部裏返しました。

 これらの部品は元々リベットで固定されていて、オーナー様自らをそれらを取り外し、角ワッシャーを半田付けしてあります。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

S-WORKS VENGE VIAS②

前回に引き続き、キャンディーグリーンに塗装したS-WORKS VENGE VIASのカーボンフレームとフォークの作業内容の紹介となります。

今回のフレーム塗装でご指定頂いている塗色はキャンディーカラーのグリーンで、オーナー様からは以下ページの色を参考にとご指示を頂いております。

https://matome.naver.jp/odai/2146741650393168701/2146938553598436603

http://www.cyclowired.jp/image/node/20676

キャンディーカラーとは透明な塗料を用いて、光が塗膜を通る事によって生じる色変化を表現する塗装です。

例えば上記の画像ではシルバーメタリックの上に透明なイエローを重ねてゴールド色に表現しています。メタリック自体に色は混ぜている訳ではありません。

 キャンディーカラーは通常の補修用塗料とは違い、それ専用の物を使います。今回はカスタムカラーではメジャーなハウスオブカラーを使いました。

 色は「黄味寄り青」と「青味寄りの緑」を混ぜて作ります。

それぞれ配合率を変えた塗料で色見本を作成します。

キャンディーカラーは塗料中の含有量やコート数(膜厚)で色が変わる為、同じ配合でも違う塗り方をした色見本も作成します。

平面だけでは判り難いので、立体的に見える色見本も作成しました。

  最後にはクリアーも塗り、色を比較していきます。

と言う訳で最終的にこちらの色に決定となりました。配合はキャンディーグリーンが2に対してキャンディーブルーを1の割合となります。

 そしてサフェーサーを研ぎ終わったフレームです。

 サフェ研ぎの際に露出したアルミ部分にはプライマーを塗っておきます。

 まずは下色のシルバーを塗ります。STANDOXで最も粒子の大きい(粗い)原色MIX598です。

 メタリックはフレーク顔料が大きいとその分肌が荒れやすい為、塗装の際は極力ウェットコートで行います。画像では艶がありますがクリアーでは無くベースコートです。

 そしてシルバーの上にキャンディーカラーのグリーンを塗り重ねていきます。

 規定の色味になるまでベースコートを行い、

 最後にクリアーを塗って下塗り完了です。

 今回はロゴ入れの塗装も承っていますが、一度に行うと仕上りが悪くなる為、二回に分けて行います。

また今回は追加でペダリングモニターセンサーのカバーも同色で承りました。こちらのpioneerロゴも改めて塗装し直します。

その後60℃40分程熱を掛けて塗膜を強制乾燥硬化させ、さらに数日寝かします。

下準備をする前に4回目の計量を行ってみました。

剥離作業前の重さが1138.3gで、旧塗膜を剥離後は1057.2gで81.1g減、サフェーサーを塗って研いだ後は1112.9gとなり、その後キャンディーグリーンの下塗りを行ってこちらの数値となります。

ただしこの状態だとイモネジが3個入ったままで、こちらが4g×3=12g、実際は1148.1gになります。今回塗ったキャンディーグリーン(ベースコート+クリアー)の塗装分が35.2gといった感じです。

ちなみにオーナー様からは重量増については全くの不問で、単に私が興味がある事と、参考の為に計量を行っています。

本塗りに続きます。

S-WORKS VENGE VIAS③

セルシオ内装部品塗装承ってます

 先日到着しておりました初代セルシオ(10系)後期型の内装部品一式です。こちらはベージュ(ブラウン)で承っている部品で、

 さらにこちらはグレーで承っております部品です。全部で15個(別の小さな2部品は装着状態)となります。

ちなみにこちらのオーナー様は2011年頃にも当店をご利用頂いておりまして、以前は車種は判らなかったのですがどうやらパレットだったようです。ちょっとそちらも紹介しますね。

純正部品をかなり加工された物で、そのままだとちょっと心許ない状態だったので当店にてエポキシパテなので強化してから塗装しています。オーナー様曰く、「現在でも塗装していただきましたオーディオパネルは大切に使わせていただいております。
また色褪せやパテ整形していただいた部分の肉痩せもなく、コンディションを保った状態です。」との事で、本当に良かったです。またこの度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!

先ほどの画像だとかなり判り難かったので改めて室内で撮影し直しました。まずはベージュ(ブラウン)でご依頼頂いている部品9点(別の小さい2部品は装着状態)となります。

 それとは別にお預かりしているのが上の画像の左側にある内装部品です。今回はこの部品に近い色を色見本帳から選んで塗装する予定です。

内装色の近似色を探す方法としては、以前紹介したポルシェの内装部品塗装の記事が判り易いと思いますので宜しければご参照下さいませ。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/05/02/%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7%E5%86%85%E8%A3%85%E8%89%B2%E6%A4%9C%E8%A8%BC/

この部品はそれぞれが組み合わさる「クリーンボックス」なる製品で、表側の面はかなり色褪せしているのが判ると思います。これは塗装では無く樹脂自体に着色されている物で、それが原因ですかね。耐候性のよいアクリルポリウレタン塗料が塗られていればこうはなりません。

クリーンボックスの土台部分は全部塗るので、貼ってあったフエルトシールは剥がしておきました。切れたら似たような物を探そうと思っていましたが大丈夫だったので両面テープだけ貼り直しておいてあります。

そしてこちらはグレーで承っている部品4点です。先ほどと同じ部品ですが、現在2台のセルシオをレストア中との事で、どうやら違う設定色があるようですね。しかし二台もレストアとは大丈夫でしょうか…(色々と。笑)。

こちらも色の見本となる部品をお預かりしておりまして、同じように左側の部品のグレーに近い色を色見本帳から選んで採用します。クリアーはどちらも「艶消し」の仕様で、また被塗物部品はどれもシボ模様が施されている為、塗り過ぎてそれを潰さないよう厚塗りは避けようと思います。艶具合もかなりマットなのでそれで丁度良くなると思います(耐候性は問題ありませんのでご安心下さいませ)。

現在大変御依頼が多くなっておりますので作業着手は大分先になってしまうと思いますが、どうか今しばらくお待ち頂けますようお願い申し上げます。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!