セルシオ内装パーツ 本塗り

先日色の作成を終えていたセルシオの内装部品一式です。こちらは室内に着くカーテンレールですね。

 こちらは既存の塗膜が余り密着していなく、ただ素地の梨地模様を活かしたいのでいつものようなペーパー掛けでは無く、スチームで剥がせるだけ剥がすようにしました。

樹脂の素材は不明だったのですが、小さな付属品の裏側に記載があり、PA(ポリアミド)と言う事が発覚しました。用途からしてPPかPAのどちらかかと思っていましたが、とにかくPEで無くて良かったです(PE=ポリエチレンでも塗れない事は無いのですが激しく大変です)。

 まずは全体を軽く研磨します。どれも梨地・シボ模様があるのでそれを損なわない程度にですね。

 その後スコッチとウォッシュコンパウンドを使い全体を足付け処理します。

 シリコンオフでも脱脂処理は出来ますが、古い部品の場合それでは落ちない付着物(天然樹脂や溶けた飴など)があったりするので、これらに関してはやはり水性系の洗浄が安心です。

 良く脱脂清掃し、マスキングをして台にセットします。

 今回はベージュ(ブラウン)とグレーの2色で承っていますので、それぞれ間違えないよう確認します。

 意外と面倒だったのがカーテンレールの固定で、少しだけあった切れ込みなどに丁度良い厚みの金具などを挿し込んで固定しています。

 ダストボックスに貼ってあったアクリルエンブレムは外さずにマスキングで行っていますが、表面が細かい傷で曇っていたので磨いて綺麗にしておきました。

 こちらは元々グレーに塗ってありますが、今回ベージュ(ブラウン)になります。

 カーテンレールの剥がれた塗膜の辺りはコシの無い布状の研磨副資材(アシレックス)で研磨して梨地を削り落とさず、塗膜の段差を緩やかにしています。

 プラスチックプライマー塗布→ベースコート塗装→艶消しクリアーコートで本塗り完了です。

 この辺はかなり斑に塗膜が剥がれていた個所ですが、塗膜が残っていた所との段差や境目は言われても判らない状態にはなっています。

 懸念していた事としては塗膜の切れ目に生じる「チヂレ」で、ただ事前にシンナーで拭いた(と言うか浸けた)テストでは問題無かったので安心はしていました。あんな感じで剥がれてはいたのですが使われている塗料自体はかなりしっかりした物のようです。

 ちなみに今回は艶消しクリアーも少し工夫し、極力艶が出ないよう、かつ荒れないよう注意して塗装しました。

 通常は最初の1コート目を少な目で、その後もう少しウェットに乗せるような塗り方をするのですが、今回は2コート目は極力塗り込まずミディアムウェットで塗るようにしています。シルバーのムラ取りみたいな感じですかね。

 こういう塗り方を平面で行うとムラが目立つのですが、今回は形がイビツな事と、表面には梨地やシボ模様があったのでそれらを心配する必要は無く、極力見本の塗装と同じように艶が無い仕上りを目指しています。

 ただし表面がザラついていたりするような仕上りにはしていませんのでご安心下さいませ。触った感じは普通にツルンとする筈です。

 こちらはシボ模様がある部品で、

 ベースコート・クリアーコートどちらも厚く塗って模様が埋まらないよう注意しています。

こちらはベージュ(ブラウン)の方ですね。この状態だとまだヌルっとするくらいなので、完全硬化すればもう少し艶が引けると思います。

熱を入れるのは来週以降で、その後剥がした布テープなどを基に戻したら完成となります。来週末辺りには完成出来ればと思っていますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!