CORSAIR900D フロントパネル 磨き処理

先日本塗りを終えていたCORSAIR900D用のアルミ製フロントパネルです。

塗り分けした個所の段差を均すのと、塗装面についたゴミを磨き処理で取り除きます。

ちなみに【お任せ仕上げコース】ではコストを下げる為にこの磨き作業を省いておりますのでご了承下さいませ(そちらのページでもご案内しております)。

工程としては、最初に#1500と当て板で凸部を平滑に研ぎ、その後#2000→#3000相当でペーパー目を均します。

その後はポリッシャーを使っての磨き作業で、最初は粗い目のコンパウンドと切削性の良いバフ(ウールバフ)を使ってペーパー目を消し、その後徐々に目を細かくしてバフも柔らかい物に替えて少しずつ傷の目を細かくしていきます(傷は無くなる事はありません。如何に人間の目に見えなくするかと言う事です)。

私の磨きのシステムについては以下のページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。これが正解と言う訳では無く、単に私の好みと言う内容で、意識していた訳では無いのですがいつの間にか全部3M製品になっていました。

各テールランプ塗装 磨き処理

 

上の画像は一番粗い目のコンパウンド(3Mウルトラカットエクストラ。今は多分廃盤でダイナマイトカットに該当すると思います)で磨き終わった時点で、画像だと綺麗に見えますが実際は傷だらけです。耐擦り傷性能の高いクリアーはその分磨きも大変なのでかなり粗い目のコンパウンドから始めないといつまで経ってもペーパー目が取れません。

昔「フッ素クリアー」なる物が登場し、巷の塗装屋さんは「硬くて磨けねぇ」みたいな話が出ましたが、それは当時の国産クリアーと比べたからであって、元々塗装ブースありきの塗装で激しい磨き処理を想定していない外資系のクリアーからすると、何のことだか判りませんでした。

昔の日本で行われていた自動車塗装はそれ専門の工場と言う訳では無く、自動車整備工場の片隅で「間借り」としておまけ程度に行われていたという事で、本格的な上下圧送の塗装ブースで塗る事などは想定していませんでした。露店吹きか、せいぜいビニールブースと言う環境だったようです。

それ故にクリアーの速乾性&その後の作業性(磨き)が重要視され、塗り肌云々と言うのは余り気にしなかったみたいです。それ以前にクリアーを塗った時にベースコートが溶けてメタリックが動いてしまう「戻りムラ」を起こさない為、クリアーはパラ吹き=ドライコートが基本と言う時代でしたしね(普通今はそんな事はしません)。

ちなみにウレタン(ポリウレタン)塗料については、日本はドイツより20~30年後発となっていて、それ故に未だその差が縮められないのでは、と思ってます。まあでも日本にはJAPAN(=天然樹脂=漆とか漆器の事)がありますけどね。

その後徐々にコンパウンドの目を細かくし、またポリッシャーのパッドもスポンジバフの目の細かい物に替えていきます。最終はオーロラマークを消すためにダブルアクション(ギアーアクション)にします。ワックスの類は使いません。

 

この後数日寝かしたら撮影をし、梱包したら完成となります。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!