GMCホイールキャップ サフェ入れ

 先日スプレーパテを塗っておいたGMCのホイールセンターキャップ(エポキシ樹脂製複製品)です。その後熱を掛けて完全硬化させておきました(と言うか他の案件と一緒に熱を入れさせて貰っています)。

 全体にベースコートの黒をドライコートで塗布し、それをガイドコート(研ぎの目安)として全体をサンディングします。最初は#120と当て板でカッチリとしたライン出しを行います。

 その後2ミリ厚のアクリル片に#180のペーパーを貼ってGMCの文字の内側を研磨します。

ちなみに当店で使用している空研ぎペーパーは全て裏側に粘着糊が付いているので、それを何かしらに貼れば手で抑える必要はありません。と言うか近年の塗装業界では糊が付いていない空研ぎペーパーの方が稀です。

 穴の内側は筆の柄にペーパーを巻いてグルグル回します。

 最後に表面を#180と当て板で研磨し、角やフチを#240手研ぎで面取りします。

 よくエアーブローをして巣穴に詰まったパテ粉を吹き飛ばし、脱脂清掃を行います。

 サフェーサーを5~6コート程ウェットで塗り込みます。毎コート間には自然乾燥で表面の艶が消えるまでのフラッシュオフタイム(乾燥時間)を十分設けます(内部に溶剤が籠ると表面に小さい巣穴が、また最悪ブリスターを発生します)。

凹み文字部は意外としっかり研げることが判ったので、その部分も容赦なくサフェーサーを塗っておきました。

ようやくこれで形が出来て来た状況で、次はサフェ研ぎと、カバー上部側面に開けた穴に4ミリのシャフトを打ち込み~接着します。そしていよいよ色の確認ですね。随分と時間が掛かってしまいまして申し訳御座いませんがどうぞもう少々お待ちくださいませ!

Cartier Pens

カルティエ・サントスのボールペン、胴軸部のパーツです。元々何かしらの塗装が施されていたと思いますが、オーナー様自ら剥がしてのご依頼となります。

 そのままだと塗料の食い付きが悪いので、表面をペーパーで荒らしてこの後に塗るプライマーの密着性を高めます。

まずはプライマーを塗り、

 サフェーサーを塗布します。

 60度40分程の熱を掛けてサフェ―サーを硬化させ、表面を研磨して平滑にします。 色を準備します。

各色は自動車のボディーカラーでご指定頂き、さらにその内の何色かには透過性の塗装=キャンディーカラーを塗り重ねる3コート塗装で承りました。

 キャンディーカラーは通常の2コート塗装では得られない色の深みなどを表現出来ます。

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」への変更で承りました(オプションで変更可能です)。

本塗後、60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させます。左にある四角い色板が「ベースカラーのみ」の塗装で、右側のミニカー型の色見本がそれにキャンディーカラーを塗り重ねた塗装です。中央にあるパイプの一番右の濃緑のみ通常の2コート塗装となります。

 それぞれ判り易い様に並べてみました。四角い板はキャンディーカラー無しの2コートメタリックとなります。

 キャンディーカラーを塗り重ねた方が色に深みが出ているのが判ると思います。

 赤も通常のソリッドカラーと違い、透明感のある色味となっています。

高品位なクリアーとの組み合わせで、レーザービームのような質感にも見えます。

後日オーナー様からコメントも頂けましたので以下に紹介をさせて頂きます。

「使うのが勿体ないくらいの綺麗な仕上げでビックリしました。
私も黄緑の綺麗さにとても気に入りました。
このボールペン軸はカルティエ・サントスの物なのですが、黒・紅・群青・深緑しかシリーズになかったので「モンテベルデ社」のカラフルな替芯を使おうにもリフィルの色とボディーの色が合わないので悩んでいたところに小物を塗装して頂ける会社がある
ことを知りお願いしたものです。
元々は黄緑のみをお願いしようと思っていたのですが他の色も一緒のクオリティーで塗装して頂いた方が統一感があってよいかなぁと思ってお願いした次第です。なので黄緑の綺麗さには驚きました。同じように「ビームサーベル」と称された水色も大変気に入りました。(どれも予想以上で気に入っているのですが)


仕上がりを気に入って頂けたのか、さらにその後こちらの5本をご依頼頂ける事となりました。

 二回目にご依頼頂いたのがこちらの5色で、

ボールペン塗装元々お持ちだった純正塗装品と併せ、後日こちらの画像を送って頂きました。

その時に頂いたコメントも紹介させて頂きますね。

「商品を受領いたしましてから1ヶ月が経ったので組み立てを行いました。
素人の携帯での撮影なので綺麗に撮影できておりません。せっかく綺麗に塗装して頂いたのにすみません。

1.jpgは今回塗装していただいた本のみです。
2.jpgは前回塗装して頂いた分と正規品(左から2番目の赤、11番目の青、13番目の黒、14番目の銀、15番目の金)です。

当初は小物を塗装して頂ける業者さんがなかなか見つからなかったので、自分で塗装しようかとも考えていましたが、こうやって並べてみると改めて塗装を頼んで良かったと実感してます。本当にありがとうございました。」

こちらこそこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!