THERMOSイエロー3コートパール 本塗り

先程に続けて、3本あるタンブラーの内の一本 です。

元々はこちらのヤギでデータを作製していましたが、

 その後ご要望があってこちらのヤギのデザインに変更となりました。

 色に関しては「現在のボトルの地色」で、さらにこちらを「3コートパール」の仕様で承っています。色はかなり鮮やかな黄色で、STANDOX原色MIX884が比較的似ていたのでこれをこのままカラーベース(パールベースの下色)として採用する事にしました。

塗膜は剥がしませんが、その上にプリントされた絵柄をそのまま残すと痕が出てしまう為(耐溶剤性が弱いらしくチヂレ気味になり、エッジマッピング宜しくそのまま延々残ります)、ステンレス素地を出さないよう注意してそれだけ削り落とします。

スタートは3本同時ですが、色が違うのでベースコートは1本ずつ行い、終わった物は恒温器(乾燥炉)に入れて保管しておきます。特に今回はデカール作業があったので2日に分けて本塗りを行っています。

底のプラスチックプレートは剥がす事が出来ますが、穴が空いているとそこから内部の中空部分に空気が入ってしまい、真空でなくなってしまう為に保温効果が落ちてしまいます。なのでこのタイプはマスキングで対応し、結果既存の塗膜もそのままで本塗りを行うようにしています(ですのでこの方法だと新品以外は対応が出来ません)。

色に関しては今回は「3コートパール」で承っていますが、鮮やかなイエローの上にパールを塗り過ぎると彩度が落ちてしまう為(白っぽくなる為)、事前に検証しながら色を決めていきました。

こちらは「イエローパール」ですが、鮮やかな黄色の上にこれを塗っても効果は少なく、むしろ彩度が落ちて逆効果になる為、

今回はこちらのゴールドパール(パウダータイプ)をメインに使う事にしました。

これらの顔料をバインダー(樹脂)に混ぜると、

こんな感じになります。下色の鮮やかなイエローを損なわないようにしつつ、パールの存在感を出すような感じでしょうか。

 カラーベース(MIX844)→パールベース(先ほどのパール)を塗り、十分に乾燥させたらデカールの貼り付け作業を行います。

 木工用ボンドを溶かした水にデカールを浸して台紙を剥がし、

専用の接着剤(マークセッター)を使って所定の位置に貼り付けます。「底部から2cmくらい」の位置にしました。

 その後恒温器の中に一日保管して十分にデカールを乾かし、

 クリアーを塗って本塗り完了です。

 ここまで小さいサイズは塗装(マスキング)では出来ませんが、デカールであれば対応は可能です(データの作成や調整、デカールへの印刷と貼付けには別途費用が必要となります)。

ちなみに当初「yagijapan」の部分は塗装で、左右のヤギのみをデカールで、とも考えていたのですが、そのまま繋げて貼った方がズレる心配が無いので今回は全てデカールで行いました。ボトルが少しでも曲線(円錐状)になっていたらこの方法は出来ませんでしたが(シワが寄ってしまうので)、今回は完全な円柱形だったのでこれが出来ています。

それでは続けてホワイトパールの仕様も紹介しますね。

THERMOS黒メタリック 本塗り

結構前にお預かりしておりましたサーモスと、同社製スターバックスのケータイマグ3本です。ヤギのイラストについて色々打ち合わせをしておりまして時間が空いておりました。そちらはまた別記事で紹介したいと思います。

まずはこちらのサーモスケータイマグで、元々黒系の塗装が施してあるのですが、今回こちらも序でに(恐らくはクリスタルクリアー仕様にして今後の塗装剥げを防止したいのでは)と言う事で、こちらを「真っ黒」の「メタリック」で御依頼頂きました。

オーナー様のご要望が「真っ黒」と言う事ですので、極力黒さが損なわれないよう今回はガラスフレークを使う事にしました。

その名の通りガラスの粉末で、特別な物と言う訳では無く普通に自動車のボディーカラーにも使われています。確かランクル系と、レクサスにも使われていたのではと(間違っていたらすいません)。

その他一番粗めのメタリック(MIX598)と、少しアクセントを加える為やはり粗目のブルーパール(MIX845)を極少量入れました。

 本体は足付け処理を行い、台にセットした状態です。

 先程の色(ベースコート)を塗りました。

フチ周りは綺麗にラインを出したいので、テープのフチを少し折り返した物でマスキングし、ベースコートが塗り終わった時点でそれは剥がしてしまいます。

さらにその下には少しだけオフセットした位置にマスキングテープが貼ってあるので、このようにしてベースコートとクリアーコートをそれぞれ違う位置でマスキングする事によってここの仕上りを綺麗にする事が出来ます。塗った事がある方なら判ると思いますが、ここを一度で仕上げようとするとラインがガタガタになる筈ですので。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。クリアーは3本とも高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っています。

メタリックの粒子が細かいとその分量を入れないといけない為、黒さが明るくなってしまうのを避ける為に今回は粗目のメタリックとガラスフレーク(とパール)を極少量だけ入れて効かせるようにしています。

その他イエローパールとホワイトパールの仕様も一緒に塗り上がっていますので続けてそちらも紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!